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メタバースとゴルフは、違う?同じ?

 今年は、あと何本、ゴルフブランドデビューの記事を発信するのでしょう?そのくらい、空前のゴルフブームです。下で紹介する「TMG」とは違う新ブランドに話を聞くと、「メタバースより、ゴルフの方が近かった」と教えてくれました。なるほど、って思います。

 先行する「パーリーゲイツ」などの成功の理由は、コミュニティ作りにあると聞きます。確かに「パーリーゲイツ」は、ものすごく地道なコンペなどを積極開催していますからね。その意味ではメタバースと一緒かもなぁ、とも思います。

「WWDJAPAN」編集長
村上 要
NEWS 01

スタイリスト樋田直子が新ゴルフウエアブランド「TMG」をスタート

 スタイリストの樋田直子が、ゴルフウエアブランド「ティー エム ジー(TMG)」をスタートした。同ブランドの立ち上げに伴い設立した、自身が代表を務める会社エムエヌライフ(MN LIFE)で運営する。価格はワンピースが税込2万8600円〜、トップスが1万3200円〜、スカートが2万5300円〜、キャップが1万2100円など。直営ECなどで販売中だ。

 樋田は、「特にこだわったのはサイズ感と素材。大人世代もすっきりと着られるものを目指し、環境にできるだけ配慮した素材を選んだ」と話す。ブランドカラーとしたターコイズをはじめ、イエローやグリーンなど遊び心あるカラーがそろうのも特徴だ。

 デビューコレクションのテーマは“Elegant but fun”。タックをたっぷり入れて「優雅に仕上げた」というワンピースや吸水速乾素材のモックネックトップス、“クールマックス”を用いたカーディガン、オーガニックコットン製のノースリーブなどをラインアップする。また、ラップスカートは体型や好みに合わせてテープでサイズ調節ができ、ジョッパーズはウエストをゴム仕様にして「リラックスした履き心地を目指した」。キャップには紫外線はもちろん、シワやたるみの原因になるといわれる近赤外線を99%カットする遮熱素材“コカゲル”を採用する。

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NEWS 02

資生堂がヨーロッパで初めて開発した自社ブランド「ウレ」をデビュー

 資生堂は5月2日、フランス・パリで新スキンケアブランド「ウレ(ULE)」を発売する。同社がヨーロッパ支社主導でブランドを開発するのは初めて。化粧品を購入する際に地球環境への配慮を一つの判断基準にする「コンシャスビューティ」をコンセプトに掲げ、サステナブルなものづくりを特徴とする。パリのマレ地区にオープンする直営店でデビューし、そのほか欧州では順次ECで発売する。

 「ウレ」はまずは8製品からデビューし、価格は30〜119ユーロ(約4000〜1万6000円)。3つのラインからなり、CBD入りの乳液や肌に塗布しても、口から飲んでもいいオイルなどをラインアップする。独自基準により使用しない成分を1400種定めている。それぞれのパッケージには自然由来成分の割合のほか、フランス国内で調達した原料の比率も明記。自然由来成分を96%以上配合し、平均で84%の成分をフランス国内で調達している。さらにQRコードを記載し、原料の産地などの情報を公開する。パッケージの一部にバイオ素材を使用することでプラスチックの使用量を削減し、ガラス容器を軽量化することで輸送による環境負荷を軽減した。

 「ウレ」は、これまでヨーロッパ、中東、アフリカ地域のスキンケア事業を率いてきた同社のリンジー・アズピタルテ(Lindsay Azpitarte)EMEAニューブランドデベロップメント バイス・プレジデントが手掛けるブランド。アズピタルテ=バイス・プレジデントは約3年前に魚谷雅彦・社長 最高経営責任者に「コンシャスビューティ」を元にしたスキンケアブランドを提案し、1年半前に開発に着手したという。「ヨーロッパにあるイノベーションセンターと横浜にあるグローバルイノベーションセンターの2つの研究開発拠点がコラボレーションして作った。日本のチームがわれわれに主導権をくれたので、ヨーロッパで一からブランドを作ることとなった。これは初めてのことだ」。資生堂が誇る研究開発力を活かしつつ、スピーディーに、柔軟に動くスタートアップを意識した少人数制のチームで運営している。

 ブランド名はギリシャ語で素材や材料を意味する“hyle"に由来する(フランス語では“ule”と発音)。「(地球も人間も)全てがつながっている、という考えが根底にある」。アズピタルテ=バイス・プレジデントは、「コンシャスビューティ」には2つの意味があると説明する。「自分の肌につけるものに気を遣うことに加え、ブランドが地球環境にどのような影響を及ぼすのかも意識すること」。そこで水の使用量を95%削減でき、土壌や広い土地も不要な室内の垂直農業に着目。最新のテクノロジーを活用し都市型農業の可能性を広げるスタートアップ企業、タワー ファーム(TOWER FARM)と協業し、サステナブルな栽培方法を模索した。原料はインドを原産とするツボクサ、コリウス、トゥルシーの3種類の植物にフォーカスした。「世界各国から調達する原材料を、(環境の負担を減らすために)ローカルで栽培できないか、試行錯誤した」。その結果、約2年の研究期間を経て、垂直農業で3つの植物の栽培に成功。従来のスキンケアは植物の一部を使用することが多いのに対し、植物全体からエキスを抽出。フレッシュな状態で収穫してからエキスを抽出し、製品の製造はフランス・オルムにある資生堂の工場で行う。

 資生堂の関係者は同ブランドの売り上げ目標について明かさなかったが、業界筋によると、初年度はおおよそ1500万ユーロ(約20億円)を計上すると見込む。また、今後グローバルブランドへと成長させ、主要市場のスキンケア部門でトップ5に入ることを目指すものと予測する。

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最新号の読みどころ

「WWDJAPAN」12月22日&29日合併号は、創業90周年を迎えた吉田カバン総力特集です。「ポーター(PORTER)」「ラゲッジレーベル(LUGGAGE LABEL)」「POTR」の3ブランドを擁し、日本を代表するカバンメーカー・吉田のモノ作りに迫ります。日本が誇る伝統技術を持つカバン職人たちと深い関係を築きながら、最先端の技術・素材を使い名だたるデザイナーズブランドとコラボレーションする相反した性質はどんな文脈から生まれているのでしょうか。