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TOPICS

ジェンダーレスのプレッシャー

 為替を含む国際情勢が流動化する中、各社の国内生産への回帰が顕著です。

 先日、サプライチェーンを研究する大学の教授陣から話を伺う機会をいただきました。国内生産が急速に廃れた一因には、「利益率×回転数」の掛け算で生み出される利益の方程式の崩壊、特に労働集約型産業で粗利が良かったために下げられる余地が大きかった「利益率」の押し下げがあると伺い、「なるほど」と思いました。今度こそ、この方程式を維持しなくちゃなりません。となると、「回転数」をあげることが大事ですね。

「WWDJAPAN」編集長
村上 要
NEWS 01

TSIがシタテルに出資、国内生産強化

 大手アパレルのTSIホールディングスは、アパレル生産プラットフォームを展開するシタテルに出資する。第三者割当増資を引き受け、株式総数の5.2%を取得する。取得額は非公開。TSIは、山形県米沢市と宮崎県都城に自社工場を所有しており、シタテルと組むことで、国内生産の強化と生産効率の向上を目指す。特にIoT化を進める米沢工場ではシタテルと組んで、工場直結型のファクトリーブランドの立ち上げも検討する。

 シタテルは、アパレルと縫製工場をつなぐクラウド型の「シタテルクラウド」を展開するスタートアップ企業。同サービスには約1700社の縫製工場・生地メーカーなどと、約2万2700社のブランドや企業が登録している。これまでには繊維・アパレル関連では繊維商社のヤギや日鉄物産(現MNインターファッション)や官民ファンドのクールジャパン機構なども出資している。

 TSIとシタテルの両社は今後、工場直結型のファクトリーブランドの立ち上げや、中小規模のD2Cブランドのクラウド支援、受注生産型の新規ビジネス・ブランドの立ち上げなどに取り組む考え。

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NEWS 02

化粧品小売セフォラがロシアから撤退 現地子会社の全株式を売却

 LVMHモエ ヘネシー・ルイ・ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON)傘下の化粧品小売店セフォラ(SEPHORA)はこのほど、ロシアの子会社の全株式を現地管理責任者に売却することで合意したと発表した。雇用継続のための措置としている。業界筋によると、セフォラの売り上げのうちロシア事業が占める割合は3%未満。

 セフォラは3月初旬、ロシアのウクライナへの軍事侵攻を受け88の店舗とECを閉鎖しロシア事業を一時停止。「優先すべきは現地チームの安全であり、引き続き支援していく」との声明を出していた。今後、現地責任者との契約がまとまり次第、ロシアの化粧品小売店イル ドゥ ボーテ(ILE DE BEAUTE)の下で運営される予定。関係者によると、数週間のうちに移管するとみられる。各店はセールを行い在庫を一掃した後、イル ドゥ ボーテの名前に変更して再スタートを切る。これによりロシアからセフォラの店舗は消滅する。

 セフォラはロシア市場にフランチャイズで進出したが、2008年に店舗を閉鎖。同年10月に、イル ドゥ ボーテの株式を45%取得し少数株主となった。その後、保有株式を増やし16年に経営権を獲得。イル ドゥ ボーテの店舗をセフォラにリブランドしていた。

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最新号の読みどころ

「クワイエット・ラグジュアリー」の静寂を破り、2026年春夏のウィメンズ市場に“カワイイ”が帰ってきました。しかし、大人がいま手に取るべきは、かつての「甘さ」をそのまま繰り返すことではありません。求めているのは、甘さに知性と物語を宿した、進化した“カワイイ”です。「WWDJAPAN」12月15日号は、「“カワイイ”エボリューション!」と題し、来る2026年春夏シーズンのウィメンズリアルトレンドを徹底特集します。