Fashion. Beauty. Business.

TOPICS

「ロンハーマン」で感じる、日本人のビジネスの上手さ

「ロンハーマン」が年末、ロサンゼルス・メルローズ通りの旗艦店をクローズします。すでに近隣の店舗も閉店し、2019年に事業を取得したサザビーリーグは、「アメリカ事業の戦略的見直し」を決めた旨を発表。ちなみにハワイの「ロンハーマン」は、事業を取得したサザビーリーグによるものです。日本の「ロンハーマン」は堅調で、主従関係が逆転し、創業家主導だった店舗が姿を消すのですから、日本人のビジネスの上手さを感じずにはいられません。

同じように、日本が圧倒的なリーディングポジションをとるブランドには、「ロエベ」や「ダンヒル」があります。こうしたブランドに、それぞれの母国での強さが加わったら、どうなるのでしょう?ますます強くなるのでしょうか?いずれのブランドも、それを課題にまい進している印象です。

「WWDJAPAN」編集長
村上 要
NEWS 01

「ロンハーマン」が米LAのショップ閉店 サザビーリーグは米国本土からの撤退は否定

「ロンハーマン(RON HERMAN)」は12月23日、ロサンゼルス・メルローズ通り8100番地のショップを閉店する。「ロンハーマン」はすでに、ブレントウッドとマリブにある近隣の店舗もクローズしている。2019年に「ロンハーマン」事業を取得したサザビーリーグは、「ロンハーマンは、アメリカ事業の戦略的見直しを決め、ロサンゼルスの現行店舗を閉店し、カリフォルニアでのダイナミックなオン&オフライン戦略を再考する」旨を発表。アメリカ本土の事業から撤退する意向はないという。

ロンは20代のころ、ファッション業界でキャリアをスタート。叔父で1961年に自身の名前を冠したショップをオープンしたフレッド・シーガル(Fred Segal)に影響を受け、その後はメルローズ通りの「フレッド シーガル」を継承。ジーンズからTシャツ、デザイナーズブランドのシューズやバッグを網羅したショップへと進化させ、ショップ・イン・ショップのアイデアにも挑戦した。その後フレッド・シーガルは、ロンに事業全体を任せ、ロンは、社長に就任。サンタモニカに2号店をオープンするなど「フレッド シーガル」のビジネス拡大に貢献したが、76年に「ロンハーマン」をオープンして別の道を歩むことになった。

アイコニックなショップの閉店については、関係者から惜しむ声が上がっている。1984年にショップスタッフとしてキャリアをスタートし、ウィメンズ部門の副社長としてヘッドバイヤーも務めたジョン・エシャヤ(John Eshaya)は、「ロンハーマンは、カリフォルニアの才能溢れるデザイナーの発掘を担ってきた。そして、ファッション業界にロサンゼルスのスタイルを知らしめたんだ」と振り返る。LA発のシャツブランド「フランク&アイリーン(FRANK&EILEEN)」を創業したオードリー・マクローリン(Audrey McLoghlin)は、「ロンハーマンは、私のキャリア、そして『フランク&アイリーン』の成功に欠かせない存在だ。創業者のロンには先見の名があり、ショップは50年近くロサンゼルスにとってアイコニックな存在だ。ロスと日本、そしてファッション業界にとって、偉大な存在になるだろう」と語る。

メルローズ通りのショップは、閉店までセールを開催している。

トップページに戻る
NEWS 02

原宿でランウェイショー 会場はキャットストリート

原宿神宮前商店会は19日、ファッションイベント「ウラハラフェス2023オータム」を開催した。会場のキャットストリート(旧渋谷遊歩道)には40メートルのレッドカーペットが敷かれ、ファッションショーやフリーマーケットが催された。好天にも恵まれて、訪れた大勢の人たちの目を楽しませた。

商店会の早川千秋会長、同・八木原保名誉会長、元SKE48で俳優の惣田紗莉渚さん、渋谷区の長谷部健区長、原宿警察署の岡崎聖署長らの開会宣言で正午過ぎに幕を開けたイベントでは、雑誌「ポップティーン」で活躍するZ世代のモデルチーム「LOVEteen」とBLEA学園との協業によるファッションショーからスタート。買い物客らが歓声を送り、スマホで撮影したりして盛り上がりをみせた。そのほか、ゴスロリブランド「プトマヨ」と引退したアイドルのセカンドキャリアを支援する「ツギステ」とのコラボ、カンコー学生服による制服ランウェイなど7つのショーが行われた。

トップページに戻る

最新号の読みどころ

「クワイエット・ラグジュアリー」の静寂を破り、2026年春夏のウィメンズ市場に“カワイイ”が帰ってきました。しかし、大人がいま手に取るべきは、かつての「甘さ」をそのまま繰り返すことではありません。求めているのは、甘さに知性と物語を宿した、進化した“カワイイ”です。「WWDJAPAN」12月15日号は、「“カワイイ”エボリューション!」と題し、来る2026年春夏シーズンのウィメンズリアルトレンドを徹底特集します。