2017年9月に「WWDビューティ」が創刊10周年を迎えたことを記念してスタートしたフォトコンテスト「WWDビューティ ヘアデザイナーズ コンテスト」。全国の理美容師、ヘアメイクアップアーティストを対象に、モデルを起用したヘアデザイン作品を募集し、グランプリを決定するというコンテストです。3回目の開催となる今回は、2019年12月10日までの期間で、「2019〜2020年のコレクショントレンド(NY、パリ、ミラノ、ロンドン)におけるファッションやビューティのトレンドを意識した作品」というテーマで作品を募集しました。

コンセプトは「ビューティ×ファッション」

「WWDビューティ ヘアデザイナーズ コンテスト」のコンセプトは、「ビューティ×ファッション」。「WWDジャパン」や「WWDビューティ」「WWD JAPAN.com」のミッションの1つである、「ファッション業界とビューティ業界の垣根を取り払う」ことを目的とした取り組みでもあります。そのため、審査員にファッションデザイナーやセレクトショップのバイヤーなどを迎え、両業界を“クロス”させることを試みました。

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グランプリ受賞特典

グランプリ受賞者(1名)には、賞品(星野リゾートグループ宿泊券)が授与された他、「WWDビューティ」プロデュースのもと、「WWDビューティ」2020年2月6日号のカバーのモデルシューティングのヘア&メイクを担当してもらいました。また準グランプリ受賞者(2名)にも、同号の中面を飾る作品を作ってもらいました。

HAIR&MAKE-UP:KENTA KUROKAWA(LILU)
MODEL:SONIA KNYAZEVA(IMAGE)
PHOTO:KYOKO MUNAKATA(SIGNO)
STYLING:YOSHI MIYAMASU(SIGNO)

アートボード 5 のコピー 4

結果発表

グランプリ・準グランプリは、原田忠・資生堂トップヘアメイクアップアーティスト、奈良裕也「SHIMA HARAJUKU」アートディレクター兼クリエイティブスタイリスト、SAKURA「Cocoon」ディレクター、「WWDビューティ」編集部の4者が審査。またファッションブランド「ティート トウキョウ」とカルチャーショップ「BEAMS」の協力を得て、それぞれの賞を設けました。

グランプリ グランプリ

クロカワケンタ エントリーNo.28 /
「リル(Lilu)」オーナースタイリスト

受賞作品では、ヘアとファッションのイメージを反転させたかのような世界観を作った。ヘアは、本来ファッションの要素になるような素材感、生地感のイメージで創作。ファッションは逆に、本来髪のイメージにあるような、風になびいたり、自由な動きを持って息付いたりした表情を作った。「一枚の絵として私が表現できるファッションフォトとは……」といった問いを持って作ったので、それが評価されてとても嬉しく思う。

審査員コメント
髪の質感、服のテクスチャーを計算しながらヘアスタイルで攻めている。ファッションにもちゃんと接しながら、テクスチャーのバランスやハーモニーをうまく表現できていて、その表現の仕方が新鮮。赤リップがワンポイントで、他の要素を削りながら素材やシースルー感を感じさせる作品で、1つの絵として引き込まれる。モデルの動きの瞬間を押さえたのか、あるようでなかったポージングにドキッとさせられる。(原田忠)
美容系のコンテストで“黒”をメインカラーにすると、ビジュアル系というか魔女っぽい仕上がりになるケースが多いが、この作品の“黒”はちゃんと今っぽくてかわいいしおしゃれな感じ。黒だけどダークじゃない黒で、服や髪のボリュームも計算されているし、モデルにすごく似合っている。なかなか黒でこういう感じは難しくて作れないと思うが、写真の構図や余白のバランスも巧みで、うまく作っていると思った。(奈良裕也)
髪の質感やシルエットが、髪のすき間から見えるモデルの表情を引き立てている。モデルのどういう瞬間なのか、どういう気持ちなのか、さらには温度感まで感じさせるテイストが素敵。触れてみたくなるような髪の触感や、衣装の質感へのこだわりを感じさせ、シースルーで肌が見えるところまで、細やかな見せ方へのこだわりが伝わってくる。一瞬をとらえた瞳の表情もいい。(SAKURA)

準グランプリ 準グランプリ

西森由貴 エントリーNo.8 /
資生堂ヘアメイクアップアーティスト

前回が準グランプリで、今回こそはグランプリを狙っていたので残念だが、レベルの高い作品が多い中、前回とは全く違うテイストの作品で2度目の準グランプリを受賞できたことは素直に嬉しい。受賞作品のテーマは「浮かび上がる」。背景から服が浮かび上がり、肌や服がくりぬかれたように見せた作品。今期コレクションでよく見られた“黒”をメインに、ヘアスタイルに直線を多く取り入れシャープな印象に仕上げた。

審査員コメント
髪が“直線”を中心に構成されているのに、強さをあまり感じさせない点が新鮮だと思った。シースルーなストレートタッチでまとめている一方で、どこか程よく力の抜けを感じさせてモデルにマッチしており、両極の要素を1つのものとして表現できている。その中でアクセサリーがちょっとだけ曲線を加えていて、直線と曲線のバランスもちゃんと計算されていて印象的。(原田忠)

寺田 祐子 エントリーNo.23 /
資生堂ヘアメイクアップアーティスト

ヘアはレトロなフィンガーウェーブのリッジに刺繡糸でアクセントをつけ、“レトロなスタイルだけど新しい”をテーマに作った。メイクはコレクションでも見られた深めの赤リップで、モデルの持つ強さを生かした。トレンドを踏まえ、ファッションを含め写真全体で評価してもらえるフォトコンテストは少なく、このコンテストは必ず受賞したいコンテストだったので、準優勝に選んでもらえてとても嬉しい。

審査員コメント
作り込みが圧倒的ですごいと思った。髪を“布”のように扱い“縫い込んで”形を作っていたり、衣装を糸の感じとリンクさせていたりと、見れば見るほど仕掛けが面白いし、アイデアが素敵。細かく見ると情報量が多いが、メイクや衣装はシンプルで、そのバランスが作品を引き立てている。うつろな表情もかわいい。(SAKURA)

ティート トウキョウ賞 ティート トウキョウ賞

西森 由貴 エントリーNo.04 /
資生堂ヘアメイクアップアーティスト

今回のコンテストには3作品エントリーしたが、その中で個人的に一番好きな作品だったうえ、ブランドとしても大好きな「ティート トウキョウ」のデザイナーお二人に選んでいただけとても嬉しく思う。ヘア&メイクは過度な主張をせず、それでいて目を引くデザインを目指して構想を練った。ミニマムな中にクラシカルな要素を入れることで、今シーズンの雰囲気を漂わせられるように心掛けた。

審査員コメント
過度にアヴァンギャルドなわけではなく、絶妙なニュアンスで個性を表現しているところがいいなと思った。アクセントが効いていて、ファッション性がありつつも、日常の風景の中にマッチしそうなところが「ティート トウキョウ」の世界観と通じるところがあり共感が持てた。(岩田翔・滝澤裕史/「ティートトウキョウ」デザイナー )

ビームス賞 ビームス賞

寺田 祐子 エントリーNo.23 /
資生堂ヘアメイクアップアーティスト

これまでチャレンジしたコンテストはヘアに特化したものが多く、ヘアを目立たせるためメイクはレスにすることが多かったが、今回はファッションを含め写真全体を評価してもらえるという点で、いつもよりメイクにもこだわった。メイクの質感や細かいところまで見ていただき、コメントをもらえたことがとても嬉しい。「BEAMS賞」をいただけたことを光栄に思う。

審査員コメント
カットオフのボブにクラシカルなアレンジを加えたヘアスタイルが、秋冬のコーディネートと組み合わせたときに、モードな雰囲気を高めてくれると感じる。アイブロウのアレンジや、ぼかしてつけている深みのあるボルドーカラーのリップ、目元や肌のハイライトも、ナチュラルな部分を生かしつつ、各パーツのポイントを引き出している点が印象的。(片桐恵利佳/インターナショナルギャラリー ビームス ウィメンズディレクター )

審査員総評

3人の審査員それぞれに、「WWDビューティ」がコンテストを開催する意義についてや、応募作品全体を見て感じたことについて話してもらいました。

原田忠 資生堂トップヘアメイクアップアーティスト
兼SABFA校長

女性像をしっかり表現している
作品が増えてきたと思う

ヘアデザイナーを対象にしたコンテストでは、ヘアに重点を置いてテクニックを見せたがる傾向が強いが、このコンテストに関してはテクニックを見せるより、テクニックをあえて強調しないところに力を入れながら、ファッションなどでトータルに表現することがポイント。それを理解し、トータルコーディネートに重点を置いて、女性像をしっかり表現している作品が増えてきたと思う。

奈良裕也 「SHIMA HARAJUKU」アートディレクター
兼クリエイティブスタイリスト

ファッションに近い作品が集まっている
今後も「WWDビューティ」らしい作品に期待

いろいろな美容系の審査員をしているが、「WWDビューティ ヘアデザイナーズ コンテスト」はよりファッションに近い作品が集まっていて、しかも第1回よりもそうした作品が増えていて良い傾向だと思う。今回の作品もすごく見ごたえがあって、とてもおしゃれな作品が多くてよかった。「WWDビューティ」のコンテストでしかできない作品がもっと出てくるといいなと、次回も楽しみにしている。

SAKURA 「Cocoon」ディレクター

時代感や抜け感をあえて“黒”で
表現している作品がすごく刺さった

今回目についたのは“黒の使い方”で、そこに今年っぽさを感じた。黒は強くてかっこいい印象があるが、今の空気、時代感や抜け感をあえて黒で表現している作品がすごく刺さった。全体的にヘアだけでなく、ファッションやメイク、モデルの表情作りなどにも力を入れている作品が多く、いろいろな要素で表現しているのがこのコンテストの良さだと思った。素敵な作品ばかりで、審査していて面白かった。

受賞者によるシューティング作品は2月6日号紙面にて掲載!!

当選者発表

一般投票部門で1位に輝いた作品(エントリーNo.39)に投票した方は、投票したときに表示された10ケタの番号をご用意いただき、その上6ケタの数字に着目してください。上6ケタの数字が、以下に表示された中にあれば、貴方は当選です。当選された方は、●10ケタの番号/●お名前/●住所/●希望のプレゼント番号(第3希望まで)を書いたメールを、下記までお送りください。

※当選者様によるプレゼントの応募メールの受け付けは、2020年3月20日(金)までとさせていただきます。
※頂戴した個人情報は、プレゼントの発送以外の目的では使用致しません。
※第3希望までに入っていないプレゼントが当たる可能性もございます。

ex) 2000002000

当選者番号上6桁

  • 976583
  • 859603
  • 836999
  • 824618
  • 821480
  • 578651
  • 540805
  • 466415
  • 388324
  • 293067
  • 269673
  • 250586
  • 076636
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