森星と新たな「エトロ」 “ラブトロッター”バッグが継ぐ伝統とサステナビリティ

2023/02/15

 イタリアブランド「エトロ(ETRO)」の新たなアイコンバッグ“ラブトロッター”から、アップサイクルのカプセルコレクションが誕生した。ブランドのアーカイブファブリックを使用し、再生プラスチックのカラーハンドルを組み合わせたアイキャッチーなバッグは、新クリエイティブ・ディレクターのマルコ・デ・ヴィンチェンツォ(Marco De Vincenzo)が2023年春夏のデビューコレクションで発表して人気を博し、再度制作したものだ。50年以上続く「エトロ」の歴史とサステナビリティの精神を融合した同コレクションは、展開国によってデザインの異なるエディションとして、数量限定で新たに販売する。

 今回は「『エトロ』の大ファン」と公言する森星をモデルに迎え、日本で展開する注目アイテムを紹介。サステナブルに関心が高い森が特に引かれたのは、ほかにはない配色と高い技術だったという。「テキスタイルカンパニーとして創業した『エトロ』の伝統と、再生プラスチックという新時代の技術を掛け合わせたサプライズに心をつかまれました。動植物を描いた美しい色柄のジャカード生地は、日本の伝統工芸を代表する西陣織のようなエッセンスも感じられて新鮮。自然にインスパイアされつつ、このバッグのように意外性のあるポップなネオングリーンをアクセントにした、マルコさんの配色センスに魅了されました」。
ブランドの次章に向けた
アップサイクルプロジェクト
 創業家エトロファミリーが紡いできた歴史の豊かさを物語るアーカイブファブリックを生かし、次なるチャプターに向けて進む象徴となるアップサイクルの“ラブトロッター”コレクション。収納力にも優れたトート型のバッグは、いずれも丁寧なレザーのトリミングを施し、立体的な刺しゅうによるブランドのアイコン“ペガソ”が大胆なアクセントを添えている。全工程ハンドメード仕上げで、裏地にはストライプのジャカード素材をあしらうというこだわりだ。

 「マチ広で開け口が大きく、ザクザク収納できるミディアムサイズは、大好きなメリー・ポピンズのバッグをほうふつとさせてお気に入り。都会でもシーンレスに使えるデザインだけれど、個人的には旅先のビーチでビールを片手にリラックス——そんなシーンに使いたいですね」。国内外を旅する機会が多く、その地域の文化や伝統、哲学をありのままに感じるのが楽しいと語る森。「だからこそ多文化を自由自在にミックスして、美しいファッションに昇華する『エトロ』のクリエイションにときめきます」。
膨大なアーカイブから厳選した生地
 ファブリックに造詣が深いマルコが、ブランドの膨大なアーカイブの中から厳選した10種類の生地は、従来の「エトロ」ファンはもちろん、新しい層にもアピールできる個性を放っている。「ペールトーンが美しいこのバッグからは、不思議と和洋折衷なムードを感じました。京都のお寺巡りや、伝統的なエリアを旅するときに持つと気分が上がりそうです」。

 アップサイクルのアイデアについては、「モノがあふれる時代だからこそ、自分だけのストーリーが語れるアップサイクルという手法に共感を覚えます。年月を重ねて大切に紡いできたものには、お金では買えない価値がありますから」と語る。森自身も最近、日本の伝統技術を駆使して建てられた築148年の古民家を購入し、次なるすみかへと自らの手で再生している最中だ。さらに、日本文化をサステナブルな視点で見つめ直し、世界に発信するプロジェクト「tefutefu, Inc.」も2021年に始動。日本ならではのサステナブルやウェルビーイングのあり方を模索しているという。「気に入ったものを長く使い続けるのもサステナブルな行動の一つ。“ラブトロッター”はファブリックが自分らしくエイジングしていく楽しみもあるので、末長く愛用したいですね」。
LOOK 1 : “アップサイクル・ラブトロッター”バッグ ミニ(H16.5×W20×D10.5cm)19万2500円、オフショルダーストライプシャツ26万1800円、スカート、ピアス 参考商品/以上、エトロ(エトロ ジャパン 03-5766-0807)
LOOK 2 : “アップサイクル・ラブトロッター”バッグ ミディアム(H31.5×W37.5×D15cm)24万2000円、セーター20万1300円、腰に巻いたカーディガン29万3700円、イヤリング18万9200円、ソックス1万7600円、シューズ 参考商品/以上、エトロ(エトロ ジャパン)
LOOK 3 : “アップサイクル・ラブトロッター”バッグ スモール(H23×W27×D18cm)20万9000円、カードホルダー(H14.5×W18×D4cm)10万3400円、シャツドレス32万3400円、ショーツ20万9000円、キャップ7万9200円、ソックス1万7600円、シューズ 参考商品/以上、エトロ(エトロ ジャパン)
新しい「エトロ」の未来を担う
マルコ・デ・ヴィンチェンツォ
 2023年春夏ウィメンズ・コレクションから新クリエイティブ・ディレクターに就任したマルコ・デ・ヴィンチェンツォは、00年に「フェンディ(FENDI)」のアクセサリーラインのデザイナーとしてキャリアをスタート。09年には自身の名を冠したウィメンズウエアブランドを立ち上げ、同年7月に「ヴォーグ イタリア(VOGUE ITALIA)」主催のコンテスト「Who is on Next?」で優勝するなど、イタリアファッションの未来を担うデザイナーとして注目を集めてきた存在だ。「エトロ」のデビューコレクションでは“エトロピア(ETROPIA)—自分らしさを求めて、現実と想像を行き来する旅”をテーマに、フレッシュな感性を刺激するリアルクローズを提案。ウィメンズとメンズ、ホームコレクションまで統括するブランドの革新者に、さらなる期待が集まる。
フレッシュな感性が際立つ
限定コレクション
伊勢丹新宿本店で
ポップアップストアを開催
 「エトロ」は、新クリエイティブ・ディレクターのマルコ・デ・ヴィンチェンツォの描くクリエイティブビジョンを体現したエトロピア(ETROPIA)ポップアップストアを、2月15日から2月23日まで、伊勢丹新宿本店本館1階ザ・ステージで開催する。同ポップアップでは“ラブトロッター”のアップサイクルのコレクションも登場し、バッグに加え、ポーチやカードホルダーなど、6モデル17種類のアイテムを限定販売する。どのアーカイブファブリックも日本でしか取り扱わない貴重なものばかりなので、この機会にぜひ足を運びたい。また、三越伊勢丹のVRアプリ“レヴ ワールズ (REV WORLDS)”ともコラボレーションし、メタバース上に「エトロ」のバーチャルポップアップストアも2月15日からオープン。オンラインショッピングや、アバター用ウエアラブルアイテムなどプレゼントがもらえるゲームコンテンツも注目だ。
MODEL : HIKARI MORI(SECOND HUB)
PHOTOS : BUNGO TSUCHIYA(TRON)
STYLING : SHINO SUGANUMA
HAIR : TETSUYA YAMAKATA(SIGNO)
MAKEUP : YUMI ENDO(EIGHT PEACE)
MANICURE : AYAKA TANAKA(SALON N)
TEXT : MAKIKO AWATA
問い合わせ先
エトロ ジャパン
03-3406-2655