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おらが故郷の大改革
おらが故郷、静岡の新静岡セノバとアダストリア、ブラボーです!ちなみに私の実家は、セノバからバスで15分くらい清水に向かって走ったところにあります(笑)。
というワケで新静岡セノバには何度か、いや何度も?足を運んでいますが、さすがに平日の朝や夜は、そんなに人はいないのです。断じて、寂れたSCではありません。年始は元日からセールに突入するので、2019年は凄まじい人でした。でも、人口70万人の地方都市ですから、平日の朝や夜に買い物する人の数は限られています。夜は、多くの家庭は早々に晩ご飯です。ちなみに我が家は、私が生まれてから現在に至るまで18時〜です。
という実情に応じて改革を進め、おかげでコアタイムや週末をモチベーションの高い状態で迎えられたら、館にとっても、ブランドにとっても、お客さまにとっても良いですよね?
アダストリアと新静岡セノバが営業時間フレックス制を開始 採用難が続く販売員の“働き方改革”に
追記(3月18日):新静岡セノバで5月1日から働き方改革を導入する店舗を、当初の報道では「15店のうちファッション小売りは7~8店」としていましたが、「15店のうちファッション小売りは10店」に訂正します。併せて、アダストリア以外の導入店舗名も記事内に書き加えました。
「グローバルワーク(GLOBAL WORK)」「ニコアンド(NIKO AND…)」などを運営するアダストリアと、静岡の商業施設、新静岡セノバ(静鉄プロパティマネジメント)は、販売員の働き方改革である「ささえあう 働く時間プロジェクト」を共同でスタートする。その皮切りとして5月1日から、(1)営業時間のフレックスタイム制度、(2)年5日のパワーチャージ休暇制度、(3)館内一部での営業時間短縮の試験運用を開始。これによってES(従業員満足度)を高め、コロナ禍以前からファッション業界の深刻な課題とされてきた販売員の人材採用難克服を目指す。
17日、都内で両社のトップが会見を開いた。「昨年、コロナ禍を受けてエリアマネジャー約200人から意見を吸い上げた際に、『(長時間労働で連休も取りづらい)販売員の働き方は、コロナ禍を別としてもサステナブルではない。いつまで働き続けられるか不安』という声が非常に多かった」と、福田三千男アダストリア会長兼社長。人口減によって今後さらに販売員の採用難が進むと予想される中で、「販売員のQOL(生活の質)を高め、長く働いてもらえる環境にしたい」。そうした考えからさまざまな商業施設と話をする中で、新静岡セノバと話がまとまったという。
5月1日から試験運用する3つの取り組みのうち、(1)は現状の新静岡セノバの営業時間が10~20時(一部を除く)であるのに対し、11~19時を必ず営業するコアタイムとして、10~11時、19~20時に営業するか否かは各テナントの判断に委ねるというもの。(2)は、年3日の全館休業日に加えて、2日間の休業を各テナントに付与し、テナントごとに休業日を決めるというもの。(1)(2)ともに、各テナントがそれぞれ決めることで、業種やブランドによって異なる客の流れやニーズに対応する。(3)では、フードコートの開業時間を現状の10時から11時に遅らし、地下1階の食物販フロアの閉店時間を現状の21時から20時に早める。また、22時閉店の5階レストラン街は、20時以降の営業は任意とし、14~17時の営業も任意とする。
新静岡セノバには、ファッション小売り、飲食店、書店、病院、シネコンなど約130のテナントが入っているが、そのうちの15店が5月1日からこの制度を導入する。15店のうちファッション小売りは10店で、アダストリアの「グローバルワーク」「ニコアンド」「ベイフロー(BAYFLOW)」「レプシィム(LEPSIM)」以外は、「ビューティ&ユース ユナイテッドアローズ(BEAUTY & YOUTH UNITED ARROWS)」「ノーリーズ(NOLLEY'S)」「セレクト アイ バイ セレクト アイ カンパニー(SELECT EYE BY SELECT EYE COMPANY)」「トゥモローランド(TOMORROWLAND)」など(一部、販売代行企業の運営店舗あり。「トゥモローランド」は5月1日ではなく10日から導入)。10~11時や19~20時にクローズすることを決めたテナント店頭には、防犯ネットや残置灯で客が入り込まないようにする。
新静岡セノバは、日本ショッピングセンター協会(以下、SC協)による2019年度の「日本SC大賞」で、ES賞を受賞している。「商業施設の閉塞感はコロナ禍以前から広がっていた。売上高優先主義の中で無理が生じており、テナントとデベロッパーの関係性を見直すべき時期に来ていた。消費者の時間の使い方が多様化している中で、商業施設だけ時間設定が一律になっていることで、非効率を生んでいた。テナントとデベロッパーの間で、売上高と賃料という従来の契約条件に変わる新しい関係性を築いていきたい」と、川井敏行・静鉄プロパティマネジメント社長。
会見には、SC協の飯嶋薫理事も同席した。「SC協としては18年1月に(販売員のワークライフバランス向上や待遇改善を目指す)『ES宣言』をしていた。ただ、全国には3200もSCがあり、16万~17万のテナントがあると、それぞれに思いや社会から求められる役割があり、なかなか(ES向上が)進まないということがあった。それが、今回のような取り組みをきっかけに進むかなと思っている。今後、SC協のテナント会員を集め、デベロッパーと一緒に今後のSC運営のあり方を考えていきたい」と話した。
■「WWDジャパン」3月22日号では、3月8~14日に弊社メールマガジンやウェブ上で実施した「販売員の労働時間に関するアンケート」に集まった936通の回答結果を掲載。併せて、今回の働き方改革に対するアダストリア、新静岡セノバ2社の思いやその背景を詳報する。
三陽商会、希望退職150人募集に180人応募
三陽商会は、1月21日に公表した希望退職者募集の150人程度の枠に対して180人が応募したと17日に発表した。同社の希望退職者募集は2013年以降で4回目。特別退職金と再就職支援に関する経費として、2021年2月期決算に特別損失約13億円を計上する。
同社は15年6月末に売上高の半分を占めていた「バーバリー(BURBERRY)」ブランドのライセンス契約が終了。大きな穴を埋めるべく「マッキントッシュ ロンドン(MACKINTOSH LONDON)」をはじめとする後継ブランドの育成に取り組んできたが、苦戦を強いられてきた。
慢性的な赤字体質からの脱却のため、20年4月に公表した「再生プラン」の下、大規模な店舗閉鎖(21年2月期に160店舗)などの事業構造改革を進めてきた。だがコロナによる2度目の緊急事態宣言の発出によりさらなる経営環境の悪化が見込まれる中、4回目の希望退職募集を余儀なくされていた。
「WWDJAPAN」12月22日&29日合併号は、創業90周年を迎えた吉田カバン総力特集です。「ポーター(PORTER)」「ラゲッジレーベル(LUGGAGE LABEL)」「POTR」の3ブランドを擁し、日本を代表するカバンメーカー・吉田のモノ作りに迫ります。日本が誇る伝統技術を持つカバン職人たちと深い関係を築きながら、最先端の技術・素材を使い名だたるデザイナーズブランドとコラボレーションする相反した性質はどんな文脈から生まれているのでしょうか。