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サマンサ反撃なるか

 サマンサタバサジャパンリミテッドは、バッグとジュエリーの計3ブランドを複合した新業態の1号店を東京スカイツリータウン・ソラマチに出店しました。主力バッグの「サマンサタバサ」をはじめ、「サマンサベガ」「サマンサティアラ」も並びます。さらに今後はメンズの「サマンサキングス」や、小物の「サマンサタバサ プチチョイス」を含めた店舗の大型化・複合化を検討しているそうで、個々のブランドの相乗効果につながるのか注目です。

 同社のように、一つのブランドから派生した複数のラインを抱えるアパレル企業は多くあります。主軸のブランドが不振に陥ったとき、派生ブランドをどうしていくのか。今後はさまざまな企業が直面する課題になりそうです。

大塚 千践
NEWS 01

サマンサが複数ブランド集積の新業態1号店 バッグ不振脱却の道しるべとなるか

 サマンサタバサジャパンリミテッドは、バッグとジュエリーの計3ブランドを集積した新業態の1号店「サマンサタバサ 東京スカイツリータウン・ソラマチ店」を28日出店した。

 屋号は「サマンサタバサ(SAMANTHA THAVASA)」を冠するが、商品構成は主力バッグの「サマンサタバサ(以下、タバサ)」が5割、エントリー層向けの「サマンサベガ(SAMANTHA VEGA以下、ベガ)」が4割、ジュエリーの「サマンサティアラ(SAMANTHA TIARA以下、ティアラ)」が1割。白に統一した空間と什器に商品を円形に並べ、ブランドの垣根を越えて提案する。

カギは店舗の大型化とMDの差別化

 サマンサタバサジャパンリミテッドが直近の2月15日に発表した2023年2月期の連結業績予想は、純損益が20億円の赤字となる見通し。最終赤字は7期連続となる。低迷の原因は主力バッグの販売不振だ。

 ここから脱却すべく、昨年4月に就任した米田幸正社長の体制下での店舗・MDの改革が今秋冬以降に本格化する。既存店は、ブランドごとの年齢やテイストの垣根を取り払うべく、大型化・複数ブランドの集積化を進める。その足がかりとなるのがソラマチ店だ。同店は、従来は別々に存在していた「ベガ」と「ティアラ」の店舗を一つにした。今後はメンズの「サマンサキングズ(SAMANTHA KINGZ)」、小物の「サマンサタバサ プチチョイス(SAMANTHA THA VASA PETIT CHOISE)」を加えた、「さらなる大型店の出店も計画している」(同社広報)という。

 MD面では、ブランド同士の客の食い合いをなくすため、差別化を進める。「タバサ」は売れ行き不振から販売価格がジリジリと下がり、「ベガ」と同質化が進んできた。今後は、合成皮革を使う分平均単価が1万7000円と値ごろな「ベガ」に対し、「タバサ」は3万円台後半の本革バッグを強化する。

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NEWS 02

サザビーリーグがLA発「アウターノウン」を本格始動 “サステナビリティを牽引する存在になる”

 サザビーリーグは2022年に独占販売契約を締結した、米ロサンゼルス発のメンズ、ウィメンズブランド「OUTERKNOWN(アウターノウン)」を23年秋冬シーズンから本格始動する。これまで、「RHCロンハーマン(RHC RON HERMAN)」で取り扱ってきたものを、秋冬からセレクトショップなどへの卸し販売をスタートし、オンラインストア開設も計画している。

 同ブランドは、現役プロサーファーであるケリー・スレーター(Kelly Slater)が、15年にクリエイティブ・ディレクターのジョン・ムーア(John Moore)と共に設立し、企業理念のひとつに「アパレル界のサステナビリティを牽引する存在になる」ことを掲げている。西海岸のハッピーでリラックスしたムードをまといつつ、責任あるものつくりや労働環境・コミュニティ作りなどを実践する先進的なブランドだ。

 象徴的なアイテムはオーガニックコットン使いの“ブランケットシャツ”で、まさにブランケットを羽織るような着心地の良さと種類豊かなチェック柄が特徴。他にもオーガニックコットン×リサイクルポリエステルを使用したスエットのブルオーバーやパンツ、オーガニックコットン×リネンのきれいな色のジャンプスーツ、先進的なサステナブル経営で知られるベトナムのデニム工場サイテックス(SAITEX)で作ったジーンズなどカジュアルなアイテムが揃う。

 米国では、修理、再販のサービスにも力を入れており、補修を保障として行っているほか、独自のプラットフォームで愛着ある商品を販売・購入できるシステムを展開している。

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最新号の読みどころ

「クワイエット・ラグジュアリー」の静寂を破り、2026年春夏のウィメンズ市場に“カワイイ”が帰ってきました。しかし、大人がいま手に取るべきは、かつての「甘さ」をそのまま繰り返すことではありません。求めているのは、甘さに知性と物語を宿した、進化した“カワイイ”です。「WWDJAPAN」12月15日号は、「“カワイイ”エボリューション!」と題し、来る2026年春夏シーズンのウィメンズリアルトレンドを徹底特集します。