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産地とマクアケというコンビ

 以前、ライターの橋長さんが「WWDJAPAN.com」にアップしてくれた記事を読んで、マクアケを通じて、三陽商会 サンヨーソーイング青森ファクトリーの“空色コート”を注文しました。納品は年明けだそうですが、サンヨーソーイング青森ファクトリーからはマクアケを通じてバンバンお知らせメールが届いています。

 「おかげさまで完売しました」はもちろん、最近のメルマガは「いよいよ生地をカットします」みたいな内容だったと思います。まさに「買ってからが始まり」なコミュニケーション。「こうやって、ますます応援したくなるのだな」と“応援購買”をサポートするマクアケの意図も体感しました。コミュニケーションが苦手な産地と、その促進に一役買うマクアケ、ピッタリのコンビなのでしょうね。

「WWDJAPAN」編集長
村上 要
NEWS 01

老舗ニットアパレルが作る「タフなカシミヤセーター」が人気

 ニットアパレルのジム(東京、八木原保社長)が、クラウドファンディング「マクアケ」で実施しているカシミヤセーターの販売が好調だ。主力商品で1着3万9897円と高価にもかかわらず、9月21日の開始から10月7日時点で96着・369万円を売り上げた。商品単体のユニークさだけでなく、老舗企業ならではのモノ作りのストーリーが支持された。マクアケで21日まで販売する。

 「10年着てほしい・贅沢すぎる肉厚カシミヤガンジーセーター」を銘打った商品は、通常のカシミヤセーターよりもたっぷり素材を使っているのが特徴。同社の一般的なカシミヤセーターに比べて約2倍の550〜680gのカシミヤ原料を用いた。やわらかさが特徴のカシミヤをあえて目を詰めて編むことで肉厚感を出し、弾力のあるタフなガンジーセーターに仕上げた。ガンジーセーターとは英国の漁師が着ていたセーターで、厳しい自然環境に耐えられるタフな防寒着として知られている。

 ジムは1966年設立の老舗ニットアパレルで、主に百貨店や専門店への卸売りを行なっている。特にメンズセーターへの評価は高く、欧州のセレクトショップでの販売や、「コム・デ・ギャルソン(COMME des GARCONS )」とのコラボレーションでも知られている。

 今回のセーターを企画したのはジムの創業者・八木原保社長(81)の孫の雄介氏(28)。きっかけは、八木原社長が50年以上前から集めてきた世界中のニット製品のアーカイブを会社の倉庫で発見したことだった。1着1着との思い出を語る祖父に触発されて、長く愛されるセーターを作りたいと考えるに至った。アーカイブを手本にしつつ、現代のライフスタイルに合うセーターを作ろうと国内工場と試行錯誤を重ねた。

 マクアケのサイトでは商品の特徴だけでなく、原料のモンゴルカシミヤ、編み地を洗う縮絨や縫製工場などモノ作りの背景まで画像を交えて詳しく紹介している。自宅でできるカシミヤ製品の手入れ方法の動画も載せた。購入から1年目の春には、同社がメンテナンスサービスを実施する。

 現時点では20代前半から30代前半の若い世代が購入者の約半分を占める。当初から若い新規顧客の獲得を狙った雄介氏の読みが当たった。商品の魅力だけでなく「若いお客さまは当社のストーリーや世界観に共鳴してくれた。また、良いものを長く愛用したいというマインドも高まっている」と分析する。

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NEWS 02

田村駒が漁網リサイクル生地に不備発覚、返金対応

 繊維商社の田村駒は7日、漁網のリサイクルナイロン生地「GNB」で、社内で調査した結果、国内で回収した漁網が使用されていなかったことが判明したと発表した。また、すでに同社を通じて取引先などに供給した「GNB」についても、紡績工場から漁網の原料使用への報告を受けられていないこともわかったという。同社は「GNB」の取扱を一旦中断し、すでにバッグ類などで販売している商品については、返金や返品などの対応を行う。

 「GNB」は、海洋汚染の原因の一つと言われる廃棄漁網を回収し、リサイクするとともに、売り上げの1%を海洋保全活動の寄付に投じていた。同社によると、「中国の協力工場に提供した国内の回収漁網は、技術的な問題から現在まで製造された『GNB』の生地の原料として使用されていなかった」という。また、現在まで製造された「GNB」生地についても、「中国の仕入先と生地を製織するテキスタイルメーカーからは使用しているという報告を受けていたが、前工程を担う中国の紡績工場から漁網の原料使用について現在まで報告を受けられていない」という。

 「GNB」を使った製品はアダストリアの「ニコアンド(NIKO AND...)」やクラウドファンディングサイト「マクアケ」で田村駒自身がエコバッグとして販売していた。すでにアダストリアは自社のサイトで返金対応の告知を行っている。

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最新号の読みどころ

「WWDJAPAN」12月22日&29日合併号は、創業90周年を迎えた吉田カバン総力特集です。「ポーター(PORTER)」「ラゲッジレーベル(LUGGAGE LABEL)」「POTR」の3ブランドを擁し、日本を代表するカバンメーカー・吉田のモノ作りに迫ります。日本が誇る伝統技術を持つカバン職人たちと深い関係を築きながら、最先端の技術・素材を使い名だたるデザイナーズブランドとコラボレーションする相反した性質はどんな文脈から生まれているのでしょうか。