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復活して、今からどうにかなるのでしょうか?
それぞれの企業の取り組みについて、私なんかがとやかく言うものではないですが、「デレク ラム」が復活して、今からどうにかなるのでしょうか?
以前、創業デザイナーが組織を去ってなお「アレッサンドロ デラクア」というブランドが続いていて驚いた記憶があります。その服は、創業デザイナーのクリエイションを希釈したモノでした。もちろんマーケットが変われば違う展開もあるのかもしれませんが、個人的には成功の可能性を見出すことはできませんでした。今回も、二の舞になりかねません。
でも、会社は「デレク ラム」というIPに価値を感じているワケですよね?その感覚は日本とアメリカでは異なるのかもしれませんが、「IPってスゴイな」とか「『デレク ラム』ってどのくらいスゴかったのかな?」や「逆に『ロバート ロドリゲス』というブランドに価値を見出すことはできなかったのかな?」、最終的には「ブランドって、なんだろう?」と感じずにはいられないニュースでした。
「デレク ラム」が6年ぶりに復活 ロバート・ロドリゲスがクリエイティブ・ディレクターに就任
米アパレル企業パブリック・クロージング・カンパニー(PUBLIC CLOTHING COMPANY以下、PCC)は、傘下に持つ「デレク ラム 10クロスビー(DEREK LAM 10 CROSBY)」のメーンブランドで2019年に終了した「デレク ラム(DEREK LAM)」を復活することを発表した。また、両ブランドのクリエイティブ・ディレクターとして、ロバート・ロドリゲス(Robert Rodriguez)「ロバート ロドリゲス(ROBERT RODRIGUEZ)」創業デザイナーを任命した。同氏による「デレク ラム」のデビューコレクションは、2026年2月のニューヨーク・ファッション・ウイーク中に披露する予定。
ダン・シャムダサニ(Dan Shamdasani)PCC創業者兼CEOは、「ロバートはクリエイティビティーと商業性のバランス感覚に優れている。経営面でも体制が整い、グローバルなリーチを持つモダンなアメリカブランドである『デレク ラム』を次の段階へと押し上げる準備ができた」と語った。
紆余曲折が続いた「デレク ラム」
「デレク ラム」は、デザイナーのデレク・ラム(Derek Lam)とヤン・ヘンドリック・シュロットマン(Jan Hendrik-Schlottmann)最高経営責任者(CEO)が03年にニューヨークで設立。11年にはディフュージョンラインの「デレク ラム 10クロスビー」を立ち上げた。14年には、ブランドの親会社デレク ラム・インターナショナル(DEREK LAM INTERNATIONAL)の少数株式を米投資会社サンドブリッジ・キャピタル(SANDBRIDGE CAPITAL)に売却。19年7月には、売り上げの70%を占める「デレク ラム 10クロスビー」に集中するため、コレクション事業の「デレク ラム」を終了した。20年には、現在の親会社であるPCCが買収。これに伴い、サンドブリッジ・キャピタルとシュロットマンCEOはそれぞれの持分を手放し、ラム創業デザイナーはチーフ・クリエイティブ・オフィサーに就任した。しかし、同氏は23年にブランドを離れ、24年にイタリアのブランド「カラス ミラノ(CALLAS MILANO)」のクリエイティブ・ディレクターに就任している。なお「デレク ラム 10クロスビー」は、23年から24年までケイト・ウォレス前クリエイティブ・ディレクターが率いた。
ロドリゲス新クリエイティブ・デザイナーの経歴
ロドリゲス新クリエイティブ・デザイナーはキューバ出身で、5歳の時に米国に移住。ニューヨーク州立ファッション工科大学(FIT)を卒業後、「クリスチャン・ディオール(CHRISTIAN DIOR)」(当時)などでキャリアを積み、03年に「ロバート ロドリゲス」を設立した。その後、同ブランドは10年には米アパレル会社ジョーンズ・アパレル・グループ(JONES APPAREL GROUP)に、14年には米投資会社シカモア・パートナーズ(SYCAMORE PARTNERS)に買収された。しかし、20年にブランドを買い戻し、米デニムウエア会社ワン・ジーンズウエア・グループ(ONE JEANSWEAR GROUP)と提携してリローンチ。25年春夏シーズンには、デニムを中心としたコレクションを発表している。
「カリマー」大幅拡大へ アンドエスティHDの新領域を背負って立つ
英アウトドアブランド「カリマー(KARRIMOR)」の日本事業を担うカリマーインターナショナルは、直営店事業に乗り出す。2027年に路面の直営店を出すのを皮切りに主要都市に5年内に5店舗の体制を目指す。現状ではアウトドア専門店への卸売りが8割以上を占めるが、これを卸売り4割、直営店3割、オンライン3割の構成に移行していく。売上高は5年後に現在の5倍規模に持っていく考えだ。
今年3月31日付でアンドエスティHD(当時アダストリア)と伊藤忠商事が、カリマーインターナショナルの株式を共同取得した。栄木雅人社長をはじめアンドエスティHDから人材が送り込まれ、成長基盤を整えている最中だ。栄木社長は「『カリマー』は伸び代が大きい。現在はバックパックが売り上げの7割だが、直営店の展開を前提にアパレルや雑貨のトータル化を進める」と話す。80年の歴史を持ち、登山家に愛されてきた機能的なバックパックを軸にしながらライフスタイルにも事業領域を広げる。
親会社のアンドエスティHDは、旧体制では十分な投資ができなかった店舗開発やマーケティングを支援する。アンドエスティHDが運営する会員数2070万人(9月末時点)のECプラットフォーム「アンドエスティ」も活用する。
新体制での初コレクションとなる26-27年秋冬物では、アパレルの品番数を1.5倍にした。「アンドエスティHD傘下になったことで、ファッション化が進むと考える向きもあるようだが全く違う。あくまでコアなアウトドアファンに向けたモノ作りを推進する」と栄木社長は話す。「カリマー」のアパレルはバックパックとの相性を前提に企画されており、背負った際の引っ掛かりや通気性など細部まで配慮している。現在バックパックとアパレルその他の割合は7対3だが、トータル化によっていずれは4対6へと逆転させる。
カリマーインターナショナルでは、米シアトル生まれでボトルやタンブラーを主力とする「ミアー」の販売を26年春から始める。保温・保冷機能のあるボトルは、アウトドアとの親和性が良いと考えた。エコ意識の高まりによって普段からボトルを持ち歩く人が増えている。デザイン性にも優れたボトルは、幅広い人々にアプローチできる。「ミアー」はブルーボトルコーヒーをはじめ、さまざまな企業とのコラボレーションでも引っ張りだこだ。26年中にアパレルコレクションを出す計画もある。
これまでアンドエスティHDは、「グローバルワーク」「ニコアンド」「ローリーズファーム」をはじめとしたファッション領域で成長していた。ブランドのポートフォリオでは、スポーツやアウトドア領域は空白だった。「カリマー」のような本格的なアウトドアブランドを取り入れ、接点のなかった顧客の獲得を狙う。アンドエスティHDはスポーツやアウトドア領域を成長市場と見定め、今後もブランド獲得に動く。
3月30日発売の「WWDJAPAN」は、2026-27年秋冬東京コレクションの特集です。他にも「バーバリー」のジョシュア・シュルマンCEOや、そごう・西武の田口広人・社長へのインタビューを掲載。エスティ ローダーとプーチが合併協議など話題を豊富に収めています。