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エヴァコラボも「アンダーカバー」らしく
「アンダーカバー」のエヴァンゲリオンコラボ、胸アツでした。
エヴァンゲリオンとのコラボレーションは、ロボット兵器のエヴァンゲリオンや、それに搭乗するパイロットの碇シンジや綾波レイを描きがちですが、アンダーカバーは、彼らが戦う使徒にもフォーカス。グロテスクな使徒「サハクィエル」までカーディガンにのせてしまうのは、ダークファンタジーを得意とするアンダーカバーらしいところ。14歳のパイロットたちのナイーブな心のうちにも迫り、らしさ全開でした。
東京での発表に、東京らしくも世界基準のアニメ、第三新東京市が舞台のアニメとの協業。パリコレだけが唯一の頂点じゃないな、と改めて思うのでした。
「アンダーカバー」のリアルショーでサプライズ 東コレにまさかの“使徒襲来”
「アンダーカバー(UNDERCOVER)」が、19年ぶりの東京での単独ランウエイショーを寺田倉庫で開催した。「楽天 ファッション ウィーク東京(Rakuten Fashion Week TOKYO)」の冠スポンサー、楽天の支援プロジェクト「バイアール(by R)」の一環で、顧客を中心とした第1部と、メディアやバイヤーを招待した第2部に分けて行った。第2部の様子は公式サイトなどで生配信した。
メンズは「エヴァ」がモチーフ
突き抜けた世界観
ショーはメンズとウィメンズに分けて発表した。メンズは事前にルックで公開したアイテムではなく、「新世紀エヴァンゲリオン」をモチーフにしたスタイルを披露。人類を襲う生命体「使徒」と、それに対抗するために生み出された人造人間「エヴァンゲリオン」を、グラフィックや総柄、アイテムの組み合わせなど多用な手法で表現した。例えば、目が光るヘッドピースにハイネックコート、細身のパンツというスタイリングで綾波レイが操る「エヴァ零号機」を表現したり、紫と緑のカラーブロックを用いたパフジャケットは主人公が操縦する「エヴァ初号機」だったり、他にアスカを思わせるスタイルも登場。作中で「エヴァ」操縦士が付ける耳型のヘッドピースをはじめ、アクセサリー1つ1つにも世界観を詰め込んだ。壁にはアニメのワンシーンを投影し、使徒の襲来を想起させる轟音を響かせるなど、演出と洋服が一体となり、作品のファンならずとも没入してしまうショーを作り上げた。
ウィメンズの
毒々しい生命力
ウィメンズは、トム・ヨーク(Thom Yorke)がミックスした音楽を背に、ニットにワイドパンツ、ピンヒールを合わせたシンプルなルックでスタート。ニットには神や天使といった宗教関連のモチーフも採用し、意味深なムードを作り上げる。そこからショートブルゾンとフード付きのベスト、ロングジャケットなどをレイヤードしたカウボーイルックや、ベロアジャケットにフリルシャツを合わせたバースタイルなど、レトロなムードが続く。時おり透明のビニールパーツを差し込んで、フューチャリスティックなテイストも加えた。最後には、大きなフリルを腰にあしらったワンピースや、無数のフリルをつけて超ボリューミーにしたドレスなど、生命力溢れる服を連打する。目元には仮面のようなラメを付けたり、小さな蝶々や蛾などを散りばめた総柄のジャンプスーツを挟んだりと、同ブランドらしい毒っ気も盛り込まれていた。
ショー終了後の会場では、「まさかのエヴァだったね」「あれって販売するのかな?」「ウィメンズもすごく可愛かった」「見に来れてよかった!」と熱い感情を共有しあう来場者ばかりだった。高橋盾デザイナーの「東京でやるからには、“生”のショーの楽しさ、パワーを伝えたい」というコメントの通り、東京でしか起こせないインパクトを見せつけられた。デジタル発表によってリアルショーの価値が揺らいでいるのは事実だが、リアルの可能性を信じるデザイナーがいる限りは、ファッションショーの楽しさは進化していく。
「ジョンマスターオーガニック」がエヴァンゲリオンとコラボした限定キットを発売
「ジョンマスターオーガニック(JOHN MASTERS ORGANICS)」は3月25日、人気アニメ「新世紀エヴァンゲリオン」とコラボレーションしたキットを数量限定で発売する。ブランドの代表製品に加え、闇夜に潜むエヴァンゲリオン初号機をデザインしたハンドリフレッシュナーをセットしたトートバッグキット(全2色、各8500円)とサコッシュキット(全2色、各7500円)を展開する。
トートバッグとサコッシュには、「ジョンマスターオーガニック」のロゴとエヴァンゲリオン初号機をプリントした。ティーツリーやユーカリ、レモンなどの精油や自然由来の成分を配合し、肌に潤いを与える「EVA-01ハンドリフレッシュナー」や、乾燥やダメージなどを補修するシャンプー&コンディショナーのミニサイズ、オリーブ果実油やミツロウなどを配合したリップカームを同梱する。
コラボデザインは、2008年にスタートしたプロジェクト「ラヂオエヴァ (RADIOEVA)」のグラフィックを使用。“日常に溶け込むエヴァンゲリオン”がコンセプトの同プロジェクトは、洋服やバッグ、インテリア、自転車などさまざまなジャンルのアイテムを通して、「新世紀エヴァンゲリオン」の新たな表現方法を発信している。
「WWDJAPAN」12月22日&29日合併号は、創業90周年を迎えた吉田カバン総力特集です。「ポーター(PORTER)」「ラゲッジレーベル(LUGGAGE LABEL)」「POTR」の3ブランドを擁し、日本を代表するカバンメーカー・吉田のモノ作りに迫ります。日本が誇る伝統技術を持つカバン職人たちと深い関係を築きながら、最先端の技術・素材を使い名だたるデザイナーズブランドとコラボレーションする相反した性質はどんな文脈から生まれているのでしょうか。