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次世代の勢いには夢がある
インスタグラムのアカウント「古着女子」で知名度を上げたyutoriが、東京証券取引所グロース市場に新規上場しました。上場はあくまで新たなスタート地点ではあるものの、片石貴展社長(30)はアパレル企業の社長として最年少かつ、創業から最短での上場、そして有言実行で夢と勢いを感じます。
yutoriが得意とする若年層世代のファッション市場は、以前にも増して移り変わりがどんどん加速しており、ブランドの淘汰も今後さらに進んでいくでしょう。ビジネスを仕掛ける側には、先を読むセンスとスピード感がこれまで以上に求められます。とはいえ、若い世代のファッション熱は高く、つかめば大きい。先日、yutoriが運営する「ゲンザイ」と「ヒステリックグラマー」のコラボレーションパーティーに足を運んでみて、その熱量を改めて感じました。これからも10代、20代を多く巻き込んで、ファッション界を活性化させてほしいですね。
yutoriがアパレル最短上場 片石社長「やったぜ」
yutoriが東京証券取引所グロース市場に27日、新規上場した。同社は2018年4月創業。アパレル企業として最短での上場だ。記者発表会に登壇した片石貴展yutori社長は、「やったぜ。好きなことを、好きな人とやってきた。その結果、資本主義ど真ん中の“上場”を達成できた。これから、もっと伸ばさないといけない。やってやるぞ、という感じ」とコメントした。
同日の初値は公開価格を12.3%上回る2829円で、終値は2599円だった。「投資家の皆様から評価いただけて、喜ばしい気持ちと、身が締まる思いの両方だ。今後も業績を伸ばし、市場で評価されたい」。
yutoriは2018年4月に創業した。インスタグラムアカウントを軸とするメディア事業と、海外から買い付けた古着の販売事業、D2Cブランド事業で成長し、20年にZOZO傘下に入った。
現在は「9090」「ヤンガー ソング(YOUNGER SONG)」「ゲンザイ(GENZAI)」「ブロークンベース(BROKENBASE)」など22のブランドを持ち、自社ECやZOZOTOWN、ポップアップなどのオフラインストアで販売する。今後は「日本で一番ブランドを持つ会社になりたい。おそらく今のトップは60ブランド前後。1年で10ブランド増やせば、5年後には70ブランドになる。ブランドが多ければ、それだけ多面的なコミュニティの熱量と偏愛を内包することになる。そんな会社になりたい」と片石社長。
片石社長は1993年12月25日生まれで、30歳になったばかり。アパレル企業の社長としても最年少での上場だ。2020年のZOZO傘下入りに伴う弊紙の取材で「30歳までの上場、いけるんじゃない?」と答えており、その言葉を実現した。
親会社だったZOZOは今回の上場に伴い一部の株式を売却し、所有株式は23.96%となった。筆頭株主は、27.16%を所有する片石社長になった。
高島屋のクリスマスケーキ問題 原因は「遺憾ながら特定できなかった。全責任は弊社にある」
高島屋は27日、公式オンラインストアで販売した冷凍のクリスマスケーキが一部崩れた状態で購入者に配送された問題を受けて、記者会見を行った。登壇した横山和久・代表取締役専務営業本部長は、調査結果について「明確な原因を特定することができなかった。本件に関する全責任は弊社にある。管理体制を構築できなかったことも弊社の問題と捉え、改善に向けてサプライチェーンの各お取引先との関係を強化し、再発防止に努める」と話した。
冒頭「当該商品をお買い上げいただきましたお客さま、お届け先のお客さまに多大なるご迷惑をお掛けしたこと、また多くの消費者の皆さまにご心配をお掛けいたしましたこと、深くお詫び申し上げます。誠に申し訳ございませんでした」と横山氏は深く頭を下げて謝罪し、続けて現在の状況や詳しい調査結果について説明した。
調査の内容について製造委託先のウィンズ・アークから、冷凍保管期間中の温度管理、サンプル検査共に問題なかったと報告を受けた。配送委託先のヤマト運輸からも、集荷から配送までの全段階で温度管理は問題なく、集荷に使用した車両の故障などもなかったという。調査は各社に任せており、高島屋の立ち会いは行っていない。被害のあった特定の配送エリアはあるか、という問いについては「地域が偏ることなく、各地から問い合わせをもらっている」と答えた。
26日20時の時点で高島屋への問い合わせは約1207件、破損件数は807件に上る。残りの約400件は、購入者からの苦情を中心に連絡をもらっているという。高島屋は購入者の要望に沿って返金または商品交換する形で順次対応中で、約1046人の購入者と連絡が取れている。
当該商品は、神奈川・横浜のフレンチバル「レ・サンス」が監修し、埼玉県・羽生にある菓子OEM会社のウィンズ・アークが製造した“ストロベリーフリルショートケーキ“(5400円)だ。2879個を予約販売し、16日から順次配送を開始。X(旧ツイッター)ではクリスマスイブ前日の23日から、崩れたケーキの写真と共に「ケーキがぐちゃぐちゃに崩れていた。楽しみにしていたのに、非常に残念…」などの被害を訴える投稿が相次いでいた。
「WWDJAPAN」12月22日&29日合併号は、創業90周年を迎えた吉田カバン総力特集です。「ポーター(PORTER)」「ラゲッジレーベル(LUGGAGE LABEL)」「POTR」の3ブランドを擁し、日本を代表するカバンメーカー・吉田のモノ作りに迫ります。日本が誇る伝統技術を持つカバン職人たちと深い関係を築きながら、最先端の技術・素材を使い名だたるデザイナーズブランドとコラボレーションする相反した性質はどんな文脈から生まれているのでしょうか。