1. 石原さとみがヒロインを務める映画「シン・ゴジラ」が公開 男性社会の中で輝くキャリアウーマン像を語る

石原さとみがヒロインを務める映画「シン・ゴジラ」が公開 男性社会の中で輝くキャリアウーマン像を語る

インタビュー

2016/7/29 (FRI) 13:00
PROFILE:1986年12月24日生まれ。東京都出身。2002年に第27回ホリプロスカウトキャラバンでグランプリを受賞。03年、映画「私のグランパ」で主演として本格的に映画デビューを果たし、ブルーリボン賞などで数々の新人賞を受賞。その後数々の映画のみならず、TVや舞台、雑誌などで幅広く活躍。今回「シン・ゴジラ」では米国大統領特使のカヨコ・アン・パタースン役を演じる。
PHOTOS BY KOUSUKE MATSUKI
 ゴジラシリーズの最新作となる「シン・ゴジラ」(東宝)が7月29日に全国公開された。同シリーズは1954年に第1作が公開されて以来、現在までに計28作品が製作・公開され、累計観客動員数が1億人に迫るなど、不動の人気を確立している。2014年にはハリウッド版「GODZILLA」が公開されるなど、海外でも人気の高さがうかがえる。今作品は「エヴァンゲリオン」シリーズの生みの親である庵野秀明が脚本・総監督を務め、ドキュメンタリー作品のような迫力とシリーズ初のフルCGによる壮大なスケールの作品となっている。また、キャストは長谷川博己、竹野内豊をはじめとする総勢328人にもおよぶ豪華俳優陣を迎える。今回、「シン・ゴジラ」で米国大統領特使のカヨコ・アン・パタースン役を演じる石原さとみに、この映画に賭ける思いや、衣装や持ち物や立ち居振る舞いなど役へのアプローチ方法、そして、今後の挑戦などについて尋ねた。

WWDジャパン(以下、WWD):撮影が終わって8カ月たち、いよいよ公開を迎えますが、今の心境は?

石原さとみ(以下、石原):やっとだな、という思いがあります。出来上がったのも最近なので。知識や経験、自分の考え方、どのくらい政治に関心があるのか、3・11を経験したことがあるかなど、観る方によって感想が全然違うと思うので、一人一人の感想を聞きたいなと思っています。

WWD:さとみさんから見て、「シン・ゴジラ」とはどういうお話だと?

石原:すごく大まかに言うと、まず、巨大な生物が現れて、東京からどんどん人がいなくなってしまうくらい侵食されていく。その中で日本人である私たちがどうやってゴジラに立ち向かうのか。お話としてはすごくシンプルなんです。だからこそ、子どもも大人も男性も女性も、みなさんに楽しんでいただける作品だと思うんです。でも、その中で、戦い方や、ゴジラって一体なんなんだろうなど、ものすごく考えさせられる映画だと思います。

次ページ:米国大統領特使という役づくりのために意識したこととは ▶

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WWD:今回は米国大統領特使のカヨコ・アン・パタースンという役を演じましたが、役作りのためにどのようなアプローチをしたんですか?


今回は米国大統領特使の役を演じた石原さとみさん 石原:まずは台本の読み込みから始めました。やはり当時、新聞でもニュースがたくさん飛び交っていて、知っているワードもある中で、目や耳にするワードが具体的にどういうものなのか、漠然としているものを正確にしていき、それを台本に書き込んでいきました。その中で私が演じるカヨコの役柄は、アメリカで生まれ育って、上院議員の娘で、親の七光りを存分に受けて、環境が整っているなかで努力もしてきて、だからこそ「私は世界を変えられる」という自信を持っている。そんな時に東京で巨大不明生物が出現したという事件があり、私はパーティー中にも関わらず呼び出されて、日本に行けと言われる。正直、危険なところにアメリカ代表として行くものの、自分でやりたくてやっているかも分からない、行きたくて行くのかということも分からない。その中で日本に来て、なめられたくなくて、粋がるというか、巨大生物について情報を持っているからこそ上から目線で日本側の人々と接していくんです。そういう意味では、きつくて、クレバーで、芯が通っていて、自信満々で、なめられたくなくて強くいる、という女性でありたいなと思っていました。だけどやっぱりちゃんと常識を持っている子なので、日本人と接し、情報を提供していく中で、言っていいことと悪いことを計りながら、日本の国民性を知っていって感化されていく。そういった、大きく気持ちが変化し、成長を遂げてくキャラクターはあまりいなかったので、そこを大切にしました。

WWD:英語を流暢にしゃべる女性エージェント、いわゆるキャリアウーマンということでしたが、役作りにおける立ち振る舞いなどはどのように身に付けたのですか?

石原:まず、人脈をたどりました。アメリカで、政治の方で活躍している方や、ニューヨークの日本大使館で働いている方などを紹介してもらい、話を聞いて、服装から持ち物、考え方、髪型、そして英語と日本語の割合や、どれがカタカナ英語かなど、いろいろな話を聞いて、打ち合わせの段階で提出しました。それこそ持ち物も、こういうペンを使うんです、とか、こういう時計をつけたいんです、など、そういうのも含めて。ヘアメイクについても、いつもお世話になっているメイクさんに「ニューヨークで活躍している政治家ってどんなメイクなの?」といろいろと調べてもらって、こういうメイクがいいよね、このぐらいの彫りの深さがいいよね、この色だよね、といいながら、そろえていきました。

次ページ:“1ミリ単位で衣装を作ってもらったので、食べられない期間もありました”▶

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「ジャストフィットのサイズで衣装を作っていただいたので、食事制限に気をつかいました」と語ったWWD:衣装についてはどのような提案をしたんですか?

石原:そこから懇意にしている川島幸美さんにお願いし、1ミリ単位で服を作ってもらって、絵で書いたんです。その後、何度も衣装合わせをして、こんな色・素材で、こういう形がいいんだよね、という話をしていって、それで、スーツと、パーティー用の衣装、シャツとブラウスをオリジナルで作ってもらいました。スーツのインナーにもこだわり、素材はもちろん、シャツがいいのかブラウスがいいのか、襟付きがいいのか、Vネックがいいのかなどと考えました。さらに、お世話になっているスタイリストさんに教えてもらったサイトを思い出して、そこから服を探し出して、幸美さんに私のジャストフィットにリメイクしてもらいました。それがラストシーンで着たボルドーのワンピースです。

WWD:今まではOL役が多く、どちらかというと恋愛が絡む甘めの雰囲気のものが多かったと思うのですが、大人の女性、キャリアウーマン風にするために特に意識したことは?

石原:クレバーに見えるように努めました。調べてみると海外で活躍されている方は、すごくタイトな洋服で、素材がいいものを着ている。それと、ちゃんとヒールのあるシューズを履くということですね。4センチメートルはマストです。

WWD:タイトな服をミリ単位であつらえたということでしたが、体形の維持も大変だったのでは?

石原:とても大変でした。ちょうど月9のドラマ「5時から9時まで」も同時期に撮影していたのですが、ゴジラの撮影の前は本当に制限していて。飛び飛びで撮影があるので食べられない期間が何日間かあり、固形物を食べるのをやめたりもしてたんです。そんな私の前で、高良(健吾)くんとか長谷川(博己)さんが、お菓子をポリポリ食べてるんですよ。「もうホントにそのおかき食べたい!」ってすごい思っていましたね(笑)。

WWD:今回は「エヴァンゲリオン」の庵野秀明・監督が脚本・総監督で、「進撃の巨人」でもタッグを組んだ樋口真嗣・監督が監督・特技監督を務めています。撮影秘話などは?

石原:カメラは最低でも5台、多いときには10台とかありました。庵野監督自身がiPhoneで撮られたりとかもしていて、本当にドキュメンタリーのように、リアルを追求している作品です。いろいろなカットがあるな、こういうものも撮るんだ、など発見も多く。すごく面白かったし勉強にもなりました。

WWD:完成した作品を観た感想は?

石原:いやあ、ゴジラ怖いですね。本当に震えるくらい怖い。本当に3・11を思い出しますね。それを踏まえた作品ではあるけども、やっぱり恐怖や残酷さとかを感じました。でも一方で、ゴジラを倒すシーンとかは男のロマンが詰まっているので、エンターテイメントとしても子供から大人の方、女性の方まで幅広く楽しめる作品です。楽しみ方は人それぞれで、ゴジラが吐いているものは何なのか、ゴジラは何でできているのか、ゴジラが歩いたルートは何なのか、など全てに対して人の知識によって観るポイントって変わってくると思うんです。何度も観て引っかかるポイントがいっぱいあるので、学べば学ぶほど面白いし、一緒に観に行ってその後に感想を言い合う中で、それぞれ違う発想・発見もあるだろうな、と思います。

WWD:多くの男性たちの中の紅一点のヒロインを演じたわけだが、自身が男社会の中でしなやかさと強さを併せ持ち輝き続ける秘策は?

石原:くじけそうなときは「負けるな」と自分自身を奮い立たせています。でも何より大事なのは、プライベートがどれほど女性らしいかというところだと思うんです。男性の中で生きるんだったら、プライベートでは女性らしく生きる瞬間を持たないと。仕事とプライベートの間で深呼吸できるか、そこの切り替えができるかが大切だと考えています。

次ページ:“洋服のタグを切る瞬間がすごく好きです” ▶

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「毎年アフリカに行くことをライフワークにしていきたいです。」と話したWWD:買い物や旅行など、深呼吸するためにスイッチを切り替える方法は?

石原:いくつかありますけど、洋服は大事かもしれないですね。着るのも買うのも好きです。気に入った服を買って、タグ切る瞬間ってすごく気持ちいいですよね。

WWD:ショッパーを開ける瞬間ではなく、タグを切る瞬間とは(笑)。自身に似合う服が分かっているということもあると思うのですが、ドラマで着た洋服や小物が売れる現象も起きています。なぜだと思われますか?

石原:そんなに高くないものだからだと思います。それに連ドラの作品は、夢があり自分の可能性にまだ限界を感じていないココロが多感な皆さまに向けての作品にしているから、影響を与えやすいのかもしれません。私自身、10代の頃にすごく影響を受けました。ファッションもメイクもすごくキラキラしていて、恋愛もすごく素敵でキュンキュンして。マネをしたり、主題歌のCDを買ったり。その経験があるので、私が出るドラマでもそう気持ちを与えたいという目的を持っています。その世代が好きな洋服は何って何だろうといつも考えながら選んでるので、刺さって嬉しいなと思います。

WWD:社会貢献に対する意識も高いようですが、次にチャレンジしたいことは?

石原:2年前からアフリカに行っていて、今年もできれば行きたいと思っています。やっぱり、私のことが知られていない場所に行って何かできることがないのかと考えています。NGOの友人やJICA(国際協力機構)や青年海外協力隊の知人も多いのですが、与えに行っているだけではなく、得るものもたくさんあるんです。そのモチベーションが私にもあり、励ましに行っているけど、励まされます。それはアフリカに行くようになってから気付けたことなので、それを大切にしてライフワークにしていきたいと思います。

WWD:「シン・ゴジラ」のヒロイン役というのは、キャリアの中で一番の代表作になりそうか?

石原:どうでしょう。でも作品に入る時は、毎回念入りに準備をして、全力で取り組むようにしています。「進撃の巨人」という作品に昨年出演させていただいて、すごくチャレンジングなものだったのですが、今回はそれ以上に負荷のかかるものでした。一方で、今回の作品で改めて放射能や原爆といったものについてすごい考えさせられました。それに、この作品に出会って、アメリカの大統領特使という役をやっていなかったら抱かなかった感情とか、知ろうと思わなかった部分もけっこうあるなと思いました。先日オバマ大統領が広島を訪れて献花をし、被爆された方を抱きしめたという話も、歴史的だなと思っています。これはアメリカ側の人間を演じたからこそ引っかかる部分だと感じました。作品を経験をしていなかったら、こんな感情にはならなかったなと思います。今年で30歳になりますが、代表作というよりも、これから生きていく中でいろいろと学んでいこうと思ったきっかけになった作品だと思います。

「WWD JAPAN」2016年8月1日号に一部掲載 ▶︎
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