2018年はパリのハイジュエラー「ブシュロン」にとって、記念すべき1年だ。まず、創業160周年のアニバーサリーであり、パリ・ヴァンドーム広場にジュエラーとして初めてブティックを構えてからも125年の節目を迎える。時代と共に変革を遂げながら人々から愛され続ける「ブシュロン」の魅力と共に、アニバーサリーイヤーのニュースをお届け。
(写真上)パリ・ヴァンドーム広場で最も日当たりがよい26番地のブティック(左)ブティック最上階では熟練の職人がジュエリーを制作している(右)美しい冬の世界をイメージした2017年の“イヴェール アンペリアル”コレクションから
1858年、フレデリック・ブシュロンが創業し、“ジュエラーの聖地”と呼ばれるヴァンドーム広場に現在もアトリエを持つ数少ないメゾンである「ブシュロン」。ブティックの最上階に位置するアトリエで創り出されるそのジュエリーは、いつの時代にもエレガントでありながらモダンな精神が宿り、古くはサラ・ベルナール(Sarah Bernhardt)からジェーン・バーキン(Jane Birkin)、そしてレア・セドゥ(Léa Seydoux)や英国王室のキャサリン妃(Catherine, Duchess of Cambridge)まで、今も昔も多くの王侯貴族やアーティスト、女優たちから愛されてきた。
独創性と情熱にあふれ、技術に裏打ちされたハイジュエリー、そしてメゾンの真髄を感じるアイコニックなコレクション“キャトル”や“セルパンボエム”など幅広いラインナップをそろえ、現代のパリそして東京でも、ファッション感度の高い人々から絶大な支持を集める「ブシュロン」。その自由な発想と革新的な美意識が、創業から160年経った今も人の心をつかんで離さない秘密だ。
毎年7月に発表される「ブシュロン」のハイジュエリーコレクション。160周年を迎える今年は“ナチュール トリオンファント(力強い自然)”と名付け、創業以来もっとも大切にしてきた“自然”をテーマに、“ナチュラリスト”“シュールレアリスト”“アルシミスト”の3つのチャプターで構成された合計88点のコレクションを発表した。
チャプター1の“ナチュラリスト”は、創業者フレデリック・ブシュロンが手掛けたアーカイブ・ピースを見事な職人技と3D技術で再解釈。植物の自然な姿を見事なディテールで表現し、メゾンに伝わるクリエイションをさらに進化させた
(左から)ネックレス“リエール ジヴレ”(チタン、カショロン、ダイヤモンド)、リング“リエール ドゥ パリ”(WG、ロッククリスタルドーム、マザーオブパール、ダイヤモンド)、ブレスレット“リエール ドゥ パリ”(WG、ブラックスピネル、ダイヤモンド)
自由な精神で自然を捉え、抽象的または幾何学的に描いたのが、チャプター2となる“シュールレアリスト”。自然がもつリアルな曲線を高度なスキャン技術で細部まで忠実に再現し、メゾンが得意とするグラフィカルな表現と共に形にしたコレクションだ。植物のリアルなボリュームと、自由な想像から生まれたグラフィックパターンを組み合わせ、ユニークなジュエリーが誕生した
(左から)ネックレス“ニュアージュ ドゥ フルール”(PG、クッションカットピンクトルマリン〈42.96ct〉、マザーオブパール、ダイヤモンド)、ウオッチ“ダミエ カボション”(WG、ダイヤモンド、オニキス)、イヤリング “ポンポン アールデコ”(WG、ラピスラズリ、オニキス、ダイヤモンド)
最終章となるチャプター3を飾るのは“アルシミスト”。世界で初めて本物の花びらを使用したハイジュエリーは、花に永遠の命を授けた奇跡のリングのコレクションだ。最新の技術とメゾンの伝統的な技術を組み合わせ、超写実的に表現したチャプターは「ブシュロン」の自由で大胆な精神を体現する
(左から)リング“フルール エターナル”(PG、チタン、オーバルカットパパラチアサファイア〈4.16ct〉、ブラックスピネル、パープル/イエローサファイア)、リング“フルール エターナル”(チタン、イエローダイヤモンド)、リング“カボション パルファム”(WG、カボションカットルベライト〈64.14ct〉、オニキス、ダイヤモンド)
今年160周年を迎える「ブシュロン」は、オリジナルショートフィルム「Cinder Ella 〜ある愛と自由の物語〜」を制作し現在、公式ウェブサイト他で2019年3月まで公開中だ。主演はフランスの人気女優で「ブシュロン」のアンバサダーを務めるレティシア・カスタと日本の俳優・高橋一生。
フランスと日本を舞台に不朽の名作「シンデレラ」を再解釈したストーリーは、脚本を本谷有希子、監督を関和亮が手がけ、「ブシュロン」が大切にする自由な精神をテーマに、自分らしく大胆に生きることを描いた。
高橋一生は「刺激的でありながらも静ひつなこの作品は、『ブシュロン』の“キャトル”のように重層的な輝きを持っていると思います。皆さまに楽しんでいただければ幸いです」と語った。
ショートフィルムには「ブシュロン」を代表する“キャトル”や“セルパンボエム”のジュエリーの他に、メゾンの歴史を語る上で欠かせない“プリュム ドゥ パオン”や独創性と優れた技術を物語るアニマルコレクション、誕生70年を迎えるウオッチ“リフレ”などが登場し、ストーリーを彩る。
(写真上)会場となったセーヌ左岸のポンヌフとポンデザールの間に位置するモネ・ド・パリ(フランス国立造幣局)(左)3代目ジェラール・ブシュロンの飼い猫だった黒猫ウラジミールは、ヴァンドーム広場のブティックを訪れる顧客たちに幸運を招く猫としてかわいがられた(右)“キャトル”や“リフレ”コレクションを鏡の柱と光のアートで見せる展示
160周年の幕開けを祝う2018年1月、パリ、セーヌ左岸のモネ・ド・パリ(フランス国立造幣局)で「ブシュロン」の歴史を振り返る「ヴァンドラマ(VENDÔRAMA)」展が開催された(2018年1月12日〜28日)。自然とデジタルを融合した展覧会は常に革新的であり続ける「ブシュロン」らしさあふれる取り組みで、多くの人々をインタラクティブな体験へと誘った。
ブシュロンのアイコニックなキャラクターである黒猫ウラジミールがスマホアプリでウィットに富んだガイドをしながら、創業当時からのオーダー帳や“アニマルコレクション”の新作、数百点ものデザイン画やポスターを紹介した他、タッチスクリーンからツールを選んで職人の手さばきを疑似体験できる仕掛けやパフォーマーによるメゾンの紹介など、参加型の展示も充実。往年の顧客とスタッフがおしゃべりしながら楽しむ様子が見られるなど、160年もの間、愛され続ける「ブシュロン」の魅力をぎゅっと凝縮した展覧会となった。
アトリエを再現したコーナーでは貴重なマスターピースを展示
1858年の創業時から20世紀初頭までのオーダー帳で埋め尽くされたライブラリーにはデジタルのアニメーション・ブックも展示された
ウオッチコレクション”リフレ”発売当初のポスター
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