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活気ある欧州から訪日観光客を思う

 台北市在住の会社員・鄭宜君(仮名)さんのように、「早く日本に行きたくてうずうずしている」人は、大勢いらっしゃるでしょうね。でも、この記事を読んで改めて、日本の魅力は商品やサービスだけじゃない、それらも一要素のコンテンツ力なのだと感じました。この記事を読んでいても、「嵐→ニノ→アダストリア!」と一人で膝を打ってしまった私です。

 この文章は、ローマのホテルで書いています。パリからの飛行機は、ディズニーランド帰りの家族連れで満員でした。訪日観光客の受け入れが再開されたら、日本便もこうなるのかな?なんて想像します。

「WWDJAPAN」編集長
村上 要
NEWS 01

訪日観光客受け入れ再開の兆し 台湾人の30代女性「早く日本で買い物したい」

 政府は6月以降の訪日外国人観光客の受け入れについて、段階的な再開を検討している。新型コロナ禍でインバウンド消費が消滅して約2年。ファッション・ビューティ業界のみならず日本経済にとっても大きな打撃となったが、ようやく明るい兆しが見えてきた。

 「久しぶりに日本に行きたいです。ちょっとうずうずしています」。そう画面越しに笑うのは、台湾・台北市在住の会社員・鄭宜君さん(仮名、36)。記者が友人を介して知り合った鄭さんは、20代のころの日本留学を経験きっかけに、日本の俳優やアイドルが好きになり、たびたび日本を訪れて観光や買い物を楽しむようになった。日本旅行はコロナ禍以前、2019年の冬が最後という彼女に、「久しぶりに日本に来たら何をしたい?」と尋ねた。

WWD:日本に来たらまず、何をしたいですか?

鄭宜君さん(以下、鄭):日本に住んでいる台湾人の友達に会いたいです。みんなとディズニーランドに行きたいですね。それからUSJも。大丸東京店や京王新宿本店のデパ地下のグルメも恋しい(笑)。

WWD:日本語がとても上手なんですね。

鄭:ありがとうございます。元々漫画に興味があって、日本語を独学で勉強していました。大学では日本語学を専攻して留学し、卒業してからも日本の専門学校で2年間学びました。そのまま日系企業のホテルへ就職が決まっていたのですが、ちょうどそのとき東日本大震災が起こってしまい。家族も心配していたので帰国を決めました。

WWD:台湾ではどんな仕事についたのですが?

鄭:企業名は伏せていただきたいのですが、日系企業の台湾支社で事務職として働いています。

WWD:超一流企業ですね!

鄭:同世代の友人と比較すると、(給料を)もらっている方だと思います(笑)。ジャニーズ、特に嵐が好きなので、ライブやイベントがある度に日本に来て、オタ活にお金をたくさん使っていました。洋服や化粧品も、日本に来るたびに買っていましたね。

WWD:好きな日本のファッションや化粧品のブランドは?

鄭:「グローバルワーク(GLOBAL WORK)」と「ローリーズファーム(LOWRYS FARM)」はかわいくて、大好きです。日本で買うと安いので、たくさん買い込んでいました。台湾で買うと、日本の2倍くらいの価格だと思います。日本旅行ができなくなってからも、転送サービス(日本のECで購入した商品を倉庫に集荷・海外発送するサービス)を使って買っています。送料や関税がかかりますが、それでも台湾で買うよりは安いです。

 化粧品なら、「ファンケル(FANCL)」がお気に入りです。“マイルドクレンジングオイル”は安くてメイクがスルッと落ちるので、台湾の女性に大人気です。かぜ薬や「メンソレータム」のリップクリームと一緒に、日本旅行のお土産として配るのが定番ですね(笑)。台湾のドラッグストアには日本の化粧品がたくさん並んでいて、ちょっと高いけれど品質がいいイメージがあります。

WWD:また日本旅行ができるのが楽しみですね。

鄭:早く行きたい気持ちはやまやまなんですが。台湾では毎日新規感染者が6万人くらい(5月12日現在)出ていて、感染対策の締め付けがまた強くなってきました。日本に行けたとしても、帰ってきたら隔離期間が10日間ぐらい必要になるので、会社がそれを許してくれないです。日本の感染状況がよくなっても、他の国がそうとも限らないので、タイミングがかみ合わないと旅行は難しいですね。私もまだしばらく、日本旅行はお預けになりそうです。

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NEWS 02

三越伊勢丹HD22年3月期は59億円の営業黒字 百貨店事業は回復途上

 三越伊勢丹ホールディングス(HD)の2022年3月期連結業績は、小売業の売上高に相当する総額売上高が前期比11.8%増の9121億円、営業損益が59億円の黒字(前期は210億円の赤字)、純損益が123億円の黒字(同411億円の赤字)だった。主力の百貨店事業は63億円の営業赤字だったが、クレジット・金融事業が60億円、不動産事業が55億円の営業黒字を計上し、利益を押し上げた。

 百貨店事業の売上高は前期比14.6%増の3739億円。営業損益も前期と比較すれば239億円の改善。人件費や地代家賃、宣伝費などの収支構造改革により、販管費は前期との比較で262億円分削減した。細谷敏幸社長は「コロナを経てこれまでの既成概念にとらわれない改革を行い、より強靭な企業に生まれ変わりつつある」と手応えを口にする。

 細谷社長が就任以降注力する、個人外商やカード・デジタル会員を総称した「識別顧客」の拡大も進展した。22年3月期の個人外商の売上高は前期比10.3%増、年間購入額100万円以上のカード会員の売上高は同33%増と伸ばした。

 23年3月期連結業績は、総額売上高が前期比15.1%増の1兆500億円、営業利益が同2.3倍の140億円、純利益が同37.8%増の170億円を予想する。百貨店事業の営業損益は40億円の黒字を見込む。子会社三越伊勢丹の国内既存店売上高は14%の増収を予想し、コロナ前の19年3月期と同水準を射程に入れる。「足元の4、5月は国内のお客さまに支えられ、インバウンド売り上げがほぼない状況でも18年の水準を上回って推移している。このペースを続ければ達成不可能な目標ではないはずだ」。

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最新号の読みどころ

「WWDJAPAN」12月22日&29日合併号は、創業90周年を迎えた吉田カバン総力特集です。「ポーター(PORTER)」「ラゲッジレーベル(LUGGAGE LABEL)」「POTR」の3ブランドを擁し、日本を代表するカバンメーカー・吉田のモノ作りに迫ります。日本が誇る伝統技術を持つカバン職人たちと深い関係を築きながら、最先端の技術・素材を使い名だたるデザイナーズブランドとコラボレーションする相反した性質はどんな文脈から生まれているのでしょうか。