10代でモデルデビューし、現在はウィメンズブランド「ラウタシー(LAUTASHI)」のデザイナーとして、そして1女の母として、今もっとも輝く鈴木えみ。日々をつづったインスタグラムは100万人以上のフォロワーを擁す、現在の東京を代表する女性の1人だ。東京に暮らす彼女の毎日とは?
銀座1丁目にある和菓子専門店「ヒガシヤギンザ(HIGASHIYA GINZA)」を訪れた鈴木えみ。数年前にお茶をしようと検索してたまたま見つけて以来、プライベートや仕事の打ち合わせなどでよく訪れるようになったという。
「本格的に日本茶にふれるのが初めてだったので、種類の豊富さや奥深さに驚きました。とても新鮮だったのと同時に日本茶について興味を持つようになりました。ここでは、季節のお茶とわらび餅をいただくのが定番。特にわらび餅は『今まで食べていたわらび餅って何!!』というほど“別物”で、衝撃でした。ぷるぷるで口の中で溶けるんです。和菓子は見た目も味も繊細なところが好きです。大事に大事に、ひと口ずつ味わいたくなります。香りを楽しんで、一煎、二煎、三煎と味わいの変化を感じて、最後は茶葉を食べられる日本茶も大好きになりました」
当日は自身がデザイナーを務めるブランド「ラウタシー」の洋服をまとった彼女。そのデザイン画のほとんどはカフェで描かれたのだという。「昨年、ブランドをスタートしたのですが、アパレル産業が厳しい中、自己資金でブランドを立ち上げたので『私がデザインする意味』をとても意識しています。それまでモデルとして18年間活動をして、洋服のシルエットや素材感、動いた時の表情など、たくさんの服を着てきた経験を生かしたいと思って始めました。今日着ているのは、刺し子のデニムのキャミソールです。胸元はセクシーになりすぎず、背中にポイントを作りました。ブランドを立ち上げた時に考えていた、着る人が自分の新たな一面を見つけられるような服を作っていきたいという気持ちは今も変わっていません。マーケットに合わせるのではなく、引っ張っていくブランドになれるよう努力しています」。
洋服はもちろん、ジュエリーも大好きだという鈴木えみは「母から“奪った”リングがあるんです」と打ち明けた。「ダイヤモンドとルビーが付いた、わりと豪華なリングなんですけど、借りたまま10年くらいが経ちました(笑)。でも、まだ自分にフィットしなくてずっと隠し持っていて、その時が来たら活躍させたいと思って寝かせています。ハイジュエリーにチャレンジしたいという気持ちはありつつ、まだ早いかなという気持ちもあるんですよね」。
「ジュエリーは、基本的には毎日着けられるものが好きです。自分らしさがあって、自分になじんでくれて、勇気づけられるもの。そしてさりげないけどきちんとデザインされているものが好きです。今日着けている“キャトル”のブレスレットもそんなジュエリーですね。若い時は断然シルバー派だったけど、最近はゴールド派。ミックスするのもかわいいなと思うようになりました」
モデルやデザイナーの他、母としてもいそがしい毎日を送る彼女に、東京での子育てについて聞くと……。「高校2年の時に東京に来て以来ずっと東京に住んでいます。今のところ一番好きな街ですね。きれいだし、サービスがいいし、安全だし、とにかく暮らしやすい。娘はもうすぐ5歳ですが、やっと子育てに一段落ついた感じがあって、ぐっとラクになりました。最近は『もう少し寝かせてね』というと一人で遊んでいてくれるから寝坊できるようになりました。もともと夜型なのでこれはありがたい(笑)。子育てについては……経験によって感性が育てられると思うので、娘にはすてきな経験をたくさんさせたいなと思っています。自由な感性を持ってほしいと思って、例えばお絵描きをしていたら『そっくりに描けていて上手だね』とは言わないようにしています。模写することだけが正解ではないと思うから。あとは、幼いうちは朝夕の食事は必ず一緒にとることを心がけています。今は仕事も子育てもいいバランスでできていると思います」。
今後、挑戦したいことは?と聞くと「もうこれ以上は……コピーロボットがいないとやれません(笑)。育児もあるので。しいて言えば、今は映像や手仕事に興味があるので、何かの形で携われたらいいなと考えています」と、どこまでもチャレンジングでパワフルな答えが返ってきた。
「季節感や旬を大切にしながらデイリーユースな和菓子をつくりたい」という思いから“日々の菓子屋”=ヒガシヤと名付けられた和菓子店。銀座中央通りに面したビルの2階に位置する茶房は、「日本のティーサロン」として約40席で、季節の“朝生菓子”をはじめとする和菓子やさまざまなお茶を楽しめる。隣接する売店では和菓子の他、オリジナルの器や生活道具などもそろう
HIGASHIYA GINZA
11:00~19:00(茶房18:00ラストオーダー) 無休
東京都中央区銀座1-7-7 ポーラ銀座ビル2F
茶房:03-3538-3240 売店:03-3538-3230
今年160周年を迎える「ブシュロン」は、優れた金細工で古くからその名を知られてきた。中でもスネークをモチーフにした“セルパンボエム”は、メゾンに継承されてきたサヴォワールフェール(芸術性の高い職人技)を存分に生かしたコレクションだ。熟練の彫金師が精密に打ちたたいたゴールドには、スネークのウロコのような表面の質感が生まれ、命が吹き込まれる。スネークの頭部を象徴的に表現するドロップ型のモチーフには、それを囲むように緻密なゴールドのビーズ細工が施され、中央にセッティングされる宝石の輝きを際立たせる。熟練の職人技が“セルパンボエム”コレクションを支えているのは今も昔も変わらない
鈴木えみ(Suzuki Emi):1999年にモデルデビュー、“えみちぃ”の愛称で人気を博す。2018年秋冬シーズンにアパレルブランド「ラウタシー(LAUTASHI)」をスタート。編集長を務める雑誌「シー(s’eee)」(集英社)の他、愛猫ダニョの写真集「ダニョ カワイイ」(幻冬社)、ビューティブック「SOMARU」(宝島社)などの著書がある
photographs : Tadaaki Omori
hair & makeup : Mai Ozawa(mod’s hair)
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