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ラルフ ローレン、欧州とは違うラグジュアリーを目指して
ラルフ ローレンは、欧州ブランド同様のラグジュアリーを目指して失速、ただ止血は早く、その後「ファミリー」というアイデンティティやアイコニックな商品を打ち出して復調しました。そして再びアメリカン・ラグジュアリーのポジションを確立しようとしています。
先日、22-23年秋冬の展示会に伺いました。「ポロ ラルフ ローレン」は、ウィメンズではハンドニット風のツインセット、メンズではネルシャツ生地をパッチワークしたシャツブルゾンなど「攻めた」デザインが印象的でした。「値上げしても売れる」商品、とは、こういうことなのかもしれません。
ラルフ ローレン、22年3月通期はパンデミック前に復調 値上げを4年続けた結果
ラルフ ローレン(RALPH LAUREN)の2022年3月通期決算は売上高が前期比41.3%増の62億1850万ドル(約7897億円)、営業損益が4360万ドル(約55億円)の赤字から7億9840万ドル(約1013億円)の黒字へ、純損益が1億2110万ドル(約153億円)の赤字から6億10万ドル(約762億円)の黒字になった。過去4年にわたり値上げを続け、ブランドのポジショニングを高める中で、売り上げはパンデミック前(19年度)の水準をわずかに上回った。
地域別では北米の売り上げが同48.9%増、ヨーロッパが同52.7%増、アジアが同25.2%増を記録した。22-23年秋冬コレクションをニューヨークの近代美術館で開催したほか、冬季オリンピックでのアメリカ代表チームやオーストラリアオープンのスポンサーなどを務めライフスタイルブランドとしての存在感を高めた。アジアは最近のロックダウンなどが影響した。
22年1〜3月の値上げは平均して13%、年間では約15%となった。なお、前年は価格を約26%上げている。同時に同社はデジタル施策に注力し、デジタルの売り上げは同2ケタ増を、20年に比べると80%増を記録。そのほか顧客の若返りも図った。パトリス・ルーヴェ(Patrice Louvet)社長兼最高経営責任者は「23年に向けて健康的でサステナブルな成長の基盤を築いた。今後も上顧客の獲得やポテンシャルの高いカテゴリーの育成、地域・チャネルの拡大を図り成長を続ける」と意気込む。
23年の売り上げは8%の成長を見込む。
元首相の細川護熙氏がポーラ ミュージアム アネックスで個展開催 ウクライナ支援が目的
ポーラ・オルビスグループのギャラリー「ポーラ ミュージアム アネックス」は6月4〜12日、元首相の細川護熙氏の展覧会「明日への祈り」を開催する。ウクライナを思い、明日への祈りをささげた新作「百鬼蛮行ーわたしのゲルニカー」ほか、漆絵や書など過去に制作された作品を展示・販売。展覧会の収益はUNHCR(国連難民高等弁務官事務所)に寄付を予定している。
細川氏は1999年から作陶を始め、創作活動に加え、2009年から油絵、12年には襖絵の制作を開始し、京都や奈良の寺に襖絵を奉納するなど、その活動は多岐に渡る。ウクライナにおける悲惨な現状について、1人のアーティストとして「何かできることは無いか」という思いから、細川氏が懇意にしている鈴木郷史ポーラ・オルビスホールディングス社長に相談したところ、同展開催に至った。
同展では新作を2点披露する。新作の油絵「百鬼蛮行ーわたしのゲルニカー」は、「ウクライナの状況に心を揺さぶられ、衝動的に描いた」と、3週間で完成させたという。パブロ・ピカソ(Pablo Picasso)による戦争の悲惨さを訴える「ゲルニカ」に「今回の思いと通ずるものがあった。(ウクライナ北部の)チェルノブイリ原発事故によって原発を石棺に封印したように、蛮行をはたらく百鬼(ロシアの最高指導者に操られた兵士)とロシアにいる大魔王をその石棺の中に封じ込めた。一刻も早い終息の願いを込めた」と話す。もう1つの新作「神や憐れみ給えーわたしのミゼーレーレー」は、金箔を張ったキャンバスにクレバスで描き、2日で仕上げたという。
このほか、平和と安寧を願い、19年に奈良・薬師寺慈恩殿に奉納された障壁画大下図と今年5月13日に京都・龍安寺に奉納した雲龍図襖絵の下図も併せて展示する。
■細川護熙展「明日への祈り」
日程:2022年6月4~12日、会期中無休
時間:11:00〜19:00 (入場は18:30まで)
入場料:無料
場所:ポーラ ミュージアム アネックス
住所:東京都中央区銀座1-7-7 ポーラ銀座ビル3階
「クワイエット・ラグジュアリー」の静寂を破り、2026年春夏のウィメンズ市場に“カワイイ”が帰ってきました。しかし、大人がいま手に取るべきは、かつての「甘さ」をそのまま繰り返すことではありません。求めているのは、甘さに知性と物語を宿した、進化した“カワイイ”です。「WWDJAPAN」12月15日号は、「“カワイイ”エボリューション!」と題し、来る2026年春夏シーズンのウィメンズリアルトレンドを徹底特集します。