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“ラグジュアリー”の定義について考える
“ラグジュアリー”を皆さん、どのように定義しているでしょうか?いろんな要素があると思いますが、私は特に、そこに“夢”を感じられるもの、そのモノやサービス自体以上の価値を感じさせ、高い満足度を提供できるものを“ラグジュアリー”と考えています。
昨年12月下旬から毎日、羽田空港に誕生した“ジャパン・ラグジュアリー”の集積ショップ「ジャパン マスタリー コレクション」の商品を紹介しています。日本発の“ラグジュアリー”とは、一体どんなものでしょう?空港に行かずともラインアップの一部を知ることができます。
さらに、“ラグジュアリー”の定義についての考えを深めることができる「WWDJAPAN」最新号の詳細は、ぜひ一番下のリンクをご覧ください。
羽田空港に“日本発ラグジュアリー”集積ショップ「JMC」 佐賀県からは陶芸家・山本一洋による白金で彩色した伊万里焼
【佐賀県】
山本一洋による伊万里焼
「JMC」では、佐賀県伊万里市の陶芸家・山本一洋による伊万里焼作品“風の舞”を販売する。同氏は、“純プラチナ彩”と呼ばれる、高純度の白金で陶磁器を彩色する技法を生み出したことで知られ、高温で焼き付けた白金は美しい銀色をたたえる。

日本空港ビルデングと東京国際空港ターミナルは12月22日、羽田空港第3ターミナル出国エリア内に日本発の地方創生型ラグジュアリーブランド「ジャパン マスタリー コレクション(JAPAN MASTERY COLLECTION)以下、JMC」のショップをオープンした。
「JMC」は、単なるメード・イン・ジャパン商品の展開ではなく、ジャパン・ラグジュアリーを通じて“守るべき日本の美と技”を未来につなぐためのプラットフォームを構築し、製品への評価、生産者への資金の還元、後継者育成を目指すブランドだ。国内外の人々との接点である出国エリア内の店舗を通じて、同ブランドの感性基準に基づき日本各地から選定したオリジナル商品を含むアパレル、靴やバッグ、生活雑貨、現代アートなどを販売する。
店舗にはプロモーションエリアも設置。オープン第1弾は、「日本の美術工芸を世界へ実行委員会」による特別展「ひかりの底」を予定している。甘橘山美術館準備室長(小田原文化財団 江ノ浦測候所)を務める橋本麻里氏をキュレーターに迎え、変化し続ける工芸の最先端で活躍する作家6人が作品の展示と販売を行う。第2弾は、 山本寛斎事務所との共同のファッション企画「婆娑羅 BASARA」を実施している。
常時日本語、中国語、英語に対応できるサービスも整えており、店頭ポップの2次元コードを読み取ると選択した言語で商品説明や作家の紹介などを閲覧できる。
スパイバーの研究開発にケリングなど4社が参画 循環型に向け化学薬品の影響を調査
人工タンパク質「ブリュード・プロテイン(BREWED PROTEIN)」を開発したスパイバーの研究開発プロジェクト「バイオスフィア・サーキュレーション(生物圏循環)」に新たに、ケリング(KERING)のマテリアル・イノベーション・ラボ(Materials Innovation Lab)、「アイリーン フィッシャー(EILEEN FISHER)」「ジョンストンズ オブ エルガン(JOHNSTONS OF ELGIN)」、染料大手のダイスター(DYSTAR)が加わった。1月10〜12日にフランス・パリで開催された「バイオファブリケート パリ サミット2024」で発表された。
すでにゴールドウインや「パンゲア(PANGAIA)」が参画する同プロジェクトでは、未使用のアパレル製品やテキスタイル、農業廃棄物を使用し新たな素材へ再生する技術の確立を目指す。協力各社はスパイバーに、特定の繊維を混紡したサンプル素材を提供する。スパイパーは、サンプル素材に使われている化学薬品や色処理が同社の発酵技術にどのような影響を与えるかを研究する。
スパイバーは、サトウキビやとうもろこしといった食物を活用しタンパク質素材「ブリュード・プロテイン」を製造する。2022年には量産工場を開設し、23年秋に初の量産コレクションを発表した。生産規模拡大に際し同社は、農業廃棄物や繊維廃棄物など食物以外の原料を探している。コットンやウールなどの天然繊維は同社の技術で分解されるものの、化学薬品や染料、合成繊維の混合物の分解が課題だ。
東憲児サステナビリティ担当兼エグゼクティブ・バイス・プレジデントは、「私たちは、各社が実際に使っている素材を用いて、染料が私たちの循環プロセスにどのような問題を引き起こすのかを検証し、循環型の可能性を探っている。スケールするにはさまざまな課題がある。現実的な解決策になるためには、十分な量の廃棄物と変換が必要だ」とコメント。また、繊維の種類ごとの循環型ソリューションが求められており、循環が難しい素材については規制する法整備も必要だと加えた。
ケリングのマテリアル・イノベーション・ラボのトップ、クリスチャン・トゥビト(Christian Tubito)は、「循環型の産業を実現するためには、あらゆるソリューションを検証しながらさまざまな段階でのアプローチが必要だ。同プロジェクトは、繊維リサイクルに新たな道を開く野心的で挑戦的な取り組みだ。リサイクルが最終手段から、使用不可能な繊維を生まれ変わらせる新たな選択肢になることを期待したい」と話した。スパイパーは、ケリングのいくつかの工場と連携し素材開発も進めている。
同プロジェクトの調査結果は、参画企業以外のブランドも閲覧可能なデータベースにまとめ、デザイン設計における繊維や染色の影響を把握するために活用してもらう。データベースは年内に公開予定。
「WWDJAPAN」12月22日&29日合併号は、創業90周年を迎えた吉田カバン総力特集です。「ポーター(PORTER)」「ラゲッジレーベル(LUGGAGE LABEL)」「POTR」の3ブランドを擁し、日本を代表するカバンメーカー・吉田のモノ作りに迫ります。日本が誇る伝統技術を持つカバン職人たちと深い関係を築きながら、最先端の技術・素材を使い名だたるデザイナーズブランドとコラボレーションする相反した性質はどんな文脈から生まれているのでしょうか。