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個性豊かなOEMがブランドの参画を促す

 さまざまなブランドからビューティ・ラインが誕生しているのは、国内にあるOEMメーカーの賜物ですね。あるOEMメーカーはスキンケアの成分研究を続け、別のメーカーは手ごろ&キャッチーなカラーコスメのため韓国での生産背景を確立など、OEMメーカーもイロイロです。

そこに、いろんなブランドが参画するから、さらに多様なビューティ・ブランドが誕生しています。「ほぼ日」は、まずは道具なのですね。日記などが大ヒットしている「ほぼ日」らしく、むしろいきなりカラーコスメだったら「ナゼ?」と思っていたかもしれません。とはいえ「真紅」を意味するブランド名を付すあたり、最終目標はカラーコスメなのでしょう。

 ファッションには、こんなにバリエーション豊かなOEM企業と、ゆえにさまざまなブランドが参画する風土が揃っているのでしょうか?

「WWDJAPAN」編集長
村上 要
NEWS 01

ほぼ日からトータルビューティブランド「シンクー」がデビュー 第1弾は鏡・ブラシ・お香

 コピーライターの糸井重里が代表を務めるほぼ日は2月24日、岡田いずみヘアメイクアップアーティストがディレクションするトータルビューティブランド「シンクー(SHIN;KUU)」を立ち上げる。デビューコレクションは、鏡やブラシセット、マッチ型お香スティックブランド「ヒビ(HIBI)」とコラボしたお香セットの3製品をラインアップする。同日11時に「ほぼ日ストア」内で販売を開始し、ほぼ日が運営するギャラリー兼ショップのTOBICHI(とびち)東京では25日から取り扱う。

 ブランド名の「シンクー」は、“美しさやすこやかさの根源”である「真紅(しんく)」に由来し、深く呼吸をするような響きやイメージが込められている。五感を満たす“スキンケア”、“メイク”、“道具”の3カテゴリーをメーンとした商品開発に加え、ウェブコンテンツなどを用意する。

 デビューコレクションは、肌やメイクに向き合う環境を気持ちよく整えてくれる“道具”に着目した3アイテムをそろえる。高さや角度を調整できる鏡の“しぐさミラー”(2万1000円)は、台座から取り外して手鏡としても使用可能だ。楕円形のフォルムと、真ちゅうと国産のブナ材を組み合わせたデザインが特徴的。熊野筆を採用した“ゆびブラシセット”(1万3500円)は、中指・薬指・小指を模した3サイズのブラシをそろえる。「ヒビ」とコラボしたお香セット“10MINUTES AROMA CANISTER”(5000円)は、ひのきとティートゥリーの2種の香りのスティックを各30本セットする。パッケージデザインは、日本デザインセンター三澤デザイン研究室の三澤遥アートディレクターと、佐々木耕平デザイナーが手掛けた。

 今春以降、スキンケアを順次展開する予定だ。

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NEWS 02

「イソップ」×「レイバーン」のハンドケア入りポーチが発売 ポーチの作り方も無料で公開

 「イソップ(AESOP)」はイギリスのサステナブルファッションブランド「クリストファー レイバーン(CHRISTOPHER RAEBURN)」とコラボレーションし、外出先でも簡単にハンドケアができる携帯ポーチを3月8日に発売する。全て手作業で作られている“アドベンチャラー ロールアップ”(6350円)はリサイクルコットンを80%使用。アルコール成分配合のハンドジェル“リンスフリー ハンドウォッシュ”、ハンドバーム “レスレクション ハンドバーム”、新製品のアルコール成分配合のミスト“レスレクション エクスペディエント ハンドミスト”のハンドケア製品3種類を収納できるようになっている。

 ロンドンを拠点にする「クリストファー レイバーン」は軍服やパラシュートなどを素材を再利用したモノづくりで知られており、サステナビリティやエシカルな取り組みに注力している。今回のコラボも、「イソップ」がそんなモノづくりに共感したから生まれたものだという。デザイナーのクリストファー・レイバーン(Christopher Raeburn)は「われわれはリメイク、リサイクル、リデュースを軸に、クラフト、クリエイティビティー、コミュニティーを大切にしている」と説明する。その一例に、消費者を巻き込んだ有料ワークショップを挙げた。スタジオで余った布を使ってぬいぐるみを作るワークショップで、収益の一部を世界自然保護基金に寄付していた。しかしロックダウンでワークショップが開催できなくなると「少しでもコミュニティーに還元できることをしたいと思い、自宅でも簡単にぬいぐるみを作れるように、パターンや作り方を無料で提供した。そうしたら、世界中からいろんな人が各々の生地で作ったぬいぐるみの投稿が集まった」と振り返る。

 今回のコラボにおいても、“アドベンチャラー ロールアップ”のポーチ作り方を無料で消費者に提供する。パターンをダウンロードできるほか、ハウツー動画で作り方も学ぶことができる。「誰もが参加できるようなプロジェクトも一緒に立ち上げたい、ということを話していたんだ。サステナビリティはインクルーシブでもあるべきだからね」。簡単に作れるように、“アドベンチャラー ロールアップ”はあえてシンプルな作りにしているという。「ボタンやチャックなど金具を一切使っていない。リサイクルのしやすさも考慮しているんだ」。

 また、通常盤のネイビーのポーチに加え、3月1日には1960年代の地図を再利用したデザインも300個限定で販売する(日本は香港の「ハイプビースト(HYPEBEAST)」ECストアから購入が可能)。「素材は、1960年代に実際に使われていた航海用海図なんだ。濡れても丈夫な素材なので、リメイクにぴったりだと思ったよ。(パンデミックで)旅になかなか行けない中、“アドベンチャー”をほうふつさせるアイテムにしたかった」。地図はボルネオやアラル海にフォーカスしており、それも一つのこだわりだという。「ボルネオは森林破壊が問題視されており、アラル海は過剰農業で縮小している。環境破壊へのアウェアネス(問題意識)を高めたいという思いも込めているんだ」とクリストファー。「われわれは従来だったら捨てられるような素材やアイテムをリメイクし、“第2の人生”を与えているんだ。“アドベンチャラー ロールアップ”もハンドケアアイテムを使い終わったら、自由に使えるように設計している。いろんな楽しみ方をして欲しい」。

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最新号の読みどころ

「クワイエット・ラグジュアリー」の静寂を破り、2026年春夏のウィメンズ市場に“カワイイ”が帰ってきました。しかし、大人がいま手に取るべきは、かつての「甘さ」をそのまま繰り返すことではありません。求めているのは、甘さに知性と物語を宿した、進化した“カワイイ”です。「WWDJAPAN」12月15日号は、「“カワイイ”エボリューション!」と題し、来る2026年春夏シーズンのウィメンズリアルトレンドを徹底特集します。