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そのレザー、本革ですか?
本革でないものに「レザー」という言葉を使うことを避けるべきとJISが規定しました。「マッシュルームレザー」や「ビーガンレザー」など、昨今、本革を代替する素材に「レザー」と使うケースが増えていました。
この記事を読んで私が気になったのが、「シンセティック(人工)レザー」は?ということ。林記者に聞いたところ、質疑応答で「フェイクレザー」も避けるべしという回答だったそう。みなさん「人工皮革」と表記するようになるのでしょうか?代替する“表現”の模索が始まりそうです。
「革」「レザー」の表記が厳格に JIS、動物由来に限定
「○○革」「○○レザー」といった表記の厳格化が進みそうだ。日本産業規格(JIS)は3月、「革」「レザー」の用語を規定した。「革」「レザー」と呼べるのは、動物由来の素材に限定する。近年増えているリンゴ、キノコ、サボテンなどを由来とした素材を「○○レザー」「○○革」と呼ぶことはJISに適合しない。さまざまな名称が氾濫しているため、消費者の誤解を招かない措置が必要と判断された。
JISは日本の国家規格。自由に放置すれば、無秩序化してしまう商品名や素材名などに対し、消費者の保護や市場の公平性の立場から統一した規格を定める。JIS自体に法的な強制力はないものの、法令などに引用された場合は強制力を持つ。
背景には近年の「○○レザー」「○○革」という言葉の世界的な増加がある。もともと「leather(革、レザー)」は牛や羊、あるいはワニやトカゲなど動物由来の素材を指していた。しかし近年はサステナブルをうたうビーガンレザーやエシカルレザー、あるいはマッシュルームレザー、アップルレザー、サボテンレザーなど、非動物由来の素材にも「レザー」という言葉が使われるケースが急増した。動物の皮を使わずに、革の質感を再現した素材だが、正確な理解が浸透しないまま、消費者が誤解するケースも増えていた。対応策として既に15年に欧州規格のEN、19年に国際規格のISOが「leather」の規格を定めている。
今回のJISも国際的な規格化の動きに沿ったものだ。皮革業界や消費者センター、百貨店など小売業界からの要望もあった。JISの規定では、植物由来で革の質感を再現した素材は「合成皮革」「人工皮革」に分類される。
今後、衣料品、バッグ、シューズなどの販売で表記が厳格化されることになる。JISに法的な強制力はないものの、百貨店など大手小売業を中心にJISに合わせ、「ビーガンレザー」「エシカルレザー」などの表記を避ける動きが広がりそうだ。
今回のJISの規定についてファッション・小売関係者の関心は高い。皮革の大型展示会「東京レザーフェア」(5月23、24日)内で開催された日本皮革産業連合会による説明会には、定員を上回る約160人が出席した。
減量薬のオゼンピックがベビーブームを生み出す? 糖尿病治療の薬が避妊の効果に影響か
糖尿病治療に効果があるとされるGLP-1減量薬の登場以来、ソーシャルメディア上では“オゼンピック・ベイビー”が騒がれている。医師は、GLP-1減量薬で最も人気のオゼンピック(OZEMPIC)やマンジャロ(MOUNJARO)などの減量薬を使用すると妊娠数が増えると報告。専門家は、GLP-1減量薬がホルモン性避妊法の効力に影響を及ぼしている可能性があると推測する。また体重が減ると、性交渉に前向きになるため妊娠しやすくなる可能性もあると指摘する。
肥満医学協会の会長で、肥満ケアのプラットフォーム「ノウンウェル(KNOWNWELL)」の最高医療責任者であるアンジェラ・フィッチ(Angela Fitch)医学博士は、「GLP-1減量薬が経口避妊薬の吸収率を変える可能性がある」と話す。実際米製薬大手イーライリリー(ELI LILLY)のマンジャロとデンマーク製薬大手ノボ・ノルディスク(NOVO NORSIDK)のオゼンピックは、ラベルに「経口避妊薬の効果の低下と妊娠リスクの可能性がある」と明記している。
産婦人科医で、英イェール大学の臨床教授であるメアリー・ジェーン・ミンキン(Mary Jane Minkin)医学博士は、「かなりの肥満は排卵を妨げる」と話す。フィッチ医学博士も、「肥満の人は妊娠しにくいというデータがある。体重を減らすと、その方法がどうであれ妊娠しやすくなる」と同意。「ノウンウェル」には、妊娠のために減量を望む人も数多く集まる。自分を不妊症だと思い込んでいるGLP-1減量薬の使用者には避妊しない人も多く、不意の妊娠につながるリスクがある。形成外科専門医で、「エレクティブ・ウェイトロス・プログラム(ELECTIVE WEIGHT LOSS PROGRAM)」を創設したシャーロン・ギース(Sharon Giese)医師は、「患者がセマグルチド(SEMAGLUTIDE)やマンジャロを服用する最初の1カ月間は、コンドームなどの避妊用具の使用を推奨している」と話す。ほかの医師は、GLP-1減量薬の服用者には子宮内避妊用具の使用などの非ホルモン性の避妊法を推奨しており、多くの製薬メーカーがこれを支持している。
フィッチ医学博士は、「オゼンピックのような減量薬が、乳幼児や発育中の胎児にどのような影響を与えるのかはまだ分かっていない」と話す。GLP-1減量薬が胎児に及ぼす影響を理解するためのデータ収集は10年以上かかると予想される。生殖精神医学の専門家で、妊産婦のメンタルヘルスケア・プラットフォーム「マビダ・ヘルス(MAVIDA HEALTH)」の創設者であるサラ・オレック(Sarah Oreck)医師は、「オゼンピックを服用している人の中には、ほかの薬剤を併用していたり、うつ病を患っていたり、多元的な問題を抱えている人もいるので、減量薬の直接的な影響を研究するのは難しい」と話す。
JPモルガンリサーチは、米国では2030年には3000万人がGLP-1減量薬を服用していると予測。フィッチ医学博士は、「不意の妊娠が増えることは問題だ。初期に集めたデータは、妊娠期間に対して胎児が十分に成長していないという所見を示している」と危惧する。妊娠が発覚した後は、直ちに投薬を中止することが推奨される。また、積極的に妊娠を試みる6週間前には薬の使用を中止すべきだ。一方でオレック医師は、「人々が生殖補助医療や体外受精に何百ドルも何千ドルも費やす前に、利用される手段になるかもしれない。産後の減量にも役立つだろう」と述べた。
「クワイエット・ラグジュアリー」の静寂を破り、2026年春夏のウィメンズ市場に“カワイイ”が帰ってきました。しかし、大人がいま手に取るべきは、かつての「甘さ」をそのまま繰り返すことではありません。求めているのは、甘さに知性と物語を宿した、進化した“カワイイ”です。「WWDJAPAN」12月15日号は、「“カワイイ”エボリューション!」と題し、来る2026年春夏シーズンのウィメンズリアルトレンドを徹底特集します。