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ゴールドウインとモンベル

ゴールドウインの2025年月期の売上高が過去最高の1323億円で、そのうち「ザ・ノース・フェイス(TNF)」が1015億円だったそうです。アウトドア市場の中でも同社および「TNF」の勢いはずば抜けていますね。

非上場ためのあまり比較されないけれど、アウトドア専業のモンベルはグループ売上高1500億円です(昨年11月に日経新聞「私の履歴書」に連載した創業者・辰野勇会長が書いていました)。事業規模でいえば、モンベルとゴールドウインが国内アウトドアの双璧です。ターゲットや事業領域が重なる部分、重ならない部分があって、一概にライバルとはいえないかもしません。しかし市場での存在感は、両社が突出しています。

「WWDJAPAN」編集委員
林 芳樹
NEWS 01

ゴールドウイン「ザ・ノース・フェイス」、25年3月期は売上高1000億円を初突破 引き続き訪日客好調

ゴールドウインが運営する「ザ・ノース・フェイス(THE NORTH FACE)」の2025年3月期売上高は、前期比4.1%増の1015億円だった。1000億円を突破するのは、同社が「ザ・ノース・フェイス」の輸入販売を1978年に開始して以来、初という。26年3月期は、同5.8%増の1074億円を目指す。

ゴールドウイン全社の25年3月期連結業績は、売上高が同4.3%増の1323億円、営業利益が同8.1%減の219億円、経常利益が同5.5%減の308億円、純利益が同0.7%増の244億円だった。直営店におけるインバウンド売上構成比は25.5%と、前期に対し8.2ポイント増。「特に中国本土からの訪日客による売り上げが当初予想を上回り、全体を底上げした。一部マーケットでは訪日客による売り上げの勢いが落ちているとも聞くが、当社では直近でも好調で、われわれの製品への期待値は高い」と渡辺貴生ゴールドウイン社長。粗利率は同0.8ポイント減の52.1%と、目標値に対しても0.4ポイント減だったが、「単純に値引きが増えたといった話ではなく、原価率の高い高機能・高価格品の比率が増えたことも影響している」。

「ゴールドウイン」は
26年3月期に国内外で10店出店

基幹「ザ・ノース・フェイス」の売上高の内訳は、アパレルが同6.9%増の807億円、ギアが同5.5%減の208億円と、ギアが伸び悩んだ。ギアはキャンプ市場の停滞に加え、バッグカテゴリーが苦戦。“ヒューズボックス”などの定番品に続く「次の製品提案ができていなかったことが要因。開発を進めると共に、定番品も(購入金額の一部を環境保護へのドネーションとするなど)価格以外の価値を提供する」(森光ゴールドウイン取締役専務執行役員)。

「ザ・ノース・フェイス」で今後の伸び代と期待するシューズの売上高は、59億円(前期は60億円)だった。秋冬向け“ヌプシ ブーティー”がシューズの看板商品だが、通年で販売できるトレイルランニングシューズのシリーズ“べクティブ3.0”を今春発売。「反応は上々。強化カテゴリーにも関わらず、シューズ売り上げが前期並みに留まったのは、商売を秋冬偏重から通年型へと変えていく過渡期であるがゆえ」と説明する。ブランドとして、シューズと共にキッズ、ウィメンズを成長ドライバーと位置付けている。

次なる成長の柱として育成中のオリジナルブランド「ゴールドウイン(GOLDWIN)」の売上高は、44億円(前期は32億円)だった。“プレミアムスポーツ”マーケットへの期待感が強い中国市場が主戦場であり、「25年3月期は中国本土に新規で3店出店し、いずれも売上高、リピート率などが想定を上回っている。現在の中国の店舗数は5店。今後も中国では毎期4店以上を出店する」(渡辺社長)と意気込む。今期は中国で5店(深圳、瀋陽、西安、上海、北京)、ロンドン、ニューヨーク、ソウル、国内3店(京都、丸の内、札幌。京都以外は移転リニューアル)を出店予定。「出店投資が続き現状は赤字だが、売上高100億円を掲げる27年3月期に黒字転換する見込み」だ。29年3月期に売上高200億円、33年3月期に500億円を目指す。

ゴールドウイン全体としての26年3月期業績は、売上高が同6.2%増の1405億円、営業利益が同18.2%増の259億円、経常利益が同10.0%増の339億円、純利益が同3.9%増の254億円を見込む。なお14日には、9月30日の株主に対し1対3の株式分割を行うと発表した(効力発生日は10月1日)。また、中間優待制度も新設すると公表し、これらが好感されて株価は一時前日終値に対し894円高騰、9288円を記録した。

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NEWS 02

ミズノ25年3月期、3期連続で過去最高業績を更新 サッカーとインドアスポーツ領域好調

ミズノの2025年3月期連結業績は、売上高が前期比4.6%増の2403億円、営業利益が同20.2%増の207億円、経常利益が同10.7%増の213億円、純利益が同6.5%増の152億円と、売上高と各利益段階において3期連続で過去最高を更新した。営業利益率は8.6%(前期比1.1ポイント増)でこれも過去最高。グローバルでフットボール(サッカー)とインドアスポーツ(バレーボール、バドミントン、卓球、バスケットボール等)用品が好調で、国内は企業用ユニホームなどを手掛けるワークビジネスカテゴリーが大幅伸長した。

国内は売上高が同4.2%増の1473億円と過去最高、営業利益も過去最高だった。海外売上高は同5.3%増の930億円だった(海外売上高と前期比は資料をもとに編集部で計算)。海外売上比率は前期から0.3ポイント増加し38.7%。

カテゴリー別売上高では、野球、ゴルフ、ランニングという上位3カテゴリーが減収となったのに対し、フットボールは同15.9%増の203億円、インドアスポーツは同14.7%増の188億円、ワークビジネスは同24.1%増の142億円だった。フットボールはポルトガル代表のジョアン・フェリックス選手(ACミラン)とのアンバサダー契約、Jリーグのセレッソ大阪と新規ユニホーム契約するなどによりブランド力が向上。引き続きスパイクが中高大の部活生らに売れた。

26年3月期業績は、売上高が8.2%増の2600億円、営業利益が同8.3%増の225億円、経常利益が同7.7%増の230億円、純利益が同8.2%増の165億円を見込む。

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