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百貨店の“売らない”店に期待
渋谷西武に続いて、東京大丸もショールーミングストアに挑戦です。百貨店への出店は人も在庫も必要で、特に中小規模のブランドにとってはハードルが高かったのですが、この形式だとだいぶ出店しやすい。百貨店を訪れる人にとっても新しくて面白いブランドに出合える機会が増え、喜ばしいことだと思います。
百貨店のショールーミングスペースたるからには、その場所での接客がキモですよね。「アンバサダー」の活躍に期待です。購入の際にまっすぐそのブランドのECサイトに飛ばすのは、なんだかもったいないなと感じました。購入行為自体や買ったあとも何か面白いことができたら、いいコミュニティーが生み出せそう……。いろんな可能性を秘めていそうです。
大丸東京店に“売らない”店 新進D2Cの見本商品を陳列
大丸松坂屋百貨店は、D2Cブランドのショールーミングストア「明日見世(ASUMISE)」を10月6日、大丸東京店4階にオープンする。
4階は婦人服フロアで、ストアの場所はエスカレーター横のイベントスペース。面積は約100平方メートル。ファッションやビューティ、ライフスタイル雑貨やフードなど、商品カテゴリーの枠を超えて新進のブランドを取りそろえる。大丸松坂屋百貨店の社員が常駐し、「アンバサダー」としてそれぞれのブランドや商品の魅力を説明する。客は欲しい商品があれば、見本商品に付帯するQRコードを読み取り、ブランドのECページで購入する。その場で購入して持ち帰ることはできない。大丸松坂屋側は在庫を持たず、ブランド側から一定の出展料を徴収する仕組み。
ショールーミングストアは数カ月のスパンでテーマを変え、ブランドも入れ替える。第1回(10月6日〜2022年1月11日)は“社会を良くするめぐりとであう”をテーマに、生分解性素材やオーガニック原料を使用したブランドに焦点を当てる。ファッションでは日本環境設計の「ブリング(BRING)」などが出展。ビューティでは出雲近郊のナチュラルな原料を使用した「アンディズモ(ANDIZUMO)」や国産自然農栽培コスメの「クオン(QUON)」、ライフスタイル雑貨ではオーガニックコットンを使用した大阪・泉州のタオルブランド「ティティ(TITI)」など。計19ブランドが見本商品を並べる。
今後は大丸東京店での成果検証などを踏まえ、「他店での展開も検討する」(大丸松坂屋百貨店広報)としている。
なお今月2日には、そごう・西武がD2Cブランドの売り場「チューズベース シブヤ(CHOOSEBASE SHIBUYA)」を西武渋谷店にオープン。大手百貨店各社は、従来の消化仕入れ型のビジネスモデルに替わる新たな売り場の形態を模索し始めている。
BTSが国連総会に選んだスーツは韓国のサステナブランド 若い世代に送るエール
ユニセフのグローバル・サポーターを務めるアイドルグループのBTSが9月24日、ニューヨークで開催された国連総会でスピーチを行った。2030年までに若者への安定した教育水準や技能研修、雇用の確保を掲げるパートナーシップが発足した本イベントでBTSは、サステナブルなモノづくりを行う韓国ブランド「リコード(RE;CODE)」のカスタムスーツを着用した。胸元には国連の持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals、SDGs)を表すレインボーのスワロフスキーピンをつけた。
「リコード」は、韓国のアップサイクルブランド。在庫衣類やエコ生地を使用して、アイテムを再構築するコレクションを手掛ける。2020年秋冬コレクションでは、「ナイキ(NIKE)」とコラボレートして話題を集めた。国連総会での着用に際して、「このスーツは、持続可能なファッションの支援・後押しを目指してデザインした。国連でスピーチをするBTSのために、特別に制作した」と語った。
BTSは7分にわたるスピーチの中で、「新型コロナウイルスの蔓延によって、さまざまな機会から遠ざけられた10代・20代の若者たちは、“ロスト(失われた)”世代と見られているかもしれない。しかし、われわれは変化を恐れず前に進む世代、“ウェルカム”世代だ」と若者にメッセージを贈った。ほかにも、国連本部で撮影した「Permission to Dance」のパフォーマンス動画をユーチューブで公開した。
リーダーのRMは、メトロポリタン美術館で韓国の職人技を称えるイベントに参加し、スピーチをした。ほかにもヒットソング「Butter」のリミックスを手掛けるラッパーのミーガン・ジー・スタリオン(Megan Thee Stallion)とも合流するなど、ニューヨークで思い思いの時間を過ごした。
「WWDJAPAN」12月22日&29日合併号は、創業90周年を迎えた吉田カバン総力特集です。「ポーター(PORTER)」「ラゲッジレーベル(LUGGAGE LABEL)」「POTR」の3ブランドを擁し、日本を代表するカバンメーカー・吉田のモノ作りに迫ります。日本が誇る伝統技術を持つカバン職人たちと深い関係を築きながら、最先端の技術・素材を使い名だたるデザイナーズブランドとコラボレーションする相反した性質はどんな文脈から生まれているのでしょうか。