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米コンデナストがアナ・ウィンター退任の噂を完全否定

 ここ数カ月ほどファッション業界で話題になっていたアナ・ウィンター(Anna Wintour)米「ヴォーグ(VOGUE)」編集長兼コンデナスト(CONDENAST)アーティスティック・ディレクターが退任するという噂について、ボブ・サウバーグ(Bob Sauerberg)=コンデナスト最高経営責任者(CEO)は、米「WWD」に提出した書簡で正式に否定した。

 サウバーグCEOは、「アナ・ウィンターは類いまれなる才能にあふれたクリエイティブ・リーダーだ。彼女の影響力は計り知れず、会社の変革になくてはならない人物だ。米『ヴォーグ』編集長兼コンデナストアーティスティック・ディレクターとして無期限に私と共に働くことで彼女と合意している」とコメントしている。

 1988年から米「ヴォーグ」編集長を務め、2013年からはコンデナストのアーティスティック・ディレクターも務めているアナの退任の噂は、アナの娘のビー・シェイファー(Bee Shaffer)と故フランカ・ソッツァーニ(Franca Sozzani)伊「ヴォーグ」前編集長の息子、フランチェスコ・カロッツィーニ(Francesco Carrozzini)の結婚式の前にピークに達していた。コンデナストのスポークスパーソンは否定していたのにもかかわらず、ファッション業界人は毎週のように話題にし、エドワード・エニンフル(Edward Enninful)英「ヴォーグ」編集長が有力後継者候補とささやかれていた。しかし、ある情報筋は米「WWD」にその可能性をきっぱりと否定していた。

 アナの退任の噂はなぜこんなにも広がったのだろうか。それは夏の暑さのためだけではなく、アナが政界に入るという噂や、ヒールを愛してやまないアナがナイキ(NIKE)の「ジョーダン ブランド(JORDAN BRAND)」とコラボスニーカーを発売するなど、“次”のキャリアに向かっているように見えたからかもしれないし、1990年代にファッション雑誌の絶頂期の恩恵を受けた業界人が、インターネットとインスタグラムに仕事を奪われ、コストカットの犠牲となってクビになるというのが今やお決まりのシナリオだったからかもしれない。

 サウバーグCEOの“無期限に”という言葉は、アナは永遠に現在の地位にとどまるように聞こえるが、“無期限に”はさすがに現実的ではないだろう。噂はひとまず収まるだろうが、いずれ退任の時は来る。またその時の話だ。