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再び炎上する“文化の盗用”問題

 忘れたころに炎上するのが、“文化の盗用”問題です。今回は「ディオール」のスカートが、中国の明時代の衣服に似ていると、中国のネットユーザーに指摘されているようです。現時点で同ブランドがコメントを出しておらず真相は分かりませんが、2022年ウィメンズ・フォール・コレクションは個人的にとても好きなシーズンなので、こういうかたちで話題になるのはちょっと複雑。いずれにせよ、「ディオール」がどのようなコメントを出すのか注目です。

大塚 千践
NEWS 01

「ディオール」が中国ネット界で炎上 「制服に着想した」スカートが中国の伝統衣装に酷似と批判

 「ディオール(DIOR)」が2022年ウィメンズ・フォール・コレクションで披露したミドル丈のスカートが、中国の明時代の伝統的な衣服に似ていると中国のネットユーザーの間で物議を醸している。

 漢服愛好家の間で「ディオール」のスカートが明時代に流行したマミアンスカートに酷似していると話題になり、ウェイボー(微博、WEIBO)では、“Dior plagiarism(ディオールが盗作)”というハッシュタグが一時ホットサーチリストに入り、1370万回クリックされたという。

 他方、21年12月にコレクションが公開され、4月に店舗での販売開始と同時にソウルでショーを披露した当時、マリア・グラツィア・キウリ(Maria Grazia Chiuri)=アーティスティック・ディレクターは、同コレクションは創業者クリスチャン・ディオール(Christian Dior)の妹、キャサリン(Catherine)へのトリビュートであり、制服、特に学校のユニホームにインスピレーションを受けたと説明している。

 「ディオール」のスカートは香港版のECサイトでは「売り切れ」と表示され、中国本土版のECサイトでは掲載が確認できなかった。米「WWD」によると、「ディオール」からのコメントは得られなかったという。

 中国のネットユーザーの中には「ディオール」を擁護する声もあるが、女性が乗馬しやすいようにデザインされたマミアンスカートと同じ構造だと主張する声も多い。国営メディアの人民日報オンラインの論説欄は、「ディオール」にコメントを求める記事を掲載。「営業秘密を明かさない範囲で、『ディオール』はスカートのデザインプロセスについて可能な限り率直に説明するべきだ」「業界関係者や著作権の専門家も議論に加わった。これは、盗作、デザインの参照、そして敬意を払うことの境界を見極めるチャンスになり得る」と発信している。

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NEWS 02

「オーサム ストア」が原宿表参道店を閉店 旗艦店と本社の拠点を集約

 「オーサム ストア(AWESOME STORE)」は原宿表参道店を8月11日に閉店する。同店舗は2014年に誕生したブランドにとっての1号店だった。今後は、渋谷にある旗艦店 オーサム ストア トウキョウの事業に集中し、オーサム本社の拠点も集約するという。

 「オーサムストア」はインテリア雑貨やキッチンアイテムなどを扱うライフスタイルショップ。

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最新号の読みどころ

「WWDJAPAN」12月22日&29日合併号は、創業90周年を迎えた吉田カバン総力特集です。「ポーター(PORTER)」「ラゲッジレーベル(LUGGAGE LABEL)」「POTR」の3ブランドを擁し、日本を代表するカバンメーカー・吉田のモノ作りに迫ります。日本が誇る伝統技術を持つカバン職人たちと深い関係を築きながら、最先端の技術・素材を使い名だたるデザイナーズブランドとコラボレーションする相反した性質はどんな文脈から生まれているのでしょうか。