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香水の楽しみ方、広がってます

今秋予定されている奈良国立博物館の「正倉院展」に、“信長や足利義政が愛した名香”という触れ込みの香木「蘭奢待(ランジャタイ)」が出陳されることを密かに楽しみにしています。なんという歴史ロマン!まず名前がかっこいいですし。どんな香りなんでしょうか。あ、お笑い芸人じゃありませんよ。

とか思っていたら、さらに衝撃の香りネタが飛び込んできました。横浜ラーメン博物館による、ラーメンの“余韻”の香水!鶏油のリップグロスもあります。完全にお笑い狙いかと思ったら、由緒正しいフレグランスメーカーが本気で取り組んでいるようです。「蘭奢待」以上に気になる!詳細は記事をお読みください。

「WWDJAPAN」編集委員
五十君 花実
NEWS 01

“ラーメンの余韻”をイメージしたフレグランス&リップグロスが誕生 新横浜ラーメン博物館が発売

新横浜ラーメン博物館は7月17日、館内のミュージアムショップを全面リニューアルし、ラーメンをモチーフにした香水やリップグロスなどのオリジナル製品を発売する。調香は和の香水ブランド「ジェイセント(J-SCENT)」を手掛けるルズ社が行い、ラーメンを取り巻く物語を香りに込めた。リップグロスはラーメンの味を支える“鶏油”をイメージしている。

「ラーメン体験の余韻を持ち帰る」新コンセプトのミュージアム

同館では開館以来、ラーメン文化の多様性や時代を超えた食の魅力を伝えることをテーマに、国内外の銘店の味やその背景にある物語を紹介してきた。今回のリニューアルでは、そうした体験の余韻を日常に持ち帰るためのもうひとつのラーメン体験の場として構想。食後の満足感を記憶として留めるだけでなく、物語性のある土産の企画、開発を行った。

フレグランスとリップグロスを手掛けたルズ社による「ジェイセント」は、国内最大規模の香りの祭典「サロン ド パルファン」への出展やEUへの進出などで注目を集める日本を代表するフレグランスブランドだ。現在はヨーロッパを中心に20か国以上に販売網を展開し、海外の取扱店舗数が日本国内を上回るなど、国外からも支持されている。

昭和のラーメン風景を香りで表現したフレグランス2種

新横浜ラーメン博物館のラーメンとラーメン文化へのこだわりと、記憶と感情を呼び覚ます独創的な調香で知られるルズ社のタッグにより生まれたフレグランスは2種で、共に「昭和100年」モチーフにしラーメンと昭和の世界を香りとして表現した。ひと口目をすする直前の幸福な瞬間に着想を得た“ラーメン”(30mL、4100円)は、小麦の蒸気、優しい鶏油、漂う醤油の気配を、食べ物の匂いではなく「ラーメンのある風景」をイメージさせる繊細な香調に仕上げた。トップノートにアルデヒド、ミドルノートにガイアックウッド、ホワイトシダー、ドライウッディノート、ラストノートにサンダルウッド、アンバー、ムスクを取り入れている。

“1958”(30mL、4100円)は、昭和33年の地下に広がる「もうひとつの日本」をテーマにした。木材の古びた香りと無機質なコンクリートの埃っぽさを融合し、そこにサンダルウッドのぬくもりが重なることで、高度経済成長期のエネルギーとノスタルジーを香りで体現する。トップノートにクローブ、ミドルノートにシダーウッド、ガイアックウッド、ラストノートにサンダルウッド、アンバー、パチュリを使用している。

鶏油をモチーフにしたリップグロス

ラーメン文化に根差した遊び心あるコスメとして開発した“鶏油リップ”(880円)は、鶏油を塗ったような艶感のあるリップグロスとして企画。まるで鶏油をまとったかのような自然な艶と、鶏の白い羽根をイメージした清潔感のある香りが特徴だ。無着色のため、性別を問わず幅広い層が使用できる。

ほか、ラーメンをモチーフにしたオリジナルぬいぐるみも展開する。麺をゆでる際に使うてぼ網をモチーフにした“てぼ”(3490円)、“どんぶり”(1970円)、具材と麺の“4点セット”(1750円)を用意。女性スタッフの「ラーメンのぬいぐるみがあったらいいのに」という一言からスタートし、見た目の可愛らしさだけでなく、手ざわりのよさや安全性にもこだわっている。

■新横浜ラーメン博物館

住所:横浜市港北区新横浜2-14-21
時間:平日11:00〜21:00(ラストオーダー20:30)、土日祝10:30〜21:00(ラストオーダー20:30)
入場料:大人450円/小中高校生100円/シニア100円(小学生未満無料)
公式サイト>>

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NEWS 02

TSIがデイトナ買収を決めたワケ 「同質」の課題と「異質」の強み

TSIホールディングスが、セレクト業態「フリークス ストア(FREAK’S STORE)」擁するデイトナ・インターナショナルを買収する。主力ブランドの伸び悩みや統合ECへの移行遅れなど、不安要素が残るTSI。なぜこのタイミングで攻めの大型買収に踏み切ったのか。

TSIによるデイトナ買収額は約283億円、9月2日に株式取得を予定する。売主はユニゾンキャピタル。案件は年初にマーケットに出され、TSIは4月頃に買収の意向を固めたという。TSIは現在、自己資本1000億円超、現預金と有価証券を合わせて約560億円、借入金は10億円台という、比較的健全な財務基盤を持つ。15日に行われたTSIホールディングスの2025年3〜5月期決算発表会で、下地毅社長はこの大型ディールについて、「成長投資と株主還元の両立が可能だ」と説明した。

ただ同日発表されたTSIの3〜5月期決算では、売上高は前年同期比9.4%減の356億円。百貨店(前年同期比19.4%)減や駅ビルなどの非百貨店(同4.0%減)、EC(同14.9%減)といったすべての販路で売り上げは前年割れとなり、2月に発足した新統合ECモール「ミックスドットトーキョー(MIX.TOKYO)」も、旧サイトからの会員移行が想定を下回った。「ナノ・ユニバース(NANO・UNIVERSE)」は前年同期比7.8%減、「マーガレット・ハウエル(MARGALET HOWELL)」は同13.7%減、「パーリーゲイツ(PEARLY GATES)」は18.0%減と、主力ブランドも軒並み苦戦した。

売り上げの足元を見ると、「攻め時」とは言い難い局面に見える。それでもTSIが、このタイミングでの買収を選択したのはなぜなのか。その理由のひとつが、デイトナとTSIが同質の課題=伸び代を抱えている点にある。

デイトナは仕入れ構造改革で
「営業利益10%に高められる」

デイトナは直近3カ年で最終赤字が続いており、25年2月期の連結売上高は393億円と伸長したが営業利益は5億3900万円にとどまり、最終損益は3期連続で赤字。“仕入れ構造の重さ”をボトルネックとして抱えており、粗利率の改善余地やコスト構造の見直しが必要となっている。

これは、TSIが近年直面していた課題でもある。そこで同社はここ数年、プライシングの見直し、在庫圧縮、原価管理を通じて収益構造改革を実施。その結果、この第1四半期では売上総利益率が1.4ポイント改善、販管費や在庫評価損も抑制し、純利益19億6000万円(前年同期から+14.2 億円)を確保するなど、一定の成果が出た。

TSIは、デイトナと同じ課題を持っているからこそ、適切にメスが入れられると考えているのだろう。下地社長はデイトナについて、「将来的には営業利益率を 10%まで高めたい」と目標を語る。

若い顧客基盤とOMO
統合ECにノウハウ注入

一方、デイトナはTSIにはない強みもある。主力の「フリークス ストア」をはじめ20代を中心とした若年層に強く支持されており、EC化率は50%超。自社モール「デイトナパーク(DAYTONA PARK)」やSNS運用、リアル店舗とのOMO連携など、デジタルとリアルを融合させたビジネスモデルはすでに成熟している。TSIは「ミックスドットトーキョー」が滑り出しの段階にある中、デイトナのOMOノウハウを取り込み、相互送客やクロスバイの促進、UI/UX設計のブラッシュアップにつなげる目論見がある。

一見、「攻めどき」とは思えないTSIによるデイトナの買収。既存ブランドの立て直しという目下の課題に直面しながら、未来へ向けた布石を打つ。

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最新号の読みどころ

「WWDJAPAN」4月6日号(vol.2466)は、これから新しい一歩を踏み出すフレッシャーズはもちろん、変化の激しい現代を生き抜く全業界人へ贈る、熱量たっぷりの「ファッション&ビューティ業界入門 2026」特集です。業界で働くとは、つまり「プロ」として生きていくこと。そのためにまず把握しておくべき「業界のアウトライン」を知るための最新データとエッセンスをぎゅぎゅっと凝縮しました。