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インバウンド消費のリアル

GW、都心はどこへ行っても訪日観光客であふれていましたが、下北沢も例外ではありません。登場してくださったみなさん、とてもいい笑顔。彼らのファッションと買った古着をぜひご覧あれ。

街頭に5時間立った記者の感想と共に、最後にあるJAM TRADINGの福嶋政憲社長のコメントも必読です。インバウンド消費のリアルが垣間見られます。

「WWDJAPAN」5月20日号でも特集予定です。どうぞお楽しみに。

「WWDJAPAN」副編集長
小田島 千春
NEWS 01

【スナップ】GWの下北沢でインバウンド客に聞く「何買った?」

【スナップ】GWの下北沢でインバウンド客に聞く「何買った?」

街頭に立って5時間超ウオッチング

自宅の近所にちょっと有名なお寺があり、出勤時(=朝から)多くの訪日外国人客とすれ違う。渋谷駅で降りれば、数百mの間、ほぼ外国語しか聞いていないことに気づく。通退勤時の電車内でも、大きなスーツケースを持った外国人と一緒になる。

つまり、訪日外国人客の“再増加”を日々の生活の中でひしひしと感じている。では、彼らはどこで何を買っているのか?

ゴールデンウイーク(GW)のある1日、正午から17時過ぎまで下北沢の街に立って、外国人に声を掛けてみた。買い物袋を持った人には中身も見せてもらった。

そこで見えた意外なリアルとは!?

オーストラリア、フランス、台湾など21人をスナップ!

19歳のフランス人“小顔”男子

米国から来たスキーインストラクター

仲良し台湾人ファミリー

「ゴジラ」好きの23歳スイス人

オーストラリアから来たDJ2人

オーストラリアからさらにDJ3人

英国×韓国の国際カップル

ノルウェーから来た元気な女子2人

オーストラリアの大人カップル

ちょっとシャイな香港のパパ&娘

「アート関係の仕事をしている」という香港人の父娘。「恥ずかしいから……」と顔出しはNGだったが、「買ったものなら」と協力してくれた。

インパクト抜群のフランス人“ツーリスト”

シンガポールから初来日中の歌手

下北沢のインバウンド客の財布のひもは案外堅い?

街頭に立って感じたのは、“下北沢を歩く人、店に入る人のざっと半分が外国人”ということ。

昨年、「古着屋ジャム下北沢店」をオープンしたJAM TRADINGの福嶋政憲社長に聞くと、免税売り上げは前年同期比で42.3%増だという。

同店の来店者は1日約700人で、うち50〜60人がインバウンド客だ。「オーストラリア人が多く、ヨーロッパからの訪日客も増えた」と話す。

インバウンド客の決定(購入)率は約2割で「日本人に比べて高い」が、“一度店を出て、戻ったものの買わない”姿も複数目撃した。円安の影響を受けた“(ほぼ)ノールック買い”は消えた印象だ。例え、それが5000円ほど(インバウンド客からしたら3000円ほどの感覚?)の古着だとしても。

福嶋社長は、「国内外を問わない古着ブームのおかげで、これまで縁がなかった人にも手に取ってもらえることは大きな前進。けれど、ブームは必ず終わる。外国人客が多いと感じるのは、裏を返せば日本人客が少ないということ。カルチャーとしての古着を、下北沢にあらためて根付かせることがわれわれの使命だ」と語った。

PHOTOS : SHIMPEI SUZUKI

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NEWS 02

百貨店4月度、1〜2割増収 気温上昇で春夏衣料好調

百貨店主要4社の売上高は、約1〜2割の増収だった。国内富裕層や訪日客による高額品購買に加え、気温の上昇や大型連休に向けた春夏衣料の好調が寄与した。

三越伊勢丹の売上高は前年同月比15.2%増、高島屋が同17.3%増、大丸松坂屋百貨店が同13.7%増、阪急阪神百貨店が同19.9%増。

三越伊勢丹は基幹3店(伊勢丹新宿本店、三越日本橋本店、三越銀座店)の合計売上高が前年同月比18%増、コロナ前の19年同月との比較で40.7%増。そのうち婦人服が前年同月比16.2%増、紳士服が同17.2%増で、「後半の気温上昇に伴い、夏物衣料への関心も高まった」(三越伊勢丹)。化粧品も同26.2%増と高伸長だった。

阪急阪神百貨店の阪急本店は前年同月比29.8%増。インバウンドも追い風となったバッグ、海外ファッションブランドの売上高は同1.5倍と絶好調。婦人服においては、「気温の上下が大きい中でニットやジャケットなどの羽織りが好調だった」(阪急阪神百貨店)。

高島屋は大阪店が前年同月比40.8%増、京都店が同26.5%増。大丸松坂屋は大丸心斎橋店が37.0%増、大丸京都店が25.3%増と、やはり都心店の好調が際立つ。

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最新号の読みどころ

「WWDJAPAN」12月22日&29日合併号は、創業90周年を迎えた吉田カバン総力特集です。「ポーター(PORTER)」「ラゲッジレーベル(LUGGAGE LABEL)」「POTR」の3ブランドを擁し、日本を代表するカバンメーカー・吉田のモノ作りに迫ります。日本が誇る伝統技術を持つカバン職人たちと深い関係を築きながら、最先端の技術・素材を使い名だたるデザイナーズブランドとコラボレーションする相反した性質はどんな文脈から生まれているのでしょうか。