2017年9月に「WWDビューティ」が創刊10周年を迎えたことを記念し、スタートしたフォトコンテスト「WWDビューティ ヘアデザイナーズ コンテスト」。全国の理美容師、ヘアメイクアップアーティストを対象に、モデルを起用したヘアデザイン作品を募集し、グランプリを決定するというコンテストです。2回目の開催となる今回は、2019年1月8日までの期間で、「2018〜2019年のコレクショントレンド(NY、パリ、ミラノ、ロンドン)におけるファッションやビューティのトレンドを意識した作品」というテーマで作品を募集しました。

コンセプトは「ビューティ×ファッション」

「WWDビューティ ヘアデザイナーズ コンテスト」のコンセプトは、「ビューティ×ファッション」。「WWDジャパン」や「WWDビューティ」「WWD JAPAN.com」のミッションの1つである、「ファッション業界とビューティ業界の垣根を取り払う」ことを目的とした取り組みでもあります。そのため、審査員にファッションデザイナーやセレクトショップのバイヤーなどを迎え、両業界を“クロス”させることを試みました。

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グランプリ受賞特典

グランプリ受賞者(1名)には、賞品(宿泊券)が授与された他、「WWDビューティ」プロデュースのもと、「WWDビューティ」2019年2月21日号のモデルシューティングのヘア&メイクを担当してもらいました。また準グランプリ受賞者(2名)にも、同号の中面を飾る作品を作ってもらいました。

HAIR&MAKE-UP:KOUICHI MONMA(SHISEIDO)
MODEL:FABIENNE(WIZARD)
PHOTO:KAZUMA TAKIGAWA
STYLING:YOSHI MIYAMASU(SIGNO)

アートボード 5 のコピー 4

結果発表

グランプリ・準グランプリは、原田忠・資生堂トップヘアメイクアップアーティスト、奈良裕也「SHIMA HARAJUKU」アートディレクター兼クリエイティブスタイリスト、柳亜矢子「broocH」ディレクター、大出剛士「WWDビューティ」編集長の4人が審査。また「ビューティフルピープル」と「エストネーション」の協力を得て、それぞれの賞を設けました。

グランプリ グランプリ

門馬宏一 資生堂 ビューティークリエイションセンター
ヘアメイクアップアーティスト

これまでチャレンジしてきたコンテストはヘアメイクに特化したものが多かったため、ファッションを含めた写真の全体像をトータルで評価してもらえる点に魅力を感じチャレンジを決めた。そういった意気込みで応募したので、グランプリを受賞できて嬉しい。受賞作品は、田舎の少女のイメージを持たせつつ、芯の強い女性を表現。ジェンダーレスの時代を反映するような作品に仕上げた。

審査員コメント
一般的なヘアコンテストには、“見せたがり”な作品が多くなる傾向がある中で、この作品はやり過ぎていないのに計算されている印象を受けた。ヘアメイクとファッションの統一感の中に、喜怒哀楽とは異なるモデルのエモーショナルな要素も感じる。エモーショナルな要素を引き出せているのは、ヘアメイクとファッションがモデルとなじんでいる証拠でもある。(原田忠)
ファーストインプレッションで良いと思った。単なるフォトコンテスト作品ではなく、モード系のファッション誌の1ページを飾ってもおかしくない作品で、「WWDビューティ ヘアデザイナーズ コンテスト」のコンセプトにぴったり合っていると思う。ヘアとファッションのどちらにも偏り過ぎることなく、全体のバランスが一番良かったのがこの作品だった。(奈良裕也)
ヘアデザインだけでなく、メイクやファッションの要素を含めてトータルの構図が良い。眼鏡などの小物のセレクトや、その使い方にもセンスを感じる。今回のテーマだった「2018~19年のコレクションにおけるファッションやビューティのトレンド」の要素が各所に散りばめられていて、かつ引き算も忘れず、このコンテストの趣旨をよく理解していると感じた。(柳亜矢子)

準グランプリ

西森由貴 資生堂 ビューティークリエイションセンター
ヘアメイクアップアーティスト

トレンドを踏まえ、ファッションを絡めたうえで写真全体を評価してもらえる点が魅力で応募をした。応募作品は、まず背景のカラーをメインとして最初に決め、くすんだブルーの髪色を合わせ、それにマッチしたファッションなどを決めていった。写真全体の見え方を第一に考え、そこから各ピースを組み立てていったが、そのやり方で評価されたことで自信がついた。

審査員コメント
ヘアとメイク、ファッション、背景など各要素のバランスがとても良く、モデルがかわいく表現されている作品。ここにエッジさ、抜け感などのスパイスを加えたら、また新しい魅力が出ると思う。写真の撮り方も美しいが、ある意味まとまり過ぎているので、足したり省いたりとどこかで遊べば、さらに強さが出せると感じた。(奈良裕也)

小野智生 「アミティ(Amity)」代表

ファッションとヘアメイクの融合という点でこれまでにないタイプのコンテストで、自分自身がファッション好きということもあり、受賞できて本当に嬉しい。応募作品は、モデルの顔立ちに意志の強さが表れていたので、そこに合わせて丸いフォルムは避けて角を出した。作り込むスタイルはあまり好きではなく、その姿勢が評価されたのだと思う。

審査員コメント
狙い過ぎていない雰囲気が良いが、実際にはコントラストや長短のつけ方、フォルムにまで意識が行き届いている。あえてネイルを施していなかったり、そばかすをそのまま見せていたりして、そういった細かい意識をこちらに見えないように落とし込んでいる作品。(原田忠)

BEAUTFUL PEOPLE PRIZE ビューティフルピープル賞

赤木貴洋 「ヘアーズギャラリー(Hair's Gallery)堺店」店長

リーゼントライクなジェンダーレスなヘアに、暖色系のアイメイクとリップで女性らしさをプラス。衣装はヘアメイクが引き立つようシンプルなものをセレクトし、芯のある女性像を創作した。今まで見たことがないスタンダードを作ろうというコンセプトで、デザイナーをされている熊切さんに選んでいただいて大変光栄に思う。

審査員コメント
ヘアスタイルとアイブロウの質感と毛の流れが、羊水で濡れている生まれてきたばかりの赤ちゃんのようで、神々しい美しさを感じた。無造作なようで計算されたヘアメイクに脱帽した。(熊切秀典/「ビューティフルピープル」デザイナー)

ESTNATION PRIZE エストネーション賞

高野琴実 「ジェノ(JENO)」アシスタント

コケティッシュな女性像に加え、ヘアメイクとファッションでモード感をプラスした。ヘアとライティングの柔らかい質感に寄り過ぎないよう、ビビッドなパープルをメイクとファッションに取り入れたのがポイント。カラーバランスを大切にして仕上げた。今回はファッション業界の方に選んでもらったということでとても光栄に感じている。

審査員コメント
凛とした眉とニュアンスヘア、ウォーム感のあるリップには知性と色気が漂い、ストーリーを感じさせる。カラーリングは2019年春夏のムードをまとっていて、トレンド感も加味されている。現代的なリアルエレガンスを提案するエストネーションの女性像ともリンクするヘアメイクだと感じた。(藤井かんな/エストネーション ウィメンズ部門ディレクター)

POPULAR VOTE DAPARTMENT PRIZE 一般投票部門

齋藤雅仁 エントリーNo.40 /
「リテ(rite)」オーナー

ファッション性が強いコンテストということで、引きの構図にこだわった。ヘアメイクとファーでクセのある強いイメージを打ち出す一方、シャイニー素材の衣装を取り入れて女性的になるように仕上げた。一般投票部門でグランプリをとれたことは、素直にとても嬉しい。“勝って驕らず負けて腐らず”の精神でさらに頑張っていきたい。

審査員総評

4人の審査員それぞれに、「WWDビューティ」がコンテストを開催する意義についてや、応募作品全体を見て感じたことについて話してもらいました。

原田忠 資生堂トップヘア
メイクアップアーティスト

ファッションに注力した作品や
チャレンジングな作品が目立った

前回よりもファッションに注力した作品が増えたと思う。よく考えてコーディネートした作品が多く、チャレンジングな作品も目立っていた。引きで撮った作品が多く、ファッションとの融合を強く意識していることが伝わってきた。美容とファッションは、まだまだ“近いようで違う世界”だが、このコンテストが両業界を融合する位置づけになってほしい。

奈良裕也 「SHIMA HARAJUKU」アートディレクター
クリエイティブスタイリスト

ファッションへの意識を高める
いいきっかけになるコンテスト

去年に引き続き、レベルの高い作品が多かった。ヘアスタイルだけでなくファッションを意識して作った作品が多いことで、見ていて楽しむことができた。ファッションを含めた評価をすることで、美容師にヘアだけでなくファッションの勉強もしなくてはならない意識が生まれるため、業界全体にとっては良いきっかけになるコンテストだと思う。

柳亜矢子 「broocH」ディレクター

コレクショントレンドを踏まえ
トータルバランスを見て審査

このコンテストには「コレクションのトレンドを意識した作品」というテーマがあるため、応募者は必然的に最先端のトレンドの勉強をすることになり、ファッションの知識を深めることができる。今回の審査では、美容業界のフォトコンの流行に乗った作品ではなく、ファッションを含めた全体のバランスを見て、私なりにおしゃれと感じた作品を選ぶように意識した。

大出剛士 WWDビューティ編集長

トレンドを踏まえた創作に感謝
次回は日本人モデル作品にも期待

全体的にファッション性が高く、モード誌やコレクションをきちんと研究して応募してくれたと感じる作品も前回より増えて嬉しく思う。日頃からファッションにアンテナを張っているからこそ生まれた表現などもあり、ヘアデザインの新たな潮流を感じた。また、今回は外国人モデルが多かったが、次回は“日本人モデルとファッションの融合”も見てみたいと思う。

受賞者によるシューティング作品は2月21日号紙面にて掲載!!

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