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「クロエ」の次は、「トッズ」や「モスキーノ」

そろそろ新デザイナーを発表するのは、「クロエ」だけではありません。「トッズ」や「モスキーノ」も、そろそろ新たな一歩を踏み出すことでしょう。

現地取材したミラノの2024年春夏シーズンは、新デザイナーによる新たな一歩が大きなニュースとなりました。サバト・デ・サルノにより大変身した「グッチ」、反対に創業デザイナーの意志を尊重して今の路線継続を図った「トム フォード」、再生に向けての一歩を踏み出した「バリー」、そしてライフスタイルブランドを目指して初のクリエイティブ・ディレクターを起用した「ファビアナフィリッピ」。4者4様のコレクションについては、現在販売している最新号でまとめていますので、ぜひご覧ください。

「WWDJAPAN」編集長
村上 要
NEWS 01

「クロエ」の新クリエイティブ・ディレクターは、フィービー&クレア時代の同メゾンに携わった女性デザイナー

PROFILE: シェミナ・カマリ「クロエ」新クリエイティブ・ディレクター

シェミナ・カマリ「クロエ」新クリエイティブ・ディレクター
PROFILE: PHOTO: DAVID SIMS ©︎ FAIRCHILD PUBLISHING, LLC

クロエ(CHLOE)」は10月9日、シェミナ・カマリ(Chemena Kamali)新クリエイティブ・ディレクターの就任を発表した。9月28日に発表した2024年春夏コレクションを以って退任したガブリエラ・ハースト(Gabriela Hearst)の後任となる。カマリ新クリエイティブ・ディレクターは、24年1月に初めて手掛けるプレ・コレクションをパリで発表し、24年2月のパリ・ファッション・ウイークに披露する2024-25年秋冬コレクションでランウエイデビューを果たす予定だ。

カマリ新クリエイティブ・ディレクターは、1981年ドイツ生まれ。ロンドン芸術大学セントラル・セント・マーチンズ校でルイーズ・ ウィルソン(Louise Wilson)教授のもとで学び、2007年にファッションの修士号を取得した。卒業後、フィービー・ファイロ(Phoebe Philo)時代の「クロエ」でデザイナーとしてのキャリアをスタート。その後一度はブランドを離れたが、クレア・ワイト・ケラー(Clare Waight Keller)が「クロエ」を率いていた13年、デザイン・ディレクターに就任した。その後、16年からはアンソニー・ヴァカレロ(Anthony Vaccarello)による「サンローラン(SAINT LAURENT)」でウィメンズのレディ・トゥ・ウエア・デザイン・ディレクターを務めていた。

今回、キャリアの原点である古巣に戻ることになった彼女は、「私の心はいつも『クロエ』にあった。20年以上前に『クロエ』の門をくぐって以来、このメゾンに戻るのは自然であり、パーソナルなこと。ギャビー・アギョン(Gaby Aghion)とカール・ラガーフェルド(Karl Lagerfeld)がメゾンの歴史の初期に定義したビジョンを基に、この役割を担うことをとても光栄に思いる。『クロエ』のエモーショナルなつながりとスピリットを現代に伝えていきたい」とコメントした。

一方、リカルド・ベッリーニ(Riccardo Bellini)最高経営責任者は、「シェミナの並外れたクリエイティブな才能、豊富な経験、そしてメゾンの伝統と価値観とのユニークな結び付きは、『クロエ』にとってナチュラルな選択だ。ブランドへの愛にインスパイアされた彼女のビジョンは、まさに『クロエ』のユニークなDNAを称えるものになるだろう。 シェミナはクロエのクリエイティブ・ディレクターであると同時に、クロエのスピリットを体現している。 彼女のビジョンが実現するのを楽しみにしている」と述べた。

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NEWS 02

オンワードHD、24年2月期業績予想を上方修正 営業利益110億円に

オンワードホールディングス(HD)は5日、2024年2月期の連結業績予想を上方修正し、営業利益が110億円になりそうだと発表した。当初予想を10億円上回る。中核会社のオンワード樫山による婦人服の「23区」「アンフィーロ」、クリエイティブヨーコのペット用品店「ペットパラダイス」などが計画以上に売れた。売上高は1892億円(当初予想は1888億円)、経常利益は100億円(同90億円)にそれぞれ上方修正する。

5日に発表した3〜8月期連結業績は、売上高が前年同期比10.0%増の904億円、営業利益が50億円、純利益が同約6倍の28億円だった。コロナ収束でアパレル販売が回復していることに加えて、19年から20年にかけて国内外で約1700店舗を減らす事業構造改革を断行し、OMO(オフラインとオンラインの融合)に舵を切ったことが奏功した。前年同期に比べて粗利益率が2.2%改善し、販管費率も3.2ポイント抑制したことが利益を押し上げた。

自社ECモール「オンワードクローゼット」で気に入った商品を最寄りの店舗に取り寄せることができる「クリック&トライ(C&T)」のサービスも売り上げに貢献した。C&Tの導入店舗は全体の51%を超え、予約件数は前年同期の2倍の5万8000件に伸びた。オンワード樫山では不採算・低収益店舗を集約するのと並行して、ブランド複合業態「オンワード・クローゼットセレクト(OCS)」を増やした。ここでもC&Tが活用され、利用客は取り寄せた服だけでなく、店頭でコーディネートした服も購入する効果を生んだ。保元道宣社長は「(C&TとOCSによって)お客さまの来店頻度が高まった。また一人の販売員がさまざまなブランドを販売することで生産性が上がった」と話す。

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NEWS 03

三陽商会、値引き抑制に手応え 通期業績予想を再び上方修正

三陽商会は6日、2024年2月期の連結業績予想を上方修正した。6月30日に続き2度目の上方修正となる。修正後は売上高が615億円(修正前は610億円)、営業利益が31億円(同27億円)、純利益が28億円(同25億円)。期末配当予想も59円から88円に修正した。コロナ収束によって春夏の衣料品が計画以上に売れた。プロパー(正価)販売の増加や値引きの抑制で利益も底上げされた。

同日発表した23年3〜8月期連結業績は、売上高が前年同期比10.6%増の281億円、営業損益が7億1800万円の黒字(前年同期は3億1700万円の赤字)、純損益が7億4400万円の黒字(同2億4600万円の赤字)だった。コロナの5類移行後、外出着やセレモニー用の服が百貨店などで活発に動くようになった。創業80周年を記念して各ブランドで企画した商品も好調だった。プロパー販売の比率は前年同期に比べて2ポイント改善の68%になった。その結果、平均売価は12%上昇し、円安やコスト高による原価アップを吸収した。

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最新号の読みどころ

「WWDJAPAN」12月22日&29日合併号は、創業90周年を迎えた吉田カバン総力特集です。「ポーター(PORTER)」「ラゲッジレーベル(LUGGAGE LABEL)」「POTR」の3ブランドを擁し、日本を代表するカバンメーカー・吉田のモノ作りに迫ります。日本が誇る伝統技術を持つカバン職人たちと深い関係を築きながら、最先端の技術・素材を使い名だたるデザイナーズブランドとコラボレーションする相反した性質はどんな文脈から生まれているのでしょうか。