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韓国コスメの勢い止まらず
競合同士であるセフォラと韓国のオリーブヤングの提携は、いよいよかと感じさせるニュースでした。各国に店舗網を張り巡らせるセフォラの実店舗やECで韓国コスメが本格展開されることで、Kビューティのグローバル浸透はさらに加速していきそうです。
12月22日・29日号の「WWDBEAUTY」特集でも取り上げましたが、Kビューティは韓国政府主導のもと国家戦略として強化されてきました。今回の提携も、そうした流れの延長線上にある動きだと感じます。
その存在感の高まりを前に日本の化粧品も、もっと世界でプレゼンスを発揮していってほしいと改めて感じさせられました。
セフォラとCJオリーブヤングが戦略提携 Kビューティを世界展開へ
LVMH モエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON)傘下の化粧品専門店セフォラ(SEPHORA)は1月20日(現地時間)、韓国最大級のヘルス&ビューティ小売りチェーン、CJオリーブヤング(CJ OLIVE YOUNG以下、オリーブヤング)と戦略的パートナーシップを締結したと発表した。両社は提携を通じ、韓国発のビューティブランドをセフォラの顧客に向けてグローバル展開する。
本提携により、今秋から米国、カナダ、香港、シンガポール、マレーシア、タイなどで、セフォラの実店舗およびオンラインで、オリーブヤングがキュレーションしたKビューティ製品を展開する。27年には、中東、英国、オーストラリアなど他地域への拡大も視野に入れる。
セフォラは現在35カ国に3400の販売拠点を持ち、プレステージ・ビューティ領域における8000万人にもおよぶグローバルな顧客基盤を強みとする。オリーブヤングは韓国国内に1390店舗以上を展開し、Kビューティの発信拠点として存在感を高めてきた。両社はそれぞれの強みを生かし、韓国ビューティのトレンドや魅力を世界規模で訴求する。
セフォラのプリヤ・ベンカテッシュ(Priya Venkatesh)=グローバル・チーフ・マーチャンダイジング・オフィサーは、「Kビューティは現在、最も革新的で成長力のあるカテゴリーの1つだ。オリーブヤングとの協業により、韓国ブランドを探求したいと願う顧客に、新しい体験を提供できる」とコメントした。
また、オリーブヤングのイ・ヨンア(Youngah Lee)最高戦略責任者(CSO)は「グローバル展開を推進する中で、パートナーシップを開始できることをうれしく思う。Kビューティへの世界的関心が高まる中、本提携は、主要国際市場における韓国ブランドの展開拡大に向けて意義のある機会になる」としている。
なお、セフォラは19年に韓国市場へ進出したものの24年に撤退。オリーブヤングは昨年2月、ロサンゼルスに米国支社CJオリーブヤングUSAを設立していた。今回の提携は、かつて競合関係にあった両社が協業へと転じた象徴的な動きとしても注目される。
人気ヘアサロン「SHIMA」の創業者・嶋義憲さんが死去 常に“かっこいい”を追い求め妥協のないレベルを求めたトップランナー
人気ヘアサロン「SHIMA(シマ)」は1月21日、公式インスタグラムにて、病気療中だった嶋義憲「SHIMA」創業者が1月5日に死去したと報じた。享年84歳。公式インスタグラムで、嶋香緒里「SHIMA」代表は以下のようにコメントしている。
「誰よりも厳しく、誰よりも審美眼があり、そして誰よりも先を見ていた父。常に“カッコいい!見事!”を追い求め、自分にも、人にも妥協のない高いレベルを求める。それは時に厳しく、周囲には苦しさも伴いましたが、その分、深く成長させられました。若き日に単身アメリカ・シアトルに渡り、見たことのない世界で受けたセンセーショナルな刺激。その経験が、父の人生の核を作り、53年という長きにわたり、第一線で美容室『SHIMA』を経営する情熱を持続させたのだと思います。美容師として、そして経営者として、長年多くの人を育て、引っ張り続けてきた父。これからは父の教えを胸に、更に精進して行きます」。
嶋義憲さんは1961年に渡米し、美容師ライセンスを取得。帰国後、71年に東京でヘアサロン「SHIMA」を創業。青山、原宿、銀座などの主要タウンに店舗を拡大し、いわゆる“ブランドサロン”を確立する。創業から50年以上の長きにわたり、トレンドの第一線に在り続けるという唯一無二のサロンを築き上げた。
なお昨年9月、嶋義憲さんは“全ての始まりとなった原点”を記した書籍“The Philosophy of SHIMA”を刊行した。刊行に際し、同氏は「私の原点は、60年代のアメリカ。シアトルで過ごした青春時代にあります。あの街の空気やカルチャーは、今も色濃く私の中に息づいており、その後の人生において欠かせない指針となりました。この特別な時間と空間から得た感覚や刺激が、やがて創造性を支える源となったのです。世界に目を向け、時代の先を感じ取る姿勢。それこそが、私の生き方そのもの。第一線を走り続けるための原動力なのです」とコメントしている。
その「時代の先を感じ取る姿勢」こそが、世界に誇れる日本のサロン業界の礎になっている。