
西が作ったのは、個性豊かなINIメンバー11人が集う宇宙ステーション。デビュー曲「Rocketeer」のMVにインスピレーションを受け、仲間と未来へ旅立つロケットをイメージした。
Never Stop Playing - 心が動く方へ――。
レゴグループが掲げるその言葉は、ルールや常識にとらわれず、自分が信じる“楽しさ”を選ぶ勇気を後押ししてくれる。数えきれないほどのレゴ®ブロックに目を輝かせたのは、INIの西洸人。ステージに立ちながらも、楽しみながら創造し「ものづくりへのプライドを育む」、その姿勢はレゴグループの哲学に通ずる。

趣味であるレゴ®ブロックとのコラボレーションはいかがでしたか?
西 お話を頂いたときは、もう本当に嬉しかったですね。「スター・ウォーズ️」シリーズが特に好きで、新作が出るたびにチェックしています。普段は説明書を見ながらつくることが多いので、その場にあったピースから「この形だったらここに使えるかな?」というふうに考えて組み立てるのは久しぶり。子どもの頃にタイムスリップしたような感じで、撮影中は時間を忘れて没頭しちゃいました。

幼少期のレゴ®ブロックとの思い出と、大人になってからブームが再燃したきっかけを教えてください
西 親とよく一緒につくっていたのを覚えています。中でも覚えているのは、父とすごく大きなヘリコプターをつくったこと。それは今も実家に飾ってあるんですよ。
大人になってから、コロナ禍のステイホーム中、久々にやってみようと思い立ちました。悶々としていた時期でしたが、つくったものが完成したときには達成感があり、なんだかリフレッシュできたんです。大人向けレゴ®セットはインテリアにもなるし、それからは自分時間の過ごし方として大事にしています。
最近は、作業をしていて煮詰まったときや気分をリセットしたいときにやっています。レゴ®ブロックは部分ごとにパーツが個包装になっているのですが、「今日は2袋までにしよう」と決めていても、組み立てていくうちに続きがつくりたくてうずうずして、やめられなくなるんです……(笑)。
今日も没頭した様子で制作をしていましたね。INIのメンバー11人が集う、楽しく壮大な宇宙ステーションが出来上がりました
西 デビュー曲「Rocketeer」のMVに出てくるロケットをイメージし、SFのような世界観と11人の個性あふれる感じを掛け合わせてみました。メンバーそれぞれの顔や髪型、持ちものにもぜひ注目してほしいですね。急にハイテンションになる理人(池﨑)は、飛行機に片足で立たせてそのニュアンスを表現しました(笑)。

今季のレゴグループが掲げるのは、「Never Stop Playing」というテーマ。心に従い楽しむことを優先した結果、さらによい方向へ進んだという経験はありますか?
西 ダンスにしても歌にしても、うまいとかすごいとか、そういう作品ってたくさんありますよね。それに加えて僕が心引かれるのは、ワクワクや楽しい感情が詰まったものなんです。
INIとしてデビューする前は、ダンサーとしていかに難しい振り付けができるかにこだわっていました。でもあるとき、これ以上のものはつくれないって壁にぶつかり、細かさや複雑さを追求するのをやめて、みんなが真似できるキャッチーな振りにしてみたんです。それが意外と評判が良くて。いつもの自分とは違うやり方だったので、披露するのは勇気が要りましたが、その経験のおかげで、何事も「楽しい」のが一番なんだなと学びました。
ダンサーからアーティストへと転向し、現在は作詞やDJなど、新たなことに挑戦し続けているように感じます
西 どれも自分が楽しいから進んでやっている感じですね。ゼロからイチをつくり出すのが本当に好きで。何かを作っている時間は「生きている」っていう感じがするんですよ。
いずれはプロデュースやディレクションなどの活動もしてみたいですね。そのためにも今のうちから、どんな人間で、どんなセンスがあって、どういうものをつくるのか――いろんな“西洸人”を表現する作品を残していけたらと考えています。
そうやって自分の心が動くことを突き詰めていると、INIの中にいるときとはまた違った視点で考えることもできて。グループでのパフォーマンスに対しても新たなアイデアが浮かんだり、「こうした方がいいんじゃない?」と積極的に意見できたり、いい影響があるのかなと思っています。

INIのメンバーとして活動する中で、西さんならではのこだわりや、今後ますます大切にしていきたいことは何ですか?
西 かっこいい音楽を届けていきたい。INIは韓国でのオーディションから始まったグループだけれど、グローバルに活動する上で、日本人としての誇りをさらに高く持っていきたいです。
僕自身ヒップホップカルチャーがすごく好き。とはいえ、応援してくれているファンの人が、自分の好きなものを好きとは限らないので、そのバランスはよく考えますね。でもストリートでのダンス経験を活かし、アンダーグラウンドの面白さをより多くの人に届けるような表現もしていけたら、と思っています。
グローバルボーイズグループ・INIのメンバー。1997年生まれ。2021年にオーディション番組「PRODUCE 101 JAPAN SEASON2」で国民投票によりデビューを掴む。ダンサーとしての経験を生かし、確かな表現力でステージを彩りグループを牽引。25年10月には、4年間の軌跡を追うドキュメンタリー映画「INI THE MOVIE『I Need I』」が全国公開