ジーンズに完璧などない 終わりのない探求と挑戦への新たなストーリー

2017/07/24

 「エドウイン(EDWIN)」は、日本のジーンズメーカーで最大の生産ラインを持つ。国内生産の拠点は秋田・青森の自社工場で、メード・イン・ジャパンのモノ作りを推進している。東京のスタンダードを世界にメッセージする意味を込め、昨年東京・原宿にコンセプトショップをオープン。さらに、“完璧のその向こうへ”という、新たなブランドを発信するためのブランドブックとオフィシャルムービーをローンチした。
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日本文化と東北にある自社工場の
モノ作りのこだわり

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 東京から世界へ向けて新しいデニムを発信する「エドウイン」の新たなコンセプトは、原宿のコンセプトショップに凝縮されている。新しいカルチャーを生み出す“和”の解釈や時代の空気感を再編集し、デニムの素晴らしさと文化を再構築していくというものだ。また、国内生産の拠点となる秋田と青森の自社工場では、ミリ単位にまでこだわるシルエットと強度を併せ持つ縫製と穿き込んだ“ヒゲ”や“アタリ”を再現するためのシェービング加工を行っている。ヤスリの角度や強さで、シワのかすれ具合や濃淡が変わってくるため、繊細な技術が求められる。工場が秋田と青森エリアに集中することで情報共有をしやすく、それが新たな進化を生むのだろう。
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究極を追求するクリエイターが穿く
「エドウイン」

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 オフィシャルブックとムービーには、5人のクリエイターが登場する。モデルの植松タケシは、10年間撮られる側としてはき続けてきたジーンズを「撮る側の経験も積みたい」と写真家へ思いを馳せる。水墨画家のチンパンは、少し硬めのデニムを穿いて墨で真っ黒になりながら筆を持っているのだとか。宮大工でスケートボード職人の大場康司が買うジーンズは、リジッドのもの。自分の形になっていく経年変化を楽しんでいる。大阪から上京後の3年間は、ジーンズしか穿いていないというパエリアズの松本竜也。インテリアデザイナーの小野令夫は、ジーンズのステッチやインディゴの由来などを「本質の塊」と定義する。それぞれが語るジーンズへのこだわりは必見だ。
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「エドウイン」のルーツ

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 1947年、常見米八商店が創業。米軍払い下げ衣料品の卸を始める。当時のアメ横は中古衣料品のマーケットとして栄え始めた頃だ。古着を補修し販売されていたジーンズは、間もなくアメリカから新品が輸入されたが、硬い、縮む、激しい色落ちに加え高額。当時の日本人には馴染まなかった。“日本人の体型に合うジーンズを作る”という思いが「エドウイン」のモノ作りの原点だ。
  • ’1960

    ニッポンのジーンズ誕生
    1961年、アメリカからデニムを輸入、国内縫製を始める。「エドウイン」のレーベルを冠した国産ジーンズが誕生。ブランド名はデニム(Denim)の5文字を並び替えたもの。

  • ’1970

    ジーンズはファッションとして広がっていく
    1975年、古着独特の色落ち感をハンドメードで再現したジーンズ、“オールドウォッシュ”が人気を集める。ここから中古加工の開発が始まり、後の“ストーンウォッシュ”誕生の布石となる。

  • ’1980

    “ストーンウォッシュ”を開発し“エドウイン”のジーンズが世界へ広がる
    1981年、石とミキシングマシーンによる“ストーンウォッシュ”をドイツのケルンメッセに出展。リングスパンデニムと自然な中古加工などが世界のファッションに受け入れられ、トレンドとなる。

  • ’1990

    リアルビンテージの追究とはきやすさの革新“503”が登場
    1997年、83年に国内ジーンズ売り上げナンバーワンに輝いた後、コットンを最良の状態に改質するエキアン加工を世界で初めてジーンズに取り入れ、穿きやすさを極限まで高めた究極のベーシック“503”シリーズを発売。

  • ’2000

    ジーンズに新たな可能性と驚きを
    2000年 携帯ポケットや立体裁断などの機能を取り入れた「E-ファンクション」を発売 09年、防寒機能ジーンズのジーンズ「WILD FIRE」「BODY FIRE」を開発。機能デニムの先駆けとなる

  • ’2010

    デニム・イズ・エドウイン
    2015年、世界標準の定番「エドウイン」の新しいスタンダード「Eスタンダード」シリーズを発売。16年、東京・原宿にコンセプトストア「エドウイン トーキョー 原宿」オープン。

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インターナショナルに向けた発信基地

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 昨年11月、東京・原宿にコンセプトショップ「エドウイン・トーキョー・原宿」がオープンした。ロンドン、パリ、ミラノの「エドウイン ストア」で先行販売している、ジャパンメードのプレミアムデニムや新たに“東京エディット”のコンセプトを体現した限定デニム、世界標準として展開する“Eスタンダード”などを取りそろえる。和と洋、最新テクノロジーと伝統が交わる新たなデニムの世界観を創造する空間が誕生した。外観はインディゴブルーを基調にした、ヨーロッパの「エドウイン ストア」をほうふつとさせる。1階の内装は洋風の中に箪笥、引き戸などシンプルかつミニマルな和のエッセンス。2階は、和の建築様式をモダナイズ。盆栽、のれん、ちょうちんなど和モダンな空間が広がる。
SHOP DATA
「エドウイン・トーキョー・原宿」
東京都渋谷区神宮前 3-18-23
03-6447-0330
11:00〜20:00

EDWIN OFFICIAL BOOK & MOVIE
“BEYOND PERFECTION”

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 新たなオフィシャルブックとムービーは、東京から世界へメッセージするためにバイリンガル仕様。日本のデニムの始まりから、ものづくりやライフスタイルへとつながり、メード・イン・ジャパンとは「何か」を一気通貫する。秋田、青森にある自社工場の縫製と加工技術を紹介する他、5人のクリエイターが自身のジーンズにかける思いを語る。
問い合わせ先
エドウイン
03-5604-8900