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スニーカーブームの一歩先へ
スニーカー市場について「マスマーケットレベルでは飽和状態」と語っていた、スニーカーショップ「キス」のロニー・ファイグ=クリエイティブ・ディレクター兼最高経営責任が次に照準を合わせるのは、ウィメンズマーケットのようです。「キス」が、ウィメンズライン「キス ウィメン」にクリエイティブ・ディレクターを初めて招へいし、旗艦店をニューヨーク・ソーホーに15日にオープンします。
日本でも、スニーカーブームと言われた近年にウィメンズ向けの業態を立ち上げた企業やブランドは複数ありました。最近でも“サンバ”や“BB550”が女性からの支持も集めています。ただ、スニーカーブームの先駆者でもある「キス」がこのタイミングでウィメンズラインを立ち上げるのは、その流れから一歩先を行く狙いがあるのでしょう。クリエイティブ・ディレクターのダニエル・カタリ本人もかなりのおしゃれなので、新たなムーブメントに期待です。
「キス ウィメン」に初のクリエイティブ・ディレクター NYに旗艦店もオープン
ロニー・ファイグ(Ronnie Fieg)が手掛けるニューヨーク発のスニーカーショップ「キス(KITH)」が、ウィメンズライン「キス ウィメン(KITH WOMEN)」のクリエイティブ・ディレクターにダニエル・カタリ(Danielle Cathari)を招へいした。同ラインにクリエイティブ・ディレクターが就くのは、2015年の立ち上げ以来初めて。同氏は24-25年秋冬シーズンからコレクションを手掛ける予定で、これに先駆けて12月15日(現地時間)に初の旗艦店がニューヨーク・ソーホーのブリーカー・ストリート沿いにオープンする。
カタリ新ウィメンズ・クリエイティブ・ディレクターは、ニューヨークではストリートデザイナーの登竜門として知られているウェブマガジン「ブイファイルズ(VFILES)」の一般公募型ファッションショーで、17年に学生で初めて優勝。その後、オランダ・アムステルダムで自身のブランドを設立し、「アディダス オリジナルス(ADIDAS ORIGINALS)」や「ニューバランス(NEW BALANCE)」「クラークス(CLARKS)」などと協業してきた。
ソーホーにオープンする旗艦店は、「キス」の1号店の跡地で、店内にはアーティストのマーク・ジュピター(Mark Jupiter)が制作したウォルナット材と大理石からなる什器をはじめ、「ヴィアビズーノ(Viabizzuno)」によるイタリア製の特注シャンデリアやトラバーチンの棚などを設置。「キス ウィメン」のアイテムを中心に、さまざまなブランドのアパレルやアクセサリー、シューズなどをそろえるという。また、ニューヨークを拠点とするプラント&フラワーショップ「プラントシェド(PlantShed)」と提携したカフェスペースも設けた。
なおオープン日には、限定コレクションアイテムを発売し、公式アプリや公式オンラインストアでも取り扱う。
「ルイ・ヴィトン」がニセコのポップアップ披露 外国人富裕層らをお出迎え
「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」が、12月15日に北海道のニセコにオープンする「ニセコ ウィンター リゾート ポップアップストア」を公開した。
パークハイアット ニセコ ハナゾノの敷地内に設けたポップアップストアは、スキーやスノーボード、ゴーグル、ヘルメットなどのギアを筆頭に、アウトドアブルゾンやビーニー、ブーツ、ストールなどのリゾートウエアを販売する空間と、他店のようにバッグやシューズ、プレタポルテ、家具などを販売するスペースに分かれている。前者は、パークハイアット ニセコ ハナゾノの眼前に広がるゲレンデで楽しむウィンター・アクティビティに、後者は、滞在するホテルでの食事などにふさわしいアイテムを揃えている。ポップアップは2024年2月25日まで。
フランスとスイス、イタリアをまたぐシャモニーなどのリゾート地には、すでに多くのブランドが期間限定店を構え、ウィンター・アクティビティを楽しむ富裕層や観光客などにアプローチしている。一方、日本ではおそらく、ニセコに今回のポップアップを構えた「ルイ・ヴィトン」が初めてウィンターリゾートのメッカに出店。パークハイアット ニセコ ハナゾノを含むニセコエリアは、上質のパウダースノーと、近隣の余市で楽しめるワイナリーやウィスキーの醸造所見学などのアクティビティで、今年もすでに多くの外国人観光客がホテルの客室やレジデンス棟に滞在している。香港や東南アジアからの観光客も多く、地元でのウィンターリゾートにふさわしいグッズやウエアの調達が難しい外国人観光客には重宝がられそうだ。エドゥアール・フォール=ルイ・ヴィトンジャパン プレジデント&CEOは、「『ルイ・ヴィトン』は、旅のブランド。そして、誰も実現したことのないチャレンジと驚きが大好きなブランド。ウィンターリゾート地への出店は、国内で初めて。気分が楽しくなる仕掛けをたくさん用意している」と語った。
フォールCEOの言葉の通り、眼前のゲレンデに設置されたゴンドラは、40基のうち10基を「ルイ・ヴィトン」仕様に変更。さらにはモノグラムのロゴをあしらった遊牧民の住居、ユルトを設置して、真っ白なゲレンデを彩った。バッグやシューズ、プレタポルテ、家具などを販売するスペースは、このユルトの雰囲気を再現している。パークハイアット ニセコ ハナゾノの館内には、スキーをするブランドのマスコット、ヴィヴィエンヌやロゴの置物などを配置している。
ポップアップには、中条あやみと赤楚衛二、Awich、大平修造が訪れた。赤楚は、「ウィンタースポーツの経験は少ないが、『ルイ・ヴィトン』の洗練されているのに機能的なスキーウエアなら、挑戦したい」と話した。
「クワイエット・ラグジュアリー」の静寂を破り、2026年春夏のウィメンズ市場に“カワイイ”が帰ってきました。しかし、大人がいま手に取るべきは、かつての「甘さ」をそのまま繰り返すことではありません。求めているのは、甘さに知性と物語を宿した、進化した“カワイイ”です。「WWDJAPAN」12月15日号は、「“カワイイ”エボリューション!」と題し、来る2026年春夏シーズンのウィメンズリアルトレンドを徹底特集します。