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奇抜な演出から思いを読み取る

数年前の世界海洋デー(6月8日)に合わせて、化粧品ブランド「ラッシュ(LUSH)」から登場したバスボムが印象に残っています。プラスチックストローが刺さった姿で発見されたことで、海洋プラスチック問題の象徴的存在となったウミガメの形をしたバスボムで、とてもかわいらしい見た目に惹かれ購入しました。実際にお風呂で使ってみると、溶けていった最後の方に、中から何やらプラスチック片のような物が出てきました。

それはプラスチック片を模した糸寒天で、海洋プラスチック問題を訴えるために、あえて入れた物でした。糸寒天が入っていても、特にかわいくもないし、いい匂いもしないし、消費者にとっては何のメリットもありません。糸寒天は溶けないので、むしろ片付けなければいけない余計なひと手間が発生します。にもかかわらず、あえてこういった演出をしていることに、「ラッシュ」の思いを感じました。

今回の東コレでも、作り手の思いが込められた演出が多々あったようです。夜帯のスーパーで大量に見る“半額”シールをプリントしたコートを着用し、消費社会への疑問を投げかけたデザイナー。世界で起きている戦争に着想し、独特な雰囲気が色濃く残る元キャバレークラブでショーを行うことで、平和を訴えたクリエイションなどなど。演出の裏に込められた、作り手の思いに要注目です。

「WWDJAPAN」 ヘッドリポーター
中村 慶二郎
NEWS 01

“半額“コートのデザイナー、汚水処理場ランウエイ、ヒカリエ初の火花フィナーレ 「オモシロ・ファッション・ウイーク・トウキョウ」

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“半額“コートのデザイナー、汚水処理場ランウエイ、ヒカリエ初の火花フィナーレ 「オモシロ・ファッション・ウイーク・トウキョウ」

ファッション・ウイーク期間中は、予想外のことがたくさん起こる。それを楽しむのも東コレの醍醐味だ。“半額”コートを着たデザイナーから下水処理場ランウエイまで、特集で紹介しきれなかったショーや小ネタを集めた。(この記事は「WWDJAPAN」2023年9月11日号からの抜粋で、無料会員登録で最後まで読めます。会員でない方は下の「0円」のボタンを押してください)

「アブランクページ(ABLANKPAGE)」

“半額”で訴えたい×駐日タイ大使

「アブランクページ」のラロパイブン・プワデト=デザイナーは、夜帯のスーパーで大量に見る“半額”シールをプリントしたコートを着用し、囲み取材に参加。この服で消費社会への疑問を投げかけたいのだとか。会場にはタイの関係者が多く集まり、取材途中には駐日タイ大使も登場。さらにはタイ料理まで振る舞われ、東コレというより“タイコレ”だった。

「ペイデフェ(PAYS DES FEES)」

史上初?下水処理場ランウエイ

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NEWS 02

「トミー ヒルフィガー」とSZAがブランチパーティーを開催 2023年秋のキャンペーンを祝して

「トミー ヒルフィガー(TOMMY HILFIGER)」は、アメリカのR&Bシンガーで、グラミー賞の受賞歴もあるマルチプラチナアーティストのシザ(SZA)と共に、同ブランドの2023年秋のキャンペーンを祝うブランチパーティーをニューヨークの会員制社交クラブ「マクスウェル トライベッカ(Maxwell Tribeca)」で開催した。

同キャンペーンは、“ビロンギングとトゥギャザーネス(所属と一体感)”がテーマ。シザのほか、クインシー・ジョーンズ(Quincy Jones)やパロマ・エルセッサー(Paloma Elsesser)、アンバー・バレッタ(Amber Valletta)、スティーブ・アオキ(Steve Aoki)とデボン・アオキ(Devon Aoki)の兄妹らが、友人や家族と登場している。

シザは、「私はすごく恵まれている。トミーはアイコンであり、『トミー ヒルフィガー』は子ども時代から定番のブランドだったので、こうして関わることができて本当に光栄。撮影は緊張したけれど、両親と一緒だったので楽しかった」と語った。ツアー中に同ブランドの服を着用しているかという質問に対しては、「チューブトップは好きだけど、胸が飛び出しそうで怖い。だから、オーバーオールを着ているわ」と答えた。

ブランチパーティーには、トミー・ヒルフィガー(Tommy Hilfiger)=デザイナーとシザに加えて、ララ・アンソニー(La La Anthony)、クエイヴォ(Quavo)、ハリマ・アデン(Halima Aden)など、ファッション、アート、音楽、エンタメ、スポーツの業界のスターたちが参加した。

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最新号の読みどころ

「クワイエット・ラグジュアリー」の静寂を破り、2026年春夏のウィメンズ市場に“カワイイ”が帰ってきました。しかし、大人がいま手に取るべきは、かつての「甘さ」をそのまま繰り返すことではありません。求めているのは、甘さに知性と物語を宿した、進化した“カワイイ”です。「WWDJAPAN」12月15日号は、「“カワイイ”エボリューション!」と題し、来る2026年春夏シーズンのウィメンズリアルトレンドを徹底特集します。