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新しい「エトロ」に期待
「エトロ」の新しいクリエイティブ・ディレクターに、イタリア人デザイナーのマルコ・デ・ヴィンチェンツォが6月1日付で就任します。同ブランドは昨年、株式の60%を投資会社のLキャタルトンに売却し、新たなCEOを迎えていました。最近は若年層に向けての打ち出しが強まっていましたし、そろそろ外部のデザイナーを招き入れるタイミングだったのかもしれません。ただ、ミラノ・メンズではキーンさんのパワフルなショーからいつも元気をもらっていただけに、ちょっと寂しい気持ちがあるのも正直なところです。
これから「エトロ」のウィメンズ、メンズ、ホームの全コレクションを率いるマルコ・デ・ヴィンチェンツォは、とてもバランス感覚に優れたデザイナーです。2年前の彼のメンズのショーを見た際は、クラシックに今っぽい柔らかさを取り入れるフレッシュな感性が好印象でした。創業ファミリーと協力しながら、「エトロ」の濃い世界観をどう引き継いでいくのか。今から楽しみにしています。
「エトロ」のクリエイティブ・ディレクターが交代 創業ファミリー外から
「エトロ(ETRO)」の新クリエイティブ・ディレクターに、6月1日付でイタリア人デザイナーのマルコ・デ・ヴィンチェンツォ(Marco De Vincenzo)が就任する。これまでウィメンズ、メンズ、ホームをそれぞれ手掛けていた創業ファミリーのヴェロニカ・エトロ(Veronica Etro)、キーン・エトロ(Kean Etro)、ヤコポ・エトロ(Jacopo Etro)の後任となり、すべてのコレクションを監修する。就任後初のコレクションは、9月のミラノ・ファッション・ウイークで発表する2023年春夏ウィメンズ・コレクションになる予定だ。
マルコはシチリア出身。ローマのヨーロッパ・デザイン学院を卒業後、00年に「フェンディ(FENDI)」のアクセサリーラインのデザイナーとしてキャリアをスタートさせた。09 年には、自身の名を冠したウィメンズウエアブランドを設立。同年、「ヴォーグ イタリア(VOGUE ITALIA)」とアルタローマ(Altaroma)による新人デザイナーコンテストの 「フー・イズ・オン・ネクスト?(Who is on Next?)」で優勝を掴み、イタリアファッションの未来を担うデザイナーとして注目を集めてきた。
また1968年創業のエトロは、2021年7月にLVMH モエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON)系の投資会社、Lキャタルトン(L CATTERTON)に株式の60%を売却している。創業ファミリーであるヴェロニカ、キーン、ヤコポは、引き続き L キャタルトンと協力し、ブランド戦略の発展に貢献するという。
21年12月に就任したファブリッツィオ・カルディナリ(Fabrizio Cardinali)最高経営責任者は、「ブランドの新しい道筋を担うマルコ・デ・ヴィンチェンツォの加入を心から歓迎する。彼の色使いやプリント、ファブリックに対する感性で、『エトロ』の類まれなヘリテージを新たに解釈し、素晴らしいクリエイションを見せてくれるだろう。また、アクセサリーの分野にも新たな活力を与えてくれると確信している」と述べる。
「ZOZOスーツ」ひっそりとサービス終了、大きな話題を集めるも「衣服革命」の道半ば
「ゾゾタウン」を運営するZOZOは5月24日、身体計測の「ZOZOスーツ」のサービスを終了すると発表した。6月23日正午以降、計測と計測結果の閲覧機能が利用できなくなる。「ZOZOスーツ」は前澤友作・前社長時代に大きな話題を集めたサービスで、特殊なマーカーの付いた同スーツを着用し、「ゾゾタウン」アプリを使うだけで3Dスキャンとほぼ同等の詳細な身体データを計測できた。同スーツの計測結果と連動してスタートしたジーンズやスーツなどのプライベートブランド「ZOZO」もすでに販売を終了している。導入時には「テクノロジーの力で服のパーソナライズを実現する画期的なサービス」として注目を集めたものの、大きな成果を収めることはできなかった。
ZOZOは2017年11月22日、当時創業者で社長を務めていた前澤友作氏の誕生日と合わせて「ZOZOスーツ」を発表。当初センサーを張り巡らせ精密機械とセットだった全身タイツだった初回版を経て、翌年の18年4月にはマーカーを使ったタイプを発表。同年7月にプライベートブランド「ZOZO」のTシャツやデニム(その後スーツやニット、オーダースーツも発表)すると、7月18日には時価総額が1兆5052億円にまで爆騰した。
だがその後、PBアイテムのスーツはサイズの不備が発生するなど問題が多発。18年の年末には会員制割引サービスの「ZOZOARIGATO」に不満を持った有力アパレル企業が離反し、さらに翌年19年1月末の決算発表時にはPB事業での売り上げ計画の大幅な未達が判明すると、株価は急落。同年9月には前澤友作氏自体が持ち株を売却し、社長職を辞任。ZOZOからも離れていた。
前澤氏のあとを継いだ澤田宏太郎社長は、就任後すぐに新たな経営指針として“MORE FASHION”と“FASHION TECH”を打ち出し、ZOZOを再び成長軌道に乗せており、22年3月期の業績は商品取扱高(流通総額)が前期比21.3%増の5088億円、売上高が同12.8%増の1661億円、営業利益が同12.5%増の496億円、経常利益が同11.9%増の496億円、純利益が同11.5%増の344億円に。20年3月に3000億円台に落ち込んだ時価総額も5月24日には8130億円にまで回復している。
なお「ZOZOスーツ」の技術を受け継いで開発した足の計測サービス「ZOZOマット」と、肌の色の計測サービス「ZOZOグラス」は継続する。
記録的な熱波に見舞われた今季のメンズ・ファッション・ウイークは、価値観をアップデートする2つの意味での「解放」がキーワードになりました。1つは、堅苦しいイメージも強い伝統的なテーラードスタイルからの解放。もう1つは、「男はこうあるべき」という固定観念からの解放です。「ドリス ヴァン ノッテン(DRIES VAN NOTEN)」や「シモーン ロシャ(SIMONE ROCHA)」に象徴される、繊細さや脆さを併せ持つしなやかなマスキュリニティー(男性性)の表現を起点に、メンズファッションの現在地を総括します。