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一人のカリスマより協働の時代

 「ラコステ」の新クリエイティブ・デザイン・ディレクターが発表されましたが、今後は「協業をベースとしたチーム体制」で、「社内外とのさまざまなコラボレーションを行っていく」そうです。これを読み、「『シャネル』のビューティ部門が3人のディレクターによる協働性を採用した」という昨秋のニュースを思い出しました。

 一人のカリスマディレクターが全てを率いるよりも、影響力の大きいセレブなどを含めて、さまざまな声を取り入れて商品を企画した方が包摂的で時代に合っているということなんでしょうね。「ラコステ」は今年創業90周年。認知は非常に高いブランドだけに、どう化けるか期待です。

「WWDJAPAN」編集委員
五十君 花実
NEWS 01

「ラコステ」が新クリエイティブ・デザイン・ディレクターを任命 協業ベースのチーム体制に

 「ラコステ(LACOSTE)」は、新たなクリエイティブ・デザイン・ディレクターに「アディダス」出身のペラギア・コロトロス(Pelagia Kolotouros)を任命した。2023年1月にルイーズ・トロッター(Louise Trotter)前クリエイティブ・ディレクターが退任した後、「ラコステ」はクリエイティブ面のアプローチを見直し、協業をベースとしたチーム体制に移行。今後はコロトロス新クリエイティブ・デザイン・ディレクターを中心に、社内外とのさまざまなコラボレーションを行っていくという。

 コロトロス新クリエイティブ・デザイン・ディレクターは、ニューヨークのパーソンズ美術大学(Parsons School of Design)を卒業。「セオリー(THEORY)」や「カルバン・クライン(CALVIN KLEIN)」で経験を積んだ後、「イージー(YEEZY)」に加わり、特に「アディダス」との協業に関するアーティスティック・ディレクションのチームで活躍した。その後、「ザ・ノース・フェイス(THE NORTH FACE)」のグローバル・クリエイティブ・ディレクターに就任。「アディダス」に入社してからは、ビヨンセ(Beyonce)のブランド「アイビーパーク(IVY PARK)」や、ファレル・ウィリアムス(Pharrell Williams)とのコラボコレクションにおけるテキスタイル、メンズおよびウィメンズ・コレクション、フットウエアなどの開発責任者を務めていた。

 「ラコステ」は今年、創業90周年を迎える。最近では、22年12月にインターパルファム(INTERPARFUMS)と15年間の世界的なライセンス契約を締結。既存のコティ(COTY)との契約終了後、24年に新しい香水ラインをローンチする予定。

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NEWS 02

車イステニスの国枝慎吾選手が現役引退会見 「今後も最大限応援したい」とユニクロ柳井会長

 ユニクロは2月7日、同社のグローバルブランドアンバサダーを務める車イステニスのプロプレーヤー、国枝慎吾選手の現役引退会見を有明本部で行なった。「一番の思い出は東京パラリンピックでの金メダル。(選手人生で)相手との戦い、自分との戦いだけでなく、車イステニスをスポーツとして世の中に知ってもらいたいという思いが強くあったが、東京パラリンピック後はスポーツとして認知されたという手応えがあった」と国枝選手はコメントした。

会見には、ユニクロの親会社であるファーストリテイリングの柳井正会長兼社長も登壇。「(国枝選手は)勝つことに徹底的にこだわり、がむしゃらで明るい。人間として尊敬できる人。(現役引退した)これからが人生の本番であり、今後も最大限応援したい。日本は残念ながら今閉塞状態にあるが、その中で若い人たちが将来に希望を持って進んでいくためのロールモデルとして頑張ってほしい。世界中の困っている人、中でも子どもたちや若い人の力になれるようなことを、これから事業として国枝さんと一緒にできたらと思っている」と発言。自社の社員に国枝選手から何を学んでほしいかと聞かれると「挑戦する姿勢。国枝選手は車イステニスという一つのスポーツのジャンルを確立した。それは新しい産業を作るということにも通じる」と答えた。

 国枝選手は1984年2月21日生まれの39歳。2007年に史上初となる車イステニスの年間グランドスラムを達成し、以来計5回の年間グランドスラムを達成。現行グランドスラムは計50勝で、車イステニスで最多。パラリンピック・シングルスでは金メダルを北京(08年)、ロンドン(12年)、東京(21年)の3回獲得している。ユニクロとは初のグローバルブランドアンバサダーとして09年に所属契約を締結し、競技用やトレーニング用ウエアを提供するなどサポートを受けてきた。ユニクロは14年から、国際テニス連盟が世界40カ国以上で開催する「ユニクロ車いすテニスツアー」のタイトルスポンサーも務めている。

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最新号の読みどころ

「クワイエット・ラグジュアリー」の静寂を破り、2026年春夏のウィメンズ市場に“カワイイ”が帰ってきました。しかし、大人がいま手に取るべきは、かつての「甘さ」をそのまま繰り返すことではありません。求めているのは、甘さに知性と物語を宿した、進化した“カワイイ”です。「WWDJAPAN」12月15日号は、「“カワイイ”エボリューション!」と題し、来る2026年春夏シーズンのウィメンズリアルトレンドを徹底特集します。