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創刊78周年の元祖オウンドメディア「花椿」がデジタル化した理由

 資生堂は「花椿」は2015年12月号で月刊誌を廃止した。6月1日から全面リニューアルしたウェブサイトをスタートした。海外の最先端のファッションやビューティ、カルチャー、アート、写真、文芸などを取り上げ、現在のファッション誌やカルチャー誌の原型として、また企業が発行するオウンドメディアの先駆けでもあった「花椿」はデジタル化でどう変わるのか。これまで資生堂ギャラリーを手掛けてきた樋口昌樹・新編集長に、リニューアルのいきさつや今後の目標について聞いた。

WWDジャパン(以下、WWD):あらためて、これまでの「花椿」の変遷とは?

樋口昌樹「花椿」編集長(以下、樋口):「花椿」は顧客に配布する会報誌のような形で1937年に創刊した。前身の「資生堂月報」も含めると、約90年以上の歴史を持っている。60年代後半のピーク時には680万部を発行していた。しかし、70年代の女性ファッション誌ブームをさかいに徐々に低迷し、2010年には発行部数3万部を切っていた。そこで、12年に一度、大規模なリニューアルを実施し、これまで化粧品の販売事業所に買い取ってもらっていた仕組みを変え、フリーマガジンとして、発行部数は10万部まで回復した。

WWD:では、なぜ今回のリニューアルに至ったのか?

樋口:部数自体は増やしたものの、店頭であまり役に立っていないのが実情だった。「花椿」の持つ世界観と、雑誌を置いてある専門店の顧客層が一致しなかったためだ。資生堂のお客さまの多くが「花椿」の内容に興味がなく、逆に「花椿」を目的に店舗に来る読者は、資生堂の製品を買わずに帰るということが非常に多かった。

WWD:デジタル化にシフトした理由は?

樋口:実は今回の見直しの際には、社内で“廃刊”も含めて検討した。雑誌を見る人は確実に減り、情報のタッチポイントがスマホへとシフトしている中で、今回紙での月刊発行をやめなければ、本当に廃刊してしまうかもしれないという危機感があった。社内の反対も根強かったが、残すべきものは「月刊誌」ではなく、「花椿」だと押し切った。もちろんクオリティーの高いビジュアルや長いコラムなど、紙でしか表現できないこともある。紙版「花椿」も9月末にパイロット版として“ゼロ号”を発行予定だ。

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