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夏祭り、最盛期
東北大学在学中は、仙台の初売りのスゴさに驚き続けていました。一番驚いたのは、茶箱。皆さん、ご存じですか?仙台発祥の初売りは、お茶屋さんが中心になって始まりました。だから皆、まずは茶箱を買って、その中に戦利品をボンボン詰め込むんです。さすがに私の大学在学中でさえ、そんな人は少数派になっていましたが、それでも茶箱を2人一組で持ち歩きながら、初売り巡りをする人は、今もそこそこ存在しています。
2本目の記事は、4年ぶりの「ケイタ マルヤマ」のおしゃれ盆踊りスナップです。夏祭りは、今が最盛期!アフターコロナの熱狂を体感し、その経験を次のビジネスに活かしましょう。
500万超の人出に合わせて“七夕夏売り”を初開催 初売り発祥の地・仙台で32店舗が参加

古着店やセレクトショップがエントリーして8月5日にスタート
ケージレトラーズ(東京、森部裕也社長)は、宮城・仙台で「仙台七夕夏売り」を実施中だ。期間は、「『仙台七夕まつり』(8月6~8日)と、その前夜祭である『仙台七夕花火祭』(5日)に合わせ」5〜15日。大阪発で「古着屋ジャム」を全国に14店舗構えるJAM TRADINGや、東京を中心に14店舗を運営する古着店のデザートスノーなどが協賛する。また、地元のセレクトショップや帽子店もエントリーし、計32店舗による共同開催となった。
“初売りの熱気を夏にもう1度!”が合言葉
“初売り”が仙台発祥ということをご存じだろうか? 全国的には新年最初の販売日を指すが、仙台では景品や特典を付けた商品を扱う年初の期間とし、特に“仙台初売り”と言う。その豪華さから徹夜組も出るほどで、朝6時から営業する店舗もある。本来こういった販売方法は景品表示法に抵触するが、公正取引委員会は“旧仙台藩の伝統行事”とみなし、同地域に限り3日間以内で認めている。
この“仙台初売り”の夏バージョンとして、初めて開催中なのが「仙台七夕夏売り」だ。
ケージレトラーズは同名のセレクトショップを2022年9月、仙台にオープンした。その準備で仙台に長期滞在した森部社長は、「『仙台七夕まつり』および『仙台七夕花火祭』の来場者は500万人以上。仙台のファッション業界を盛り上げ、あらためて服の魅力を伝えるチャンスにも関わらず、“服屋に人が来ない閑散期”というのが各ショップの共通認識だった。そこで新参者ながら手を挙げた」と同イベントの動機について話す。
「秋冬シーズンへの転換期で、夏の締めくくりとして春夏商材も消化できる」と続け、各店舗ではセールやポップアップイベント、次シーズンの予約会を実施。また、“仙台初売り”以外の地域や時期にも認められている比率(商品価格の20%まで)を守り、ギフトを用意するなどしている。
今後も地元ファッション活性のために連携
森部社長は、「今回協賛してくれた店舗とは『仙台七夕夏売り』後も定期的に集まり、仙台ファッションの活性のために活動していきたい。来年は行政にもプレゼンし、サポートを受けられたらと思う。補助金が得られれば広告費に充て、スペースの提供を受けられれば若手のチャレンジ枠としてポップアップスペースに活用したい」と展望について述べる。
【2023年浴衣】ファッショニスタの浴衣スナップ@「ケイタマルヤマ」おしゃれ盆踊り

「ケイタマルヤマ(KEITAMARUYAMA)」は8月5日、東急プラザ銀座で4年ぶりの夏の風物詩、おしゃれ盆踊りを開催した。当日は、丸山敬太デザイナーはもちろん、野宮真貴やMEGUMI、奈良裕也、秋元剛、マドモアゼル・ユリア、FPMの田中知之ら多彩なゲストも来場。それぞれが思い思いの浴衣スタイルで、東京音頭や炭坑節から、ダンシング・ヒーロー、野宮が歌う「東京は夜の七時」の盆踊りバージョンなどを話になって踊った。
三越伊勢丹はなぜ「V字復活」できたのか 山下CMOに聞く、百貨店ビジネスモデルの大転換
山下卓也(やました・たくや)/三越伊勢丹ホールディングス執行役常務CMO
PROFILE:1967年4月13日生まれ。91年に伊勢丹(当時)入社し、主にメンズファッション分野でキャリアを重ねる。2020年4月に三越伊勢丹執行役員営業本部三越銀座店長、22年4月に同執行役員営業本部第2MDグループ長を経て、23年4月から現職。三越伊勢丹常務執行役員営業本部長を兼任
三越伊勢丹ホールディングスが絶好調だ。2023年3月期に過去最高売上高を達成した伊勢丹新宿本店が、今年4月以降も前年を上回るペースで推移。3日には、24年3月期の営業利益予想を380億円に上方修正した。三越と伊勢丹が08年に経営統合して以来の最高益を見込んだ従来予想(350億円)をさらに上振れする。百貨店事業を統括する山下卓也・執行役常務CMO(チーフ・マーチャンダイジング・オフィサー)は、「高感度上質」「個客とつながるCRM(顧客関係管理)」「グループ連邦」といった3つの戦略が軌道に乗ったと自信を深める。
WWD:22年度(23年3月期)に伊勢丹新宿本店が過去最高の売上高3270億円を達成した。
山下卓也・執行役常務CMO(以下、山下):私が入社した1991年度がそれまでの過去最高だったので、実に31年ぶりの更新だ。当時とはもちろん、数年前と比べても新宿本店のビジネスモデルは様変わりしている。それを端的に示すのが入店客数で、22年度はコロナ前(18年度)の8掛けにすぎない。にもかかわらず、売上高は大幅に増えた。
2年前から取り組む「個客とつながるCRM戦略」の成果だ。お客さまを徹底的に識別し、それぞれに応じたコミュケーションをとる。まずはアプリ会員やカード会員といった識別個客になってもらい、それぞれのお客さまのニーズに合わせた提案をオフライン(店舗)とオンライン(デジタル)で行うことで、お客さまがたくさん買い物をして下さるようになった。
従来はとにかく館(百貨店の店舗)にマスのお客さまを多く集めるかが勝負だった。たくさん集客し、売り場にお金を落としてもらう。しかし21年に就任した細谷敏幸社長のもと、「マスから個へ」の転換を全社的に取り組んだ。とりわけ識別顧客を増やすことに注力してきた。漠然とした顧客ではなく、識別できる個のお客さま、すなわち「個客」である。
WWD:5月の決算説明会では、伊勢丹新宿本店と三越日本橋本店の両本店でアプリ会員、カード会員、外商会員といった識別個客の売上高シェアが22年度で約70%(19年度は約50%)。その識別顧客の中で年間100万円以上を購買する人のシェアが約50%(同約40%)と説明していた。
山下:「高感度上質戦略」と「個客とつながるCRM戦略」が目に見える成果を生んだ。識別化されていないお客さまの年間購買額を1とした場合、アプリ会員になると3倍の3になる。カード会員になると、また3倍の9になる。さらに外商会員となって弊社の外商員が付くようになると、3倍の27になる。定量的なデータではざっくりそんな実績が出る。
アプリ会員、カード会員、外商会員と発展するにつれ、お客さまとのコミュケーションが深くなる。私たちから見れば、お客さまの潜在ニーズを知ることができる。知ると、的確な提案ができる。購買実績だけでなく、アプリの閲覧履歴などをもとに、個々のお客さまの関心事を分析し、ぴったりな提案をする。データだけ抽出すると大手ECモールと同じになってしまう。あくまでスタッフの力を絡ませることが大切だ。
6月にビジネススーツが新調される理由
WWD:それを最も手厚く行っているのが外商だ。
山下:外商ではバイヤーとセールス(外商員)らがチームを組んで、お客さまにさまざまな商品やサービスを提案している。外商のお客さまはファッションでも美術品でも食品でも最高のものを知っている。個々のお客さまの関心事を分析し、それをもとにラグジュアリーブランドなど取引先と交渉し、特別な商品を取り寄せたり、体験型のフェアを開催したりする。実際やってみると、私たちが把握できていなかったお客さまのライフスタイルやライフサイクルが見えてくる。
WWD:例えば、どんな傾向が見えてくのか。
山下:従来の百貨店のMDカレンダーでは、ビジネススーツの売り出し時期は3〜4月。季節の変わり目で、会社も新年度に入るからだ。しかし経営者らエグゼクティブのお客さまは、株主総会がピークを迎える6月にスーツや革靴を新調される。百貨店のMDカレンダーではセール前の端境期だが、エグゼクティブの方たちにとっては購入時期になる。
あるいはペット。ご自分が好きなブランドをワンちゃんにも着せたいニーズが想定以上に多かった。主要なラグジュアリーブランドに協力してもらい、首輪やリードだけでなく、ペット服や犬用キャリーバッグまで一同に並べて、お客さまに選んでいただくようにしたら、たいへん好評だった。
昔の百貨店は世の中のトレンドを分析し、マスのお客さまを広く集客してきた。ファッションは52週のMDカレンダー、つまり商品軸で回した。今もトレンドの大切さに変わりはないが、同じくらいのウエイトで個客の要望にコミットしている。私たちしか知ることのできないファクトをどんどん集めて、取引先と交渉し、一人一人に最適な提案を行う。取引先も高感度や上質を求めるお客さまの情報とつながりを求めている。
お客さまが情報を持っていない時代は、百貨店の品ぞろえでマスのお客さまを館に集客できた。しかしスマートフォンの普及で、いつでも最先端の情報にアクセスできるようになった。大型ショッピングセンターやECなども競合も増えた。すでに商品軸だけで勝負できる時代ではない。では百貨店の優位性はどこにあるのか。われわれが出した結論は「マスから個へ」だった。
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「WWDJAPAN」12月22日&29日合併号は、創業90周年を迎えた吉田カバン総力特集です。「ポーター(PORTER)」「ラゲッジレーベル(LUGGAGE LABEL)」「POTR」の3ブランドを擁し、日本を代表するカバンメーカー・吉田のモノ作りに迫ります。日本が誇る伝統技術を持つカバン職人たちと深い関係を築きながら、最先端の技術・素材を使い名だたるデザイナーズブランドとコラボレーションする相反した性質はどんな文脈から生まれているのでしょうか。
