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目指すは“ワンストップビューティ”

 あらゆる業種のショップの中で、ヘアサロンほど顧客の平均滞在時間が長いお店はないでしょう。メニューの柱となっているヘアカラーを施術すると、2~3時間は普通です。その時間に、顧客と美容師はいっぱい話ができるので、例えばただ陳列しているだけでは魅力が伝わらない製品の魅力も、丁寧に伝えることができます。

つまり“ビューティ関連製品の販売店”としての機能も非常に優れており、そこに目をつけたのがミルボンの“スマートサロン”プロジェクトです。ミルボンはヘア関連製品だけでなく、スキンケアアイテムも展開しているため、今後は幅広い提案が期待できます。特に高齢化社会の日本、年配の方には「買い物はできる限り1カ所で済ませたい」と考える方も多いようで、ヘアサロンは“ワンストップビューティ”の役割を期待されています。

「WWDJAPAN」 ヘッドリポーター
中村 慶二郎
NEWS 01

店販にECにテナント 美容室のビジネスモデルは変わるか

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 ビューティ・インサイトは、「WWDJAPAN」のニュースを起点に識者が業界の展望を語る。今週は、美容室のビジネスモデルの話。(この記事はWWDジャパン2023年2月27日号からの抜粋です)

【賢者が選んだ注目ニュース】
ミルボンが美容室との協働プロジェクトを開始 全国初出店は「ミンクス」
I-neが新領域のスキンケアと海外市場を強化


 僕が美容業界に入ったとき、「床屋談義をお金に変える」をテーマに掲げた。美容師は1回の来店につき2〜3時間ほど接客をして、ヘアケアやメイクの相談はもちろん、洋服の好み、仕事や家族の悩みまで、そのお客さまのあらゆる情報を知ることができる。そんな美容師の特質を活かせば、街のコンシェルジュになり得るのではないか。特にファッションとビューティは近い領域なので、掛け合わせればより大きなビジネスになり得るのではないかと考えていた。

 美容室という業態に着目すると、対㎡あたりの売上高が他業種に比べて低いことが出店の際のネックになることが多い。弊社が運営する「アルバム」銀座店は、「ホットペッパービューティーアワード2022」において最高賞の「GOLD Prize」を受賞し、全国約5万店舗中ネット予約売り上げが5年連続全国1位という実績をもつが、1日の集客人数は200人ほど。この200人に向けてより一等地に店を構えるとしたら、売上高に対するテナント料の割が合わないだろう。では美容室と無人型のセレクトショップを掛け合わせたらどうか。美容部員としても、アパレル店員としても、ポテンシャルの高い美容師が、まず美容室でさまざまな相談に応え、次に洋服、次にコスメと購入できたら、理想の変身が可能になるだろう。ファッションやビューティブランドとの共同出店という形を取れば、美容室のビジネスモデルでは叶わなかった物件への出店も可能になるかもしれない。ミルボンが新たに開始したサロンとの協働プロジェクト「スマートサロン」は、そこに目をつけているように感じた。ビューティーブランドも純粋な小売物販として考えると、美容室の集客人数では店販のみによるテナント料では採算は合わないかもしれない。しかしメーカーの打ち出す世界観やストーリーをなじみの美容師を通じて体験、説明されることは“真”のファンを確実に増やすことに貢献し、メーカーメリットにつながるのではないだろうか。類似した取り組みでは「アルバム」銀座店のような「ケラスターゼ インスティチュートサロン」が当てはまりそうだが、「スマートサロン」ではメーカーとサロンがより強くコラボしている印象を受けた。

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NEWS 02

「ムー」 がカラー下地“カラーチューナー“をリニューアル 光コントロール効果でより艶やか仕上がりへ

 ナチュラルコスメ「ムー(m.m.m)」は、今春ブランドデビュー5周年を迎えるのを機に、主力アイテムの一つであるカラー下地 “カラーチューナー”をリニューアルする。“ムー カラーチューナー” [SPF22・PA++] (全3色、各15mL、税込各3520円)として、3月1日に“パールイエロー”と“パールピンク”を、3月29日に“パールラベンダーピンク”をブランドサイトで展開。「メイクアップキッチン」の店舗とWEBサイトでは“パールイエロー” “パールピンク”を2月15日から先行発売をしており、“パールラベンダーピンク”は3月15日から取り扱う。

 “カラーチューナー”は、化粧下地・UVケア・保湿美容液の3役を1本でかなえるマルチユースベースとして、2018年のブランドデビュー以来人気のアイテムだ。新“カラーチューナー”は、より艶やかで内側から発光するような仕上がりに特化した。大きさやカラーの異なるパールを配合することで、光を味方に立体感と透明感を演出しながら、色むらやくすみといった肌悩みを自然にカバーする。

 リニューアルに際し、初代“カラーチューナー”(全5色)の中でも特に人気が高く、全顔に使用しやすいパステルカラーの3色に厳選した。色むら補正や赤みカバーが特徴の“パールイエロー”、自然な血色感を引き出す“パールピンク”、澄んだ透明感(メイクアップ効果による)で濡れたような艶感を演出する“パールラベンダーピンク”をそろえる。主要成分には、肌の潤いを守るエーデルワイスエキスを共通配合。“パールラベンダーピンク”には、ラベンダー、シャクヤク、ザクロなど、肌荒れを防ぎハリと艶感を与える5 種の美容成分を配合し、より艶やかな肌を演出する。肌へ伸ばすと薄いヴェールが滑らかに広がり、肌にピタリと密着するような仕上がりへと導く。

 また、“パールイエロー”は「ほのかに甘い安らかな香り」、“パールピンク”は「みずみずしくフェミニンな香り」、“パールラベンダーピンク”は、「柔らかな自分を感じられるような落ち着いた香り」と、カラーごとにブレンドされた精油が香る。プロダクトディレクターを務めるメイクアップアーティストの MINA は、「3色それぞれ異なるブレンドで、その日のムードを演出してくれるような香りをイメージした。朝のメイクアップが肌を整えることだけでなく、心の“チューニング”の時間となってくれたら」と語る。

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最新号の読みどころ

「クワイエット・ラグジュアリー」の静寂を破り、2026年春夏のウィメンズ市場に“カワイイ”が帰ってきました。しかし、大人がいま手に取るべきは、かつての「甘さ」をそのまま繰り返すことではありません。求めているのは、甘さに知性と物語を宿した、進化した“カワイイ”です。「WWDJAPAN」12月15日号は、「“カワイイ”エボリューション!」と題し、来る2026年春夏シーズンのウィメンズリアルトレンドを徹底特集します。