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百貨店の一等地に「アークテリクス」

きょう30日にオープンする東武百貨店池袋店の「アークテリクス」は、百貨店内のスポーツ店舗とは思えない広い空間と贅沢な演出に驚きました。上層部のスポーツ売り場ではなく、1階の「グッチ」や「ボッテガ・ヴェネタ」の並びというのも“別格さ”を感じさせます。プレミアムスポーツブランドを標榜する「アークテリクス」には最適の立地でしょう。

代表的アイテムであるシェルジャケットは、スーツの上の着るビジネスマンをよく見かけるようになりました。以前であればステンカラーコートやトレンチコートのポジションに、アウトドアブランドのアウターが収まっています。

「WWDJAPAN」副編集長
林 芳樹
NEWS 01

「アークテリクス」百貨店の外商客にも的 最大規模店を池袋東武に出店

アメアスポーツジャパンのアウトドアブランド「アークテリクス(ARC'TERYX)」は、東武百貨店池袋店(豊島区)に30日に開く直営店を関係者に公開した。売り場面積は528平方メートルで国内最大規模。ブランドストアとしては珍しい百貨店への出店によって、池袋沿線の消費者、とりわけ百貨店の外商客を取り込む。

店名は「アークテリクス 池袋東武ブランドストア」。東武百貨店池袋店1階の「ギャップ」跡地(「ギャップ」は1・2階で営業していたが、2階に集約)に立地する。周囲に「グッチ」や「ボッテガ・ヴェネタ」などの高級ブランドが並ぶ場所だ。1フロアにアパレルからシューズ、バックパックなどをフルラインナップで並べるとともに、さまざまなイベントを開くコミュニティスペース、国内で3店舗目となる製品修理やケアの窓口「リバード サービスセンター」を置く。

椅子やテーブルを常設するコミュニティースペースは、普段はくつろぎながら接客し、定期的に登山家などを招いてワークショップを開く。「リバード サービスセンター」は破損した服やギアの修理をしたり、ケアの相談を受けたり、奥にある最新鋭の洗濯・乾燥機で預かったウエアをクリーニングしたりできる。「アークテリクス」でブランドヘッドを務める高木賢氏は「東武百貨店と話し合い、物販だけでなく、コミュニティーやカルチャーの拠点になる店舗を目指した」と説明する。

アウトドアアクティビティーに伸び代

「アークテリクス」は成長が続いている。日本国内の売上高は公開していないが、コロナ前の2019年に比べて25年は2倍以上の規模に成長したという。主力のシェルジャケットだけでなく、最近はバックパックやシューズが人気を集める。「昨年は(計画以上に売れたため)アウターの供給が間に合わず、品不足でお客さまに迷惑をかけてしまった。今年はグローバルの供給網を活用して安定供給できたため、売り上げも順調に伸びている」と高木氏は話す。

大都市の路面一等地や人気の商業施設に出店するブランドストアは、東武百貨店池袋店を含めて全国に18店舗あり、ブランドの世界観を伝える役割を果たしている。ブランドストアの訪日客の購買比率は、場所にもよるが平均しても約6割と高い。ジャケットの平均販売価格は7万円弱。訪日客にとってはハイブランドほど高くはないため、安定して売れている。

今後の課題はアウトドアアクティビティーを楽しむ国内客をもっと開拓することだ。無駄を削ぎ落としたミニマルな機能美で支持を集めるが、約8割が普段着やファッションとして買い求めるという。登山やスキー、キャンプといった実際にアウトドアアクティビティーを行う人たちの伸び代が大きいと見る。

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NEWS 02

「ビューティの東京」構想、アイスタイルが旗振り役に 日本のビューティ産業の底上げへ

アイスタイルは11月19〜25日の期間、原宿・表参道エリアで新たな大型ビューティイベント「東京ビューティウイーク(Tokyo Beauty Week)」を初開催する。国内外の約50のビューティブランドが参画し、同エリアのファッションのセレクトショップや商業施設、商店会、美容専門学校など多様なステークホルダーが協働する。

同イベントの目的は「次の時代のビューティカルチャーを世界に発信する」ことにある。「ファッションのパリ」にならい「ビューティの東京」を確立する構想のもと、アイスタイルが旗振り役となり、日本のビューティ産業の底上げを目指す。

プラットフォームの“外”で新たな接点をつくる

アイスタイルは、中長期成長の基盤形成を進めるために「“アットコスメ外”での出会いを生み出すこと」をテーマの1つとして掲げている。同社はこれまで、メディア「アットコスメ」、EC「アットコスメショッピング」、実店舗「アットコスメストア」を中核に、多くの生活者とビューティブランドをつなぐプラットフォームを構築してきた。

しかし、ソーシャルなどの情報接点が急速に広がる中、生活者とブランドをつなぐ場は従来の枠を超えつつあるという。遠藤宗アイスタイル社長は、「これからのアイスタイルは、従来のプラットフォームの枠にとらわれず、イベントやSNS、AIエージェントなど多面的な接点を通じて“出会い”を再設計していく」と話す。今回の「東京ビューティウイーク」は、その第一歩として位置づけている。

同イベントの特徴は、ブランド・メディア・行政・商店会・教育機関など、多様なステークホルダーが協働する“共創型”の構造にある。渋谷区や原宿表参道櫸会、原宿竹下通り商店会、穏田キャットストリート商店会などが後援するほか、「ヴォーチェ(VOCE)」「美的」「マキア(MAQUIA)」など複数のメディアパートナーや、ヘア&メイクアップアーティストの冨沢ノボルやイガリシノブなどのクリエイターが参画。また、ベル・エポック美容専門学校などの学生も関わり、「東京発のビューティカルチャー」をともに創り上げる。

「ファッションのパリ」にならい、「ビューティの東京」を世界へ

プロジェクトの根底にあるのは「ファッションのパリ」ならぬ、「ビューティの東京」という構想だ。

遠藤社長は「東京は、外資ラグジュアリーコスメやクオリティーの高い日本コスメ、中国や韓国コスメなど世界中のビューティブランドが集積している。流通チャネルも多岐にわたり、世界から評価されている。アイスタイルとしては、この特性を最大限に生かし、東京を“ビューティの聖地”として世界に発信していきたい」と意気込む。

大木秀晃アイスタイル執行役員CCOは、「パリが一朝一夕でファッションの都になったわけではない。10年かけてでも、“ビューティの東京”を作り上げていきたいという強い意志を持っている」と語り、長期的な視点で取り組む姿勢を示した。

一方で、日本における“ビューティ”の位置づけについても言及した。遠藤社長は、「これまで日本では、ビューティは重要なコンテンツとして十分に認識されてこなかった。しかしここ最近は、政府内でもビューティを日本の重要な技術・産業の一つとして捉えようという動きが出てきている」と述べる。

そのうえで、「僕らが関わりながら、日本におけるビューティを社会的にも意義のある産業として確立するには、業界全体で取り組みを進めていく必要がある」と強調する。

「自分らしい美」を探るイベント

「東京ビューティウイーク」では、原宿・表参道・キャットストリート周辺の約10会場で多様な体験プログラムを展開する。メイン会場となる「東京ビューティスタジオ」では、来場者が「自分らしい美」を見つけるコンテンツを用意。パーソナルカラー診断や約50ブランドの体験ブース、カウンセリングやメイクアップ体験、プロによる撮影などを企画する。

期間中には、例年よりも早い発表となる「アットコスメ ベストコスメアワード2025」や「ジャパンビューティテックアワード」の授賞式も予定しており、消費者体験から業界動向までを横断的に発信する。

地域に根差す世代を超えた取り組みへ

大木CCOは「ただ人を集めるだけでは意味がない。地元で暮らす人々にとっても意義のある取り組みであることが重要だ」と話す。「ビューティは老若男女のもの。メイクや化粧といった枠を超え、自分と向き合い、心身の健康をケアするという意味では年齢や性別を問わない」とし、イベントではヘア&メイクアップアーティストのイガリシノブ氏によるキッズメイク体験や、今後は渋谷区内の老人ホームとの連携企画なども予定し、幅広い世代に開かれたイベントとして発展させていく計画だ。

アイスタイルは、同催事を単発のイベントではなく、中長期的なビジョンとして位置づける。「2025年を出発点に、“ビューティの東京”を文化として根付かせたい。ブランドと生活者の多様な出合いが、日本の化粧品市場全体の活性化にもつながるはずだ」(遠藤社長)。「東京ビューティウイーク」は、その象徴的な試みとして、ビューティの新たなエコシステムを描き出そうとしている。

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