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魅力的なメイクブランドとは?

大手化粧品企業の2025年度業績発表が相次いでいます。昨日はコーセーが決算を発表しました。主力ブランドの「コスメデコルテ」は、国内で3年連続となる過去最高売り上げを更新。また、「ソフティモ」などを展開するコーセーコスメポートも過去最高売り上げを記録し、スキンケア領域の堅調さが際立つ内容となりました。

一方で、メイクアップは課題が残る結果に。小林一俊コーセーホールディングス社長は、「アディクション」「ジルスチュアート ビューティ」「ヴィセ」について、「尖ったブランドでありながら無難な商品が増えた」と振り返ります。さらに、「突き詰めると企画担当者の能力」と踏み込み、商品開発面での課題にも言及しています。もっとも、体制は徐々に整いつつあるとのこと。

競争が一段も二段も激しさを増すメイクアップ市場。ここからどんな一手を打っていくのでしょうか。

「WWDJAPAN」副編集長
新関 瑠里
NEWS 01

「コスメデコルテ」3期連続で過去最高売上高を更新 コーセーの25年12月期は増収増益

コーセーの2025年12月期連結業績は、売上高が前年比2.3%増(為替影響を除くと同2.6%増)の3301億円、営業利益が同6.3%増の184億円、純利益が2倍の151億円だった。主力のコーセー事業、アルビオン事業、コーセーコスメポート事業が伸長。タルト事業とアルビオン事業での減益をコーセー事業の収益性改善が打ち消し、増収増益となった。

主力の化粧品事業は、売上高が同2.7%増の2623億円、営業利益が同11.4%増の167億円だった。「コスメデコルテ(DECORTE)」やアルビオン事業の主要ブランドが売り上げを伸長し、「パンピューリ(PANPURI)」の上乗せが増収に寄与。「ワンバイコーセー(ONE BY KOSE)」の大幅増収と「雪肌精(SEKKISEI)」の海外売り上げの好調も後押しし、前期を上回った。営業利益は中国本土の黒字転換と販管費抑制が寄与し、増益を確保した。

「コスメデコルテ」は日本で3期連続の過去最高売り上げを更新。“AQ 毛穴美容液オイル”と“ユース パワー エッセンス ローション”のヒットが貢献した。アルビオン事業は「アルビオン(ALBION)」のエクシアシリーズが内需を捉え、売り上げを押し上げた。一方、「エレガンス(ELEGANCE)」は一部製品の価格改定の駆け込み需要の反動やインバウンド需要が減少し、減収となった。「雪肌精(SEKKISEI)」はクラッシックシリーズからの移行に伴う減収や一部シリーズの販売終了が影響し、苦戦した。「ワンバイコーセー」は新製品が貢献し、大幅増収となった。

コスメタリー事業は、売上高が同0.3%減の644億円、営業利益が同10.4%減の62億円だった。コーセー事業のセルフメイクアップブランドの苦戦が響いた。一方で、「メイクキープ」のヒットや、コーセーコスメポート事業が過去最高売上高を更新し、一定の下支えとなった。営業利益は、コーセーコスメポート事業は前期並みを維持したが、「ヴィセ(VISEE)」などのメイクアップブランドの減収による粗利減を相殺するには至らず、減益となった。

地域別では、日本が同1.9%増、アジアが同8.6%増、北米他が同並(同1.2%増)と、日本およびアジアで増収となった。アジアは、同社主導の出荷抑制を実施した免税チャネルは減収となった。一方で、中国本土の増収と新規連結対象となったパンピューリ事業の売り上げの上乗せにより、地域全体では前年の実績を上回った。北米は、タルトが現地通貨ベースで前期並みを維持。雪肌精の北米の大型リテーラーへの売り上げ伸長も貢献した。

同社は26年1月に完全持株会社体制へ移行した。事業別運営からグループ横断でのシナジー創出に舵を切り、収益性および効率性を中長期的に高める。コーセーホールディングスの小林一俊社長は、「26年はホールディングスのシナジーが顕在化する年」と期待を込め、澁澤宏一常務は「守りと攻めの改革を同時に進める」と意気込み、売り上げ拡大と収益構造の見直しに注力する。

これらの取り組みを踏まえ、26年12月期連結業績予想は、売上高が前年比6.0%増の3500億円、営業利益は同8.3%増の200億円、純利益が同19.9%減の121億円を見込む。

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NEWS 02

コティ上半期決算は赤字転落、暫定CEOの下で再建戦略を発表 業績回復が急務に

フレグランス大手コティ(COTY)の2026年6月期上半期(25年7〜12月)決算は、純損益が前年同期の1億ドル(約155億円)の黒字から6230万ドル(約96億円)の赤字に転落した。売上高は前年同期比3%減の32億ドル(約4960億円)、営業利益は同34.1%減の3億3320万ドル(約516億円)となり、営業利益率は前年同期の15.1%から10.2%に低下した。

部門別では、プレステージ部門の売上高が同1%減の22億ドル(約3410億円)と小幅な減少にとどまった一方、コンシューマービューティ部門は同5%減の10億ドル(約1550億円)と低迷した。なお、調整後営業利益は同19%減の5億1480万ドル(約797億円)、調整後EBITDA(利払い前・税引き前・減価償却前利益)は同17%減の6億2630万ドル(約970億円)だった。

暫定CEO体制下で再建フェーズへ

スー・ナビ(Sue Nabi)最高経営責任者(CEO)の後任として、1月1日付で暫定CEOに就任したマーカス・ストローベル(Markus Strobel)=エグゼクティブ・チェアマン兼暫定CEOは、最新の決算内容とともに再建に向けた戦略を発表した。同氏は、同社の立て直しにはまだ多くの課題が残されていると強調した。

ストローベル暫定CEOは、「コティには強力なブランド群、業界トップ水準のフレグランス開発力、垂直統合型のビジネスモデルといった数多くの強みがある。一方で、過去1年半の財務パフォーマンスは期待を下回るものであり、現在の株価はその現実を反映している」と語った。

こうした状況を受け、エスティ ローダー カンパニーズ(ESTEE LAUDER COMPANIES)の再建戦略「ビューティ・リイマジンド(Beauty Reimagined)」になぞらえ、コティは「コティ・キュレーテッド(Coty Curated)」を発表。重点領域の明確化、投資の集中、実行力の改善、主力事業への支援強化を柱とし、立て直しを図る。

さらにストローベル暫定CEOは、「株主価値の向上に向けて、ポートフォリオの見直しを継続している。同時に、他の価値創出施策も検討している」と述べた。

コティは現在、マス向けカラーメイクアップ事業およびブラジル事業を戦略的見直しの対象としている。25年12月には、ウエラカンパニー(WELLA COMPANY以下、ウエラ)の残り25.8%の株式持ち分を投資会社KKRに売却した。ロイター通信によると、KKRは「クレイロール(CLAIROL)」「OPI」「GHD」などを展開するウエラの米国上場を、早ければ26年中にも検討しているという。関係者の話として、同社の企業価値はKKRが支払った43億ドル(約6665億円)を大きく上回る可能性があると報じている。

コティは「複雑なビューティ市場環境と経営陣の移行期」を理由に、EBITDAについての26年度通期見通しを撤回し、第3四半期のみの業績見通しを提示した。第3四半期の既存店ベース売上高は、主にコンシューマービューティ部門の販売動向の弱含みを背景に、1ケタ台半ばの減少率になると見込んでいる。

本文中の円換算レート:1ドル=155円

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