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名PRの早すぎる死を悼む
記事に書いた2002年の絵画館でのパーティーに取材で入っていたのですが、そもそも絵画館でパーティーというのが驚きだった上に、大量の砂を持ち込んで砂漠を演出し、さらにラクダやタカがいる空間の衝撃は、今でもよく覚えています。よく絵画館が許可しましたよね。本当にすごいと思いました。
その後も大小さまざまなイベントを取材させていただきましたが、常に明るく陽気で、媒体の価値と役割を理解し、それを最大限に引き出そうとする方でした。早すぎる死が本当に残念です。心からご冥福を祈ります。
海外ラグジュアリーブランドPRの第一人者、齋藤牧里氏死去 63歳
齋藤牧里afumi inc.代表取締役が8月26日に肝臓癌のため逝去した。63歳だった。「グッチ(GUCCI)」と「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」で25年間にわたってPRを務め、日本における両ブランドの躍進を支えた立役者の1人。圧倒的に本国が主導権を握る海外ラグジュアリーブランドPRにおいて、ローカルの独自性確立や権限獲得に寄与した。
齋藤氏は1959年生まれ、東京都出身。国際キリスト教大学卒業。アルファキュービック、ジャーディンマセソンを経て、91年からグッチ ジャパンでPRを務め、98年にルイ・ヴィトン ジャパンにPRディレクターとして入社。マーク・ジェイコブスを起用してプレタポルテを開始した「ルイ・ヴィトン」を、さまざまなイベントや取り組みで日本に浸透させた。2011年にルイ・ヴィトン表参道店の7階にオープンしたアート・スペース「エスパス・ルイ・ヴィトン」、14年10月にパリにオープンした「フォンダシオン・ルイ・ヴィトン」もオープン以来PRを担当した。
16年にafumi inc.を設立。LVMH本体をはじめ、傘下の「ルイ・ヴィトン」や「ベルルッティ(BERLUTI)」「ロロ・ピアーナ(LORO PIANA)」、藤原ヒロシ率いる「フラグメント デザイン(FRAGMENT DESIGN)」、「ユイマ ナカザト」などのファッション関連だけでなく、アートやギャラリー関連のクライアントも抱え、幅広く活躍した。
02年のルイ・ヴィトン表参道店のオープニングパーティーは齋藤氏率いる日本サイドによる提案が通り、“スパイスロード”テーマにエキゾチックな日本までの旅のストーリーを絵画館を会場に表現。館内に砂漠が再現され、ラクダが歩くという空間に、来場者はド肝を抜かれ、来日した本国の幹部も満足そうだった。
なお、葬儀は家族で執り行い、後日偲ぶ会を予定しているという。
「エルメス」国内初のビューティ常設店が伊勢丹新宿1階化粧品売り場にオープン
「エルメス(HERMES)」は9月14日、国内初となるフレグランスとビューティを専門的に扱う常設店「エルメス・イン・カラー(Hermes in Colors)」を伊勢丹新宿本店本館1階の化粧品売り場にオープンする。場所は、8月21日に閉店した「ドルチェ&ガッバーナ ビューティ(DOLCE & GABBANA BEAUTY)」の跡地。なお、同2階で3月から開催していた「エルメス」のビューティ製品とフレグランスを展開するポップアップストアは8月30日をもって終了する。明治通り側に位置する同1階の「エルメス」ブティックでは引き続きビューティ製品を取り扱う。
「エルメス」は2020年3月にメイクアップラインを始動。リップスティック「ルージュ・エルメス(ROUGE HERMES)」コレクションを皮切りに、チークやネイル、ベースメイクなど製品カテゴリーを順次拡充している。ビューティ部門のクリエイティブ・ディレクターは現在、ギリシャ出身のメイクアップアーティスト、グレゴリス・ピルピリス(Gregoris Pyrpylis)が務め、ビューティ部門を率いるアニエス・ドゥ・ヴィリエ(Agnes de Villers)=エルメス・パルファン ゼネラル・マネージャーおよびピエール=アレクシィ・デュマ(Pierre-Alexis Dumas)=エルメスのアーティスティック・ディレクターの下でクリエイションを作る。
「WWDJAPAN」12月22日&29日合併号は、創業90周年を迎えた吉田カバン総力特集です。「ポーター(PORTER)」「ラゲッジレーベル(LUGGAGE LABEL)」「POTR」の3ブランドを擁し、日本を代表するカバンメーカー・吉田のモノ作りに迫ります。日本が誇る伝統技術を持つカバン職人たちと深い関係を築きながら、最先端の技術・素材を使い名だたるデザイナーズブランドとコラボレーションする相反した性質はどんな文脈から生まれているのでしょうか。