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構造改革や新規事業に必要なこと

ストライプインターナショナルの「アースミュージック&エコロジー」が復調しています。ブランド設立25年で客層が変わり、ターゲットの客層に合わせた4ラインに再編成したことも奏功しているようです。ターゲット別にライン分けするのは合理的である一方、レーベルが増えすぎて複雑化するリスクもあります。セレクト業態でも多い手法ですが、最近はブランドが乱発しすぎて、各レーベルの役割が明確なものと、そうでないものがある印象です。

「アース」が復調しているのは、記事にもある通り、構造改革の意図や目指す方向性が現場にもしっかり浸透しているからではないでしょうか。業務が多岐にわたるタイミングだからこそ、まずは内部のケアが最も重要なのだと再認識しました。

大塚 千践
NEWS 01

「アースミュージック&エコロジー」復調 20代23%の現状打破なるか

ストライプインターナショナルが展開する「アースミュージック&エコロジー(EARTH MUSIC&ECOLOGY)」が復調している。セールの乱発などでしばらく低迷していたが、2023年から不採算店舗の削減や供給抑制などの構造改革に着手。今年春以降は既存店売上高が20%増で推移する。

20代の女性獲得を狙ったMDが少しずつ成果を見せ始めた。「アース」は設立から25年がたち、顧客の高齢化が進んでいた。そこで商品構成を20代に向けた2ライン、既存の幅広い世代に向けた2ラインの計4ラインに再編成。若い世代が多い駅ビルの店舗、幅広い世代が来店する郊外のショッピングセンターの店舗で商品構成を変更し、ターゲット層を的確にキャッチする店作りに取り組んだ。本部と店舗の連携を強化し、販売員が商品の企画意図の理解を深めたことも、買い上げ率の向上につながった。

23年9月の年代別買い上げ客数比率は、20代が23%で、40代〜60代が50%を占めていた。今後は20代〜30代の比率6%増を目指す。

24年4月にはブランドパーパスを「いいことあるかも&できるかもという『期待』を増やす」に設定した。日常の中のワクワクを増やすようなブランドでありたいという思いを反映し、スタッフがブランドの立ち位置を再認識するフックにしている。

24年1月期の既存店売上高は前年比15%増で、今期(25年1月期)に入ってからも20%増と好調に推移している。さらなる20代〜30代の獲得をめざし、SNSなどでタッチポイントを増やしていく計画だ。

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NEWS 02

アバハウスも富裕層女性狙う 新ブランド「ボーヴェット」滑り出し順調

アバハウスインターナショナルの「デザインワークス(DESIGN WORKS)」が富裕層女性の取り込みに力を入れている。昨年10月、大人女性をターゲットにハイエンドのハウスブランド「ボーヴェット(BEAUVET)」をスタート。伊勢丹新宿本店、銀座路面、六本木ヒルズ、高島屋大阪店、大丸心斎橋店といった都心部の店舗に導入し、立ち上がりの24年春夏は早期完売するアイテムも出た。

商品はすべて国内生産
人気商品は20〜30点が完売

商品はすべて国内生産。ツイードやレースといったトラッドな素材にベロア・サテンなど光沢素材、ときおりファンシーな色柄を織り交ぜて、ベーシックな中に個性とモード感をしのばせる。ブラウス・パンツ5〜6万円、ワンピース5〜10万円と高額ながら、今春夏は20〜30点縦売れした品番もある。4月中旬には、大人女性のファッションアイコンである翁安芸と協業したインスタライブを実施し、番組内で紹介・着用した総柄ワンピース(10万4500円)は即完売。再販リクエストも相次いだ。

24年秋冬は“ニューコントラスト”がテーマ。ツイードやレザーを主役に、ソフト×ハード、エレガント×カジュアルといった相反する要素をコーディネートに同居させ、アンマッチ感を楽しむ。シーズンの顔となるアイテムは、ツイードのジレとジャケットのコンビ、レザーのワンピース。今後は百貨店でのポップアップ展開などを視野に入れ、認知拡大に力を入れる。

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最新号の読みどころ

「クワイエット・ラグジュアリー」の静寂を破り、2026年春夏のウィメンズ市場に“カワイイ”が帰ってきました。しかし、大人がいま手に取るべきは、かつての「甘さ」をそのまま繰り返すことではありません。求めているのは、甘さに知性と物語を宿した、進化した“カワイイ”です。「WWDJAPAN」12月15日号は、「“カワイイ”エボリューション!」と題し、来る2026年春夏シーズンのウィメンズリアルトレンドを徹底特集します。