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キャンプブームで急成長、そして矢継ぎ早にプランB

アフターコロナでブレイクした後に落ち着いてしまったキャンプ用品を生業としていたブランドが、新たな動きを見せています。「スノーピーク」は、株式の非公開化を検討。その後はきっと、ドラスティックな変革が始まるのでしょう。一方のワークマンは、子ども服と下着・肌着市場に参入です。

両社は、「ザ・ノース・フェイス」で知られる王者ゴールドウインと比べると成長が鈍化。ゆえの新基軸なのでしょう。プランBの早さに驚きつつ、その推移を見守りたいと思います。

「WWDJAPAN」編集長
村上 要
NEWS 01

スノーピーク、上場廃止報道について「検討は事実」とコメント

スノーピークは16日夜、一部メディアで同社が株式の非公開化を検討している旨の報道が出たことについて「非公開化を検討しているのは事実だが、現時点において決定した事実はない」とのコメントを出した。企業価値の向上のためのさまざまな選択肢の一つだとしている。

同社は2014年に東証マザーズ、15年に東証一部(現・東証プライム)に上場した。14日に発表した2023年12月期業績は、売上高が前期比16.4%減の257億円、純利益が99.9%減の100万円だった。コロナ禍で高まったキャンプ需要が落ち着き、テントなどの用品の販売が失速した。一時は1500億円を超えていた時価総額は16日時点で319億円まで減っている。

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NEWS 02

ワークマン、子供服200億円・肌着500億円の売上計画ぶち上げ

ワークマンは、今春から本格化する子供服と肌着で野心的な売上目標を立てる。子供服は新業態「ワークマンキッズ(WORKMAN KIDS)」を今春「#ワークマン女子」の6店舗の中に併設するのを皮切りに、将来は売上高200億円をねらう。肌着は旭化成と共同開発した吸放湿商品を投入するなど、機能性と価格競争力によって5年後に売上高500億円を目指す。子供服の本格化で手薄だったファミリー層を呼び込むとともに、肌着によって来店頻度を高める。

夏用肌着でユニクロの“エアリズム”に対抗

18日に東京・有楽町の東京国際フォーラムで開催された2024年春夏新製品発表会で、土屋哲雄専務が新商品や出店の事業戦略を説明した。

子供服の「ワークマンキッズ」は撥水性、接触冷感、パッカブル、UVカットなど同社らしい機能性が特徴。大人用のヒット商品をリサイズすることで、親子でペアルックができる。「#ワークマン女子」の中心層である40代の子育て世代に狙いを定める。土屋専務は「高い機能性と圧倒的な低価格。これが可能なのは当社だけ」と胸を張った。

肌着の目玉は、旭化成アドバンスと共同開発した“シン・呼吸するインナー”。旭化成のキュプラを用いて、夏に吸放湿性をアピールする。キャミソールやタンクトップで780円。土屋専務は「最大手の夏用の肌着が1290円なので、2マークほどの価格差がある。国内の肌着市場で5%のシェア(500億円)を取るポテンシャルがある」と話す。“シン・呼吸するインナー”は、全店(1007店舗)で取り扱い、初年度で女性用30万枚、男性用15万枚の販売を見込む。

春以降、既存店の肌着の専用コーナーを広げる。毎日着用する下着は消耗品であり、定期的な買い替え需要が派生する。下着の拡充によって来店頻度を高める。

「#ワークマン女子」の路面店で出店攻勢

土屋専務は今後の出店計画につても述べた。

22日には同社最大となる売り場面積726平方メートルの旗艦店「#ワークマン女子」イオンモール沖縄ライカム店(沖縄県中頭郡北中城村)を開く。将来の海外出店を見通した“東アジア旗艦店”の位置付けで、多くの訪日客の来店を見込む。「沖縄の気候は台湾とほぼ同じ。この店を通じてワークマンの海外のお客さまを増やしたい」という。「ワークマンキッズ」も同店を皮切りに全国へ広げる。

「#ワークマン女子」は路面立地で出店攻勢をかける。20年10月の出店開始から現時点では56店舗を数えるが、今年9月から25年3月の7カ月間で路面店を25店開く。10年後には「#ワークマン女子」の路面店を400店舗に広げる構想を持つ。「#ワークマン女子」は作業服や作業道具を扱わないカジュアルウエアの業態で、売り上げ構成はメンズ35%、ウィメンズ65%。

出店攻勢に向けて、岡山市に床面積7.2万平方メートルの物流センターを建設し、27年10月から稼働させる。店舗網が手薄だった西日本の物流拠点にする。東日本の物流拠点である伊勢崎流通センター(群馬県伊勢崎市)が28年にはキャパオーバーに達するため、群馬県内にも床面積8.2万平方メートルの新拠点を設ける。岡山と群馬の物流センターの整備に290億円前後を投じる。

2024年新製品発表会は、東京国際フォーラムの5000平方メートルの会場に新商品800アイテムを一堂にそろえて行われた。メディア関係者約100人、インフルエンサー500人を招待した。平日は別の仕事を持つインフルエンサーが来場しやすいよう日曜日に開催した。会場内のいたるところで動画撮影を行うインフルエンサーたちの姿があった。特設ステージでは、新作の服をダンスや人工雨の派手なパフォーマンスの中で披露した。

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最新号の読みどころ

「WWDJAPAN」12月22日&29日合併号は、創業90周年を迎えた吉田カバン総力特集です。「ポーター(PORTER)」「ラゲッジレーベル(LUGGAGE LABEL)」「POTR」の3ブランドを擁し、日本を代表するカバンメーカー・吉田のモノ作りに迫ります。日本が誇る伝統技術を持つカバン職人たちと深い関係を築きながら、最先端の技術・素材を使い名だたるデザイナーズブランドとコラボレーションする相反した性質はどんな文脈から生まれているのでしょうか。