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ニッポンの若さ至上主義に喝!
本日ご紹介するのは、光文社が6月30日に発売する、60代女性のメイク本についての記事。マチュア世代の女性のファッション&ビューティ市場、注目が高まっていますね。われわれ「WWDJAPAN」も50〜60代女性を“主役世代”とネーミングし、去る5月10日号で「“主役世代”の消費のつかみ方」という特集を組みました。その結果、自身も“主役世代”だという読者の方から熱烈な感想メールもいただき、「このマーケットは媒体としてもっと追っていかねばならない」と思った次第です。
芸能界を見ても婚活市場を見ても、日本は若さ至上主義が根強い社会だとつくづく感じます。幼く未熟なものを愛でる美意識は古くは「源氏物語」の光源氏にまでさかのぼる日本の伝統(?)ですが、そろそろそうした伝統をアップデートする時なのでは。性別を問わず、年を重ねた人には若い時とはまた違った美しさや魅力の可能性があり、輝き方や輝かせ方がある。魅力的な50〜60代が増えれば、若い世代も年を重ねることがきっと楽しくなります。若さの持つハツラツとした美しさだけでなく、年を重ねてこその魅力も世の中に伝えていくファッション&ビューティ業界でありたいですね。
風吹ジュンがイメージモデル 奇跡の60代がかなう「大人の上品ツヤ肌メイク」が刊行
光文社は6月30日、ヘアメイクアップアーティスト髙橋貢氏の初著書、「大人の上品ツヤ肌メイク」(税込1870円)を発売する。
多くの女優やモデル、アスリートまで幅広くヘアメイクを手掛けてきた髙橋氏が、長年培ってきたメソッドを60歳にして初公開。女優たちを感動させたベースメイクの秘密や、60代になったら知っておきたいテクニックを紹介している。読んでいてクセになる独特の語り口にも注目だ。
コンテンツは、“大人の上品ツヤ肌メイクのつくり方”“「顔の額縁」眉とアイメイク”“顔が華やぐリップの法則”“保湿重視のスキンケア”“ボリューム命のヘアケア”など。
“大人のためのメイク直し3種の神器”や“翌朝がラクになる、大人のドライヤー法”など具体的なお役立ち情報のほか、「メイクの9割は“ファンデまで”で決まると心せよ!」「“1年中オールインワン”は枯れる原因に」など、ドキッとさせられる格言も登場する。
髙橋氏は、女優、俳優、アスリートなど数多くの有名人から指名を受けるヘアメイクアップアーティスト。美容室勤務、フランス留学を経て活動を始め、1988年にアーティストの今井美樹氏の初の全国コンサートの仕事を機にフリーランスとなる。CF広告を中心に、テレビや雑誌、書籍など多方面で活躍中だ。
有名美容師のパーソナルトレーニングを担当 b-exの浅田昌也が打ち出す筋肉美容家とは
1982年、北海道生まれ。大学卒業後、北海道内の美容ディーラーに就職。1年間勤務したのち、b-ex(当時モルトベーネ)に入社。営業として全国のサロンとコミュニケーションをとる。19年から本格的に身体を絞り込み、鍛え上げた身体を競いあう「ベスト・ボディジャパン」や「モデルジャパン」に出場する。副業としてパーソナルトレーニングを行い、筋肉美容家として発信する(インスタグラム@kinnniku_masaya) PHOTO:YUKIE SUGANO
ヘアサロン専売品をはじめ、一般向けヘアケア製品などを取り扱うb-exは今年3月に副業を解禁した。実践者はまだ少数というが、先陣を切って副業に取り組む浅田昌也さんは営業として勤務するかたわら、筋肉美容家として自身の身体を美しく鍛え、大会にも出場する。美容室・美容師向けのパーソナルトレーナーとして活動する背景を浅田さんに聞いた。
WWD:筋トレに目覚めたきっかけは?
浅田昌也b-exプロフェッショナル営業部第一支店 支店長兼広域営業(ビジネスデベロップメント)(以下、浅田):ジムにはずっと通っていましたが、きっかけはヘアサロン「エアー(air)」執行役員の金丸佳右さんとの出会い。もともと“筋肉美容師”として有名な方ですが、実際にお会いしたらめちゃくちゃかっこ良くって。19年の春ごろ、鍛えた身体の美しさを競い合う「ベスト・ボディジャパン」という大会に金丸さんが出場するということで見学にいきました。その時にすごく感銘を受けて、翌日から自分も3カ月後の大会に出場するために本格的に身体を鍛え始めました。
WWD:身体を鍛え始めてからの変化は?
浅田:大会に出場するために3カ月で18キロ減量しました。別人になったと思いますよ(笑)。そうして「ベスト・ボディジャパン」に挑んだのですが結果は予選落ちで、撃沈。リベンジのために出場した20年の「モデルジャパン」では予選を通過して日本大会に行くことができました。筋トレを始める前はSNSをそれほどまめに更新していませんでしたが、減量の様子をインスタグラムやティックトックで公開してみたら反響が大きく、テレビのバラエティ番組にも出演しました。
WWD:それからパーソナルトレーナーとして活動を始めたのはなぜ?
浅田:僕が大会前に食事と筋トレで10キロ以上減量しているのを見て、「ガーランド(Garland)」の榊原(章哲)さんが「コロナ禍で10キロ以上体重が増えてしまったので、ダイエットをサポートしてくれないか」と声をかけてくれました。昨年の秋頃です。「せっかくなら本格的にやろう」と榊原さんにサービス名もいただき、ロゴも作ってくれたんです。2カ月間毎日30分ほど、ビデオチャットを使って、トレーニングをしたところ、榊原さんは6kgの減量に成功しました。そのあとは「アン アミ(Unami)」代表の森内(雅樹)さんや、「ロンド(Lond)」グループ代表の吉田牧人さんからお声がけをいただき、徐々にパーソナルトレーナーとしての活動が増えていきました。コロナ太りには美容師さんも例外なく悩んでいるようで、自粛ムードが次第にあけて人前に出ることが増えた秋頃に始めたこともあり需要が高かったと思います。
WWD:メーカー営業とパーソナルトレーナー、二足のわらじのメリットは。
浅田:榊原さんに言われて始めましたが、一人勝ちできるなと思いました。“筋肉美容師”は結構いますが、メーカーやディーラーなどヘアサロン業界でほかにそういう人がいませんでした。パーソナルトレーニングを担当することでビジネスとは違う領域で美容師さんと関係性が作れます。ヘアサロン業界以外の方のパーソナルトレーニングをすることもありますが、この業界でやることに価値があると考えています。トレーニングをしていると自然と仕事の悩みを相談されることもあって、ヘアサロン業界にいるからこそ共感できたり、アドバイスしたりすることもできます。まずは友達のような親しい関係が築ければ、ビジネスでも良い関係になれるはずです。メーカーの営業は「商品を売りにきた」と警戒されることがありますが、まずは筋トレをきっかけに友達のように親しい関係が築ければビジネスでも良い関係になれるはずです。
WWD:営業マン×筋肉美容家としての目標は?
浅田:b-exに入社してから15年、北海道や大阪、東京で営業として一番売り上げを立ててきたと自負しています。正直にいうと、数字を追い求めることはもうやり切った感がありました。何か新しく打ち込めることを見つけたいという思いや、金丸さんとの出会いがあって、筋トレを始めました。その時はどのようにビジネスにつなげていくかは、全く見えていませんでした。それが美容師さんと筋トレを通じて関係性を作ることができるようになり、b-exの仕事にも生きています。さらにパーソナルトレーナーという副業にもなりました。結果が求められるので趣味レベルで筋トレをやるのとは全然違いますが、好きなことでビジネスができたら最高じゃないですか。そうじゃないと継続できません。
WWD:浅田さんが周りに与える影響も大きそうだ。
浅田:“自分×何か”の“何か”を2つ、3つ持っていないと、これからの時代はきついと部下にも話しています。営業に出て、プレゼンするのは当たり前。けれども「この人といえば○○○だよね」という何かがあれば入り口も作りやすいし、重宝されます。例えばブラックコーヒーしか飲まないとか、些細なことでもいいんです。それをいかに発信して継続するかが大事。最低でも1〜2年は続けることですね。やり続けてみないとどのようにブランディングすれば良いのかもわかりません。僕の場合はそれが筋トレでした。筋トレは自分との戦いで嘘をつきません。筋肉美容家として活動していますが、美容師さんが「きれいになって、かっこ良くなって売り上げが上がる」というようなロジックが作れたら無敵になれると考えています。そんな営業マンがいたら、「b-ex と取引したい!」とも思いますよね。人のためでもありますが、筋トレをすることは自分のためでもあり、会社の売り上げにもつながるはずです。
「WWDJAPAN」12月22日&29日合併号は、創業90周年を迎えた吉田カバン総力特集です。「ポーター(PORTER)」「ラゲッジレーベル(LUGGAGE LABEL)」「POTR」の3ブランドを擁し、日本を代表するカバンメーカー・吉田のモノ作りに迫ります。日本が誇る伝統技術を持つカバン職人たちと深い関係を築きながら、最先端の技術・素材を使い名だたるデザイナーズブランドとコラボレーションする相反した性質はどんな文脈から生まれているのでしょうか。