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今こそ着たいアガるファッション!

 ちょっとやそっとのコラボにはもはや驚かなくなりましたが、でもやっぱりカワイイものはカワイイ!そんな風に言いたくなるのが、6月7日発売の「グッチ」×「アディダス」です。1970年代のテニスウエアやゴルフウエアが着想源だそうで、派手でレトロでハイパーミックスなアレッサンドロ・ミケーレ節炸裂!

 コロナもやや落ち着いて、夏に向けて旅行やレジャーがさらに盛り上がる雰囲気です。そうなると、楽しくて気分がアガるファッションがますます求められるようになりそう。「グッチ」×「アディダス」だけでなく、各社どんなハッピーな提案をしてくるのかワクワクしています。

「WWDJAPAN」編集委員
五十君 花実
NEWS 01

「グッチ」と「アディダス」のコラボ、6月7日発売 ルックを一挙公開

 「グッチ(GUCCI)」は、「アディダス(ADIDAS)」とのコラボレーションアイテムを6月7日に発売する。2022年-23年秋冬コレクション「EXQUISITE GUCCI」のショーで登場して大きな話題を集めた「adidas x Gucci」は、スポーツウエアをクラシックなテーラリングで再解釈したものだが、そのコマーシャルピースのローンチに先駆けて発売される今回のルックはよりスポーティーなアイテムが中心となっている。

 今回のコラボは1970年代のテニスおよびゴルフウエアを着想源としており、レトロなシルエットや大胆で明るい色使い、幾何学模様が特徴的だ。トラックスーツ、ジョギングパンツ、ショートパンツ、フレアパンツ、ボーリングシャツ、ニットのベスト、セーター、サファリジャケット、ポロシャツ、プリーツスカート、ペンシルスカートなど、メンズとウィメンズで多彩なアイテムを展開する。いずれも「グッチ」の“GGモノグラム”やブランドロゴ、「アディダス」の“トレフォイル”や三本線などの要素を自在に組み合わせたロゴがあしらわれている。

 フットウエアでは、「グッチ」のアイコニックなホースビットローファーに三本線をデザインしたものや、“トレフォイル”が飾られたレザー製のパンプスや厚底サンダル、「アディダス」の“ガゼル(GAZELLE)”スニーカーをレインボープラットフォームにしたものなどが目を引く。アクセサリー類も豊富に取りそろえられており、70年代風ファッションに欠かせないレトロなバケットハット、カラフルなヘアクリップ、チャンキーなジュエリーなどに加えて、ゴルフバッグ、カメラバッグ、ダッフルバッグも発売する。

 昔風のカタログをイメージしたルックブックは、パリとロンドンを拠点とするフォトグラファーのカーリン・ジェイコブス(Carlijn Jacobs)が撮影。コラボアイテムは、ポップアップのほか、「グッチ」の一部店舗とオンラインストア、「アディダス」の「CONFIRMEDアプリ」で販売する。

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NEWS 02

新生「エミリオ・プッチ」お披露目 デザイナーが目指す「ウェルビーイングなリゾート」とは?

 「エミリオ・プッチ(EMILIO PUCCI)」は4月末、新アーティスティック・ディレクターのカミーユ・ミチェリ(Camille Miceli)による最新コレクションをイタリアのカプリ島で発表した。フランス出身のミチェリ=アーティスティック・ディレクターは、15歳から「シャネル(CHANEL)」や「アライア(ALAIA)」などでインターンとして経験を積み、「シャネル」や「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」の広報担当を務めた後、LVMH モエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON)傘下の複数ブランドではコスチュームジュエリーやレザーグッズの監修やコンサルティングを担った。カミーユによる新コレクションの発表に際して、「エミリオ・プッチ」はブランドのルーツに立ち返り、「リゾートに特化したブランド」としてリブランディングすると発表していた。彼女に、その想いを聞いた。

WWDJAPAN(以下、WWD):「リゾートに特化したブランド」とは?年に1度、リゾート・コレクション(一般的には、春夏と秋冬の間に発表するコレクションとして知られている)しか発表しない、ということ?

カミーユ・ミチェリ「エミリオ・プッチ」新アーティスティック・ディレクター(以下、カミーユ):「リゾート」とは、業界の当たり前じゃなくて、ブランドのDNA。年に1度だけリゾート・コレクションを発表するのではなく、“リゾートマインド”なカプセル・コレクションを毎月ドロップする体制に切り替えるの。「エミリオ・プッチ」と聞かれたらビーチウエアを連想する人が多いくらい、私たちにとってリゾートシーンは馴染みのあるもの。でも同時にブランドは、鮮やかなスキーウエアを発表して一世を風靡したこともあるの。季節を問わず、リゾートは「エミリオ・プッチ」にとって大切よ。コロナを経た今は、「エスケープしたい」というマインドも高まっている。そんな想いに寄り添いたい。私たちにとって「リゾート」とは、ウェルビーイングなマインドセットのことよ。

WWD:具体的には?

カミーユ:スポーティな洋服はもちろん、シューズは快適性にこだわった。ヒールもあるけれど、プラットフォームシューズは欠かせないわ。こだわったのは、素材。パディングを筆頭に、とても柔らかな素材使いにこだわった。こうした洋服を身にまとえば、空港だって、旅先だって、人生全般が楽しくなるハズよ。毎日を笑顔で過ごすこと、それがウェルビーイングな「リゾート」なの。と同時に、私たちの柄は、着る人だけでなく、見る人も笑顔にしてくれるわ。

WWD:プリント柄は、「エミリオ・プッチ」のアイデンティティーでもある。

カミーユ:とても大切な存在。でも最近の「エミリオ・プッチ」は、プリントの中に“人間性”を欠いていたと思うの。昔の柄は、すべて手作業。だからこそ不完全で、そこには“人間性”が宿っていたわ。だから今回発表したプリント柄は、すべてを一から手作業で描きなおしたの。代表的な「ジオメトリック」を筆頭に、「マルモ」や「フローラル」など、スタートしてから3回目にドロップするまでのコレクションに使った、6つの柄を描き直したわ。とっても大変な作業だったけれど、絶対に必要なことだった。最初は手間かもしれないけれど、きっと慣れるわ。だって「エミリオ・プッチ」は1960~70年代、コンピューターを使うよりずっと素早く、数々のモチーフを描き、世に送り出したんだもの。

WWD:ウエアを手掛けるのは、今回が初めて。不安や難しさはなかった?

カミーユ:長年ファッション業界に携わり、カール・ラガーフェルド(Karl Lagerfeld)やマーク・ジェイコブス(Marc Jacobs)、ニコラ・ジェスキエール(Nicolas Ghesquiere)と仕事をしながら、彼らを観察してきたわ。そこで素晴らしいコレクションには、素晴らしいチームが欠かせないことを学んだの。「エミリオ・プッチ」は、素晴らしいチーム。だから不安はなかったわ。厄介なのは、私が完璧主義なこと(笑)。アクセサリー、特にジュエリーにはミリ単位の細かさが求められるから。

WWD:4月末には、ゲストをカプリ島に招き、さまざまなアクティビティーを通してコレクションを発表した。

カミーユ:ファッションショーより、ずっとラクだったわ!ゲストは、土曜の夜に到着すると、まずは「エミリオ・プッチ」の柄に覆われたバーなどを筆頭に、“プッチの海にダイブ”するの。翌朝はヨガやゲームを楽しみながら、カフタンドレス姿のモデルをチェック。そして、みんなでダンスよ(笑)。こうしたコンテンツは、ウェブサイトを通してみんなに共有するつもり。私たちのコアバリューは「リゾート」だけど、今はスピーディな社会でもあるから、デジタルも頑張らなくちゃ。サイトでは、水着もセーターも、いつでも買えるわ。だって日本が冬でも、ブラジルは夏よ!世界のどこかには、必ず「リゾート」を楽しめる環境、楽しんでいる人が存在するんだから、「エミリオ・プッチ」の可能性は大きいわ。

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最新号の読みどころ

「クワイエット・ラグジュアリー」の静寂を破り、2026年春夏のウィメンズ市場に“カワイイ”が帰ってきました。しかし、大人がいま手に取るべきは、かつての「甘さ」をそのまま繰り返すことではありません。求めているのは、甘さに知性と物語を宿した、進化した“カワイイ”です。「WWDJAPAN」12月15日号は、「“カワイイ”エボリューション!」と題し、来る2026年春夏シーズンのウィメンズリアルトレンドを徹底特集します。