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餃子、スイーツと来ればファッション&ビューティも

 最近はスイーツだけじゃなく、餃子の無人販売店が増え、売り上げも順調と聞いています。餃子の無人販売店は、大昔(私世代?)の野菜の無人販売所のように、店舗にお金を入れる箱を設置して、代金を入れてもらう“性善説”に即した決済システムですが、万引き的な行為はそんなに多くないとも聞いています。日本人らしい、のかもしれません。ビューティならスキンケア、ファッションでも下着などは、無人販売もアリかもしれませんね。

「WWDJAPAN」編集長
村上 要
NEWS 01

帰宅時のスイーツ需要を狙う 駅に無人販売の冷蔵ショーケース

 大阪市高速電気軌道(大阪メトロ)は、地下鉄御堂筋線なんば駅の南北自由通路に、スイーツやグッズなどを週替わりで販売する直営店「メトロオーパス」の2号店を27日オープンした。売り場面積は約13平方メートルで、4月にオープンした1号店の梅田店の半分の広さ。なんば駅の乗降客数は約26万8000人(2021年度)だが、店舗前の通路が狭く、足速に歩く通行客が多い。店舗周りの装飾で目立つ工夫をするなどいかにして足を止めてもらうかにも注力した。

 マスクしたまま非接触で決済できるよう、梅田店で実施中のマスク対応顔認証決済の実証実験も行う。営業時間は11~22時(火曜日のみ20時まで)で来年3月28日まで。決済時間短縮による待ち時間の削減や利便性向上による来店頻度アップなどの効果を引き続き検証する。登録可能なクレジットカードにJCB、アメックス、ダイナース、ディスカバーが加わった。

 梅田店には非対面を可能とするキャッシュレス専用冷蔵自販機を導入したが、なんば店にはパナソニック産機システムズと協同でセルフレジ決済型冷蔵スマートショーケースを設置した。大阪メトロの小池唯リテール事業課係長は「自動販売機だと商品の見せ方がやや弱い。箱のサイズにも制約があるため、なんば店では商品が外からも見えるショーケースにした」と話す。セルフレジに交通系ICカードなどをかざすとショーケースの扉が開錠され、中から商品を取り出すことができる。決済はそのままセルフレジで行う。ショーケースの扉の開閉を制御することで閉め忘れの防止や営業時間外の自動施錠を行い、駅ナカにおける無人販売サービスの可能性を検証する。

 オープンから3カ月以上経過した梅田店の売上高は現在、目標を1割ほど上回る。当初は2割増で推移し、多いときには65万円を売る日もあったという。客単価は約1300円。「週替わりスイーツを手土産や自分へのご褒美として購入する方が多く、週末の夕方によく売れる。とくに帰宅時の利用が多く、18時以降の売り上げが全体の5割を占める」(小池係長)。

 NEC製マスク対応顔認証決済の利用率は金額ベースで約2%だが、想定数値よりも高いという。冷蔵自販機の方も売れる時間帯は17時以降で、店舗閉店後の22時がピークタイムとなる。朝のラッシュタイムの販売も試みたが、ほとんど売れなかった。「時間に余裕がないので、新しいものを試すことに抵抗があるのでは。客単価も店舗より低く、1000円を超えると売れにくいことが分かってきた」(小池係長)。

 8月2日までの販売商品は、大阪・八尾のフレンチレストランが手がけるタルト専門店「パティスリー ジュイール」のタルト8個入りセットなど。翌週以降は札幌の「プレッツェリア」、ドーナツ専門店「ドッツ」と続き、取引先は順調に広がっている。「出店する側にとっても梅田と難波はエリアとして魅力的。ブランドの露出という面でも『メトロオーパス』は出店者から評価されている」としている。

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NEWS 02

ZOZO、出荷単価大幅上昇 テナントが値引き抑制 22年4〜6月期

 ファッションECモール「ゾゾタウン(ZOZOTOWN)」を運営するZOZOの22年4〜6月決算は、商品取扱高(GMV)が前年同期比9.5%増の1279億円、営業利益が同13.7%増の143億円、経常利益が同14.1%増の142億円、純利益が同14.1%増の99億円だった。出店テナントであるアパレル企業が為替や物流などのコスト増を受けて値引き抑制に動いたことで、平均出荷単価は2.6%増の7699円、平均商品単価は1.8%増の3552円と大きく上昇した。商品単価と出荷単価は低価格ゾーンのブランドの出店増加に伴い、長らく下落傾向にあったが、久しぶりの反転になる。澤田宏太郎・社長兼CEOは「アパレル製品のコスト増の影響で7月以降も商品単価や出荷単価の上昇は続くと見られるが、過去のデータを見る限り、『ゾゾタウン』の流通額に大きな影響はない出ないと見ている」。

 出荷単価の上昇と物流拠点「ZOZOベース」の作業効率改善により、売上総利益率は0.2ポイント改善の9.3%、営業利益率(対商品取扱高)は0.5ポイント改善の12.3%に上昇した。

 主力の「ゾゾタウン」事業のGMVは同11.5%増の1010億円、急成長している「ペイペイモール」事業は同14.5%増の112億円となったものの、「ペイペイモール」は通期で3割近い増加を見込んでおり、計画を下回った。「期初の計画は変えず、7月以降に挽回する」(澤田社長)考え。
 
 また、アナリストからの質問に答える形で、急成長を続ける「シーイン(SHEIN)」についても言及し、「(シーインのことは)ウオッチをしており、どこをどう狙っているかをわれわれとしても理解しているつもりだ。中期的にはそれなりの脅威になると考えており、しっかりと手を打っていく」(澤田社長)。

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最新号の読みどころ

「WWDJAPAN」12月22日&29日合併号は、創業90周年を迎えた吉田カバン総力特集です。「ポーター(PORTER)」「ラゲッジレーベル(LUGGAGE LABEL)」「POTR」の3ブランドを擁し、日本を代表するカバンメーカー・吉田のモノ作りに迫ります。日本が誇る伝統技術を持つカバン職人たちと深い関係を築きながら、最先端の技術・素材を使い名だたるデザイナーズブランドとコラボレーションする相反した性質はどんな文脈から生まれているのでしょうか。