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販売員に求められる資質

 ユナイテッドアローズとビームス、ベイクルーズという競合する3社が合同で勉強会を開催しています。オンライン開催とはいえ、全国から約300人が参加するというのは、いかにそういう場が求められているかを物語っていますね。一線で活躍する優秀な販売員が、大勢に向かって口を開く機会は意外と少ないのではないでしょうか。「店頭に立つ身なりから接客は始まっている」など、説得力の高いワードが並びます。

 11月7日発売の「WWDJAPAN」は、毎年恒例の販売員特集です。「この人から買いたい!」と思わせる16人の販売員がそれぞれの接客のエッセンスを語ってくれました。こちら、ウェブでも順次記事を公開していきますので、どうぞお楽しみに!

「WWDJAPAN」副編集長
小田島 千春
NEWS 01

セレクト大手3社が勉強会開催 今、販売員に求められる素質とは?

 ユナイテッドアローズ、ビームス、ベイクルーズは11月2日に、恒例の3社合同販売員勉強会を開催した。2019年に始動したこの取り組みは、普段は交流する機会が少ない各社の販売スペシャリストのノウハウを共有し、業界全体で販売員の価値向上を目指すというもの。オフライン開催だった前回に対し、今回はより多くの販売員に参加してもらうためオンラインで開催し、各社から全国の販売員約300人が参加した。

 テーマは、「ファッションの楽しさをあらためて知る」。3社共通の課題として、入社3年目の離職率や販売員を志望する人材の減少などが挙がった。運営事務局の江藤佳子ベイクルーズ・ストアセクション・マネジャーは、「『なぜファッションの道を選んだのか?』といった根本的な問いを投げかけ、自分たちがまずファッションを楽しめているかを見つめ直し、この仕事の意義をあらためて考える機会をつくりたかった」と話す。

 各社からファッションを楽しんでいる代表として「デミルクス ビームス」(ビームス)の目黒越子さん、「ディストリクト ユナイテッドアローズ」(ユナイテッドアローズ)の森山真司さん、「ミューズ ドゥ ドゥーズィエム クラス」丸の内店(ベイクルーズグループ)の大山泉さんが登壇し、スタイルへのこだわりやファッションを楽しむ秘訣などを対談形式で語った。エース販売員の大山さんは、「店頭に立つ身なりから接客は始まっている。お客さまに『この人に聞いたら間違いない』と思ってもらうことが大事で常に“説得力のある着こなし”を意識している」とコメント。販売員歴30年でセールスマスターの称号を持つ森山さんは、「身につけられるなら処分しない」をモットーに、経年劣化も楽しみながら商品を長く楽しむ心意気を伝えた。10年半の販売員歴を経て、現在プレスを担当する目黒さんは、「自分たちがファッションを楽しんでいないと、目の前のお客さまを楽しませることはできない。自分の言葉で楽しさを伝え続けてほしい」とエールを送った。

 江藤マネジャーによると、ECでの買い物が浸透するにつれ、販売員にはこれまで以上に提案力の高さが求められているという。「お客さまはネットで買い物する時には出合えないような、プロ目線の提案を販売員に求めている。販売スタッフのセンスと観察力がより重要になっている。勉強会を通して、参加者それぞれに何かヒントを持ち帰ってもらいたい」と話した。今回は11月〜23年8月にかけて5回に分けてオンラインのトークセッションを開催予定。さまざまな角度から販売の仕事を楽しんでいる人の話を聞いてもらう。

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NEWS 02

ゴールドウインが恵比寿に関東最大店舗 キャンプ用品や子供服新業態など

 ゴールドウインは7日、東京の恵比寿ガーデンプレイスに8日開店する関東最大規模の店舗を関係者に公開した。キャンプに特化した「ザ・ノース・フェイス キャンプ」、子供服のセレクトショップ「プレイアース キッズ」、スポーツライフスタイルウエアの「ニュートラルワークス」の3業態の複合店舗で売り場面積は約990平方メートル。広いスペースを生かした新しいサービスや他社との協業によって、ファミリーからビジネスパーソンまで幅広い層を呼び込む。

 複合店舗の約半分を占める「ザ・ノース・フェイス キャンプ」は、都心店では品ぞろえに限りがあったテントを始めとしたキャンプ用品に特化する。専門的な知識を持つ販売員が初心者から上級者までの要望に応じ、テント選びをサポート。屋外で実際に設営を試すことができる。また、購入を迷う人に向けてキャンプギアのレンタルサービスも実施する。

 1号店である「プレイアース キッズ」は、「ザ・ノース・フェイス」「ヘリーハンセン」など同社展開のブランドの子供服を横断的に取り扱う。また消費者から買い取った同社製の子供服をアップサイクルして販売する「グリーンバトン」の商品を販売する初の店舗となる。同じ恵比寿ガーデンプレイスに入るホームセンター「DCM」との協業による大型遊具の設置や、子供向けのワークショップの開催なども企画する。

 「ニュートラルワークス」はアクティブウエアやコンディショニングウエアを充実させるだけでなく、パーソナルトレーニングのための個室を併設した。全身をスキャンして体の精緻な3Dデータを計測した上で、専門スタッフの指導のもと一人一人にあったトレーニングメニューを行う。

 サッポロ不動産開発が運営する恵比寿ガーデンプレイスは、21年2月末で閉店した恵比寿三越の跡地をリニューアルして、8日にグランドオープンする。ゴールドウインの複合業態はその目玉テナントの一つで、センタープラザ1階の正面入り口前の一等地に入る。ゴールドウインは同じ渋谷区内の原宿、渋谷などに多くの店舗を構えているが、森光・常務取締役事業本部長はそれらとは一線を画した拠点と位置付け、「新しい暮らしを支え、公共性をも提案する店舗にしたい」と話す。

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最新号の読みどころ

「クワイエット・ラグジュアリー」の静寂を破り、2026年春夏のウィメンズ市場に“カワイイ”が帰ってきました。しかし、大人がいま手に取るべきは、かつての「甘さ」をそのまま繰り返すことではありません。求めているのは、甘さに知性と物語を宿した、進化した“カワイイ”です。「WWDJAPAN」12月15日号は、「“カワイイ”エボリューション!」と題し、来る2026年春夏シーズンのウィメンズリアルトレンドを徹底特集します。