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市場を引っ張るマークスタイラー卒業生

マークスタイラーから独立した荻原桃子さんが、2023-24年秋冬から自身のブランド「OMMO(オーエムエムオー)」を立ち上げるそうです。鎌倉に引っ越してライフスタイルが変わり、「大自然と都会、どちらとも自分らしく調和のとれるようなモード」を体現したいとのこと。詳細は記事1本目をご覧ください。

荻原さんだけでなく、マークスタイラー出身の実力派はリアルクローズ市場で輝いています。「クラネ」「アメリ」はもちろん、先日ここでご紹介した「メゾンスペシャル」のチームも、元をたどればマークスタイラー。同じ時代の業界で育ってきた者として、荻原さんや皆さんの今を応援したいし、今後どんなふうに会社や事業を育てていくのかが非常に楽しみです。

「WWDJAPAN」編集委員
五十君 花実
NEWS 01

荻原桃子が独立し新ブランド「OMMO」始動 「アンスリード」離れ23-24年秋冬デビュー

2023-24年秋冬をもって「アンスリード(UN3D.)」を離れる荻原桃子クリエイティブ・ディレクターが、自身の新ブランド「OMMO(オーエムエムオー)」の立ち上げを発表した。デビューとなる23-24年秋冬コレクションは、7月28、29日に表参道のAQスペースでのポップアップストアの開催を予定しており、28日からは公式オンラインストアをオープンする。

「OMMO」のメーンターゲットは30〜40代。主力商品となるカットソーやニットは1万8000円、ワンピースは2万8000〜4万円、アウターは3万8000〜6万9000円など。高価格ゾーンのアイテムにも合わせやすい品質とデザインにこだわり、シンプルながら印象的なデザインを特徴とする。

ファーストコレクションは、荻原が得意とする構築的なフォームや動きやすさ、機能性、着心地を重視した素材感、ブランドアイコンとなるカラーステッチやカラーブロック、ポイントディテールなどを用いた。立体的なパターンで異素材をドッキングしたセットアップやはっ水ナイロン素材のセットアップ、中綿キルティング素材をバルーンシルエットに仕上げたワンピース、ウールコートにキルティング素材をドッキングしたコートなどがラインアップする。

荻原は「私自身が都内から緑豊かな鎌倉へと移住し、新たなライフスタイルを送る中で、大自然と都会、どちらとも自分らしく調和のとれるようなモードの形を体現、提案していきたい」とコメント。

荻原は16-17年秋冬の立ち上げからクリエイティブ・ディレクターを務めていたマークスタイラーの「アンスリード」を23-24年秋冬をもって退任。先月、自身のインスタグラムで発表したばかりだった。「アンスリード」は引き続きアドバイザーとして携わる。「OMMO」始動にあたり、新会社OMMOを設立し、代表取締役に就任した。

最近ではファッション以外に、21年にコスメブランド「ユーエヌディーオー(UNDO)」を、22年に和食器ブランド「オーエム(OM)」をそれぞれスタートしプロデュースしている。プライベートでは16年に小橋賢児と結婚し、1男児の母。

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NEWS 02

素材展「ミラノ・ウニカ」24年秋冬、長谷虎紡績が日本発の人工タンパク質素材を発信

イタリア・ミラノで開催された「第37回 ミラノ・ウニカ(MILANO UNICA)」。日本ファッション・ウィーク推進機構(JFW)と日本貿易振興機構(JETRO)が共催する日本ブース「ジャパン・オブザーバトリー(JAPAN OBSERVATORY、以下JOB)」には、全30社が出展した。うち6社が初出展。来年はJOB設立から10年を迎える。10周年記念のプレイベントとして、ブース入り口では来場者に獺祭を振る舞った。

1887年創業の長谷虎紡績が初の海外出展

スパイバーの人工タンパク質素材などの革新素材を紡績する長谷虎紡績は、創業から136年目にして初めての海外出展となった。長谷享治社長は、「現在の私たちの売り上げは100%国内だが、将来を見据えた時に海外進出は不可欠だ。得意の機能繊維がヨーロッパでどのように受け入れられるか反応を見たいと思った」と出展理由について語った。今回は、「ザ・ノース・フェイス(THE NORTH FACE)」などが活用する遠赤外線作用の機能素材「光電子」と、人工タンパク質素材「ブリュード・プロテイン(BREWED PROTEIN)」を打ち出した。長谷社長は、腰を据えて海外市場の開拓に取り組むといい、「今後は『ブリュード・プロテイン』と『光電子』の掛け合わせなど、サステナブルと機能性を併せ持つ唯一無二の素材などを仕掛けていきたい」と意気込む。

V&Aジャパンは生分解性ポリエステルを打ち出す

生分解性ポリエステル“クラフトエボ リーテ(CRAFTEVO RETE)”を開発したV&Aジャパンも初出展した。宮本淳代表取締役会長は、「これまでの顧客はスポーツメーカーが中心だったが、『ミラノ・ウニカ』を機にファッション企業の開拓に力を入れたい」と話す。来場者の生分解性ポリエステルへの関心は高く、和紙糸や豊島が開発した食品廃棄物由来の染料「フードテキスタイル」との掛け合わせ、デニム生地などが特に人気だった。

柴谷は若手社員がバイヤーを呼び込む

同じく初出展した柴谷は、20代の若手社員が中心となり接客し手作りのポップなどを制作してバイヤーを呼び込んだ。天日干しシリーズや「フードテキスタイル」を用いた生地をはじめとするサステナブル商材に手応えを感じたという。

古茂田博JFW事務局長は、「『ミラノ・ウニカ』のような大規模展示会の醍醐味は、偶然ブースを訪れた新規のバイヤーに提案できることだろう。そういう意味で、若手が集まる柴谷は積極的に声をかけ勢いがある。(アレッサンドロ・バルベリス・)カノニコ会長はJOBについて『イタリアと同じ目線で優れたモノづくりをしながらも、私たちにはない良いモノを見せてくれる。来場するバイヤーたちもそれを認めている』と評価してくれている。『ミラノ・ウニカ』全体で、ウィメンズやカジュアルの分野にも広げようとしているなか、日本の多様な産地を強みとして引き続きアピールしたい」とコメントした。

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最新号の読みどころ

「WWDJAPAN」12月22日&29日合併号は、創業90周年を迎えた吉田カバン総力特集です。「ポーター(PORTER)」「ラゲッジレーベル(LUGGAGE LABEL)」「POTR」の3ブランドを擁し、日本を代表するカバンメーカー・吉田のモノ作りに迫ります。日本が誇る伝統技術を持つカバン職人たちと深い関係を築きながら、最先端の技術・素材を使い名だたるデザイナーズブランドとコラボレーションする相反した性質はどんな文脈から生まれているのでしょうか。