ファッション

ヘラルボニーが「ハイアット セントリック 銀座」の客室をデザイン 知的障がいを持つ作家13人のアート作品を活用

 ヘラルボニーは、東京・銀座のライフスタイルホテル「ハイアット セントリック 銀座 東京(HYATT CENTRIC GINZA TOKYO)」と協業し、期間限定のコンセプトルームを開発した。客室はスイート(税込6万1600円〜)とスタンダード(税込2万3100円〜)の2種類。それぞれコラボドリンクを楽しめる通常プランと、Tシャツなどのオリジナルグッズが手に入る特別プランを用意する。宿泊期間は5月2日〜7月31日で、現在予約を受け付け中だ。

 客室のテーマは“アートの力を体験する空間”だ。ヘラルボニーと契約する13人の作家にフォーカスし、彼らの作品を壁や床、鏡、ハンガーなどに落とし込んだ。水性ペンによる独特な色彩と、丸と四角を無数につなげる作風のフミエ・シマオカや、ブラシマーカーを使った大胆な色使いと構成が特徴の土屋康一らの作品を採用した。自社ブランド「ヘラルボニー(HERALBONY)」のソファやクッション、カップ、ハンカチなども内装に取り入れており、いくつかのアイテムはECなどで購入することができる。

 ヘラルボニーは障がいを“異彩”と捉え、知的障がいのある作家の作品を自社ブランドやライセンスに活用し、社会イメージのアップデートに挑んでいる。これまでも工事現場の仮囲いに同社のアートを活用するなど、公共空間の演出はいくつも手掛けてきたが、飲食や宿泊を伴う空間を手掛けるのは初めてだ。ヘラルボニーの松田崇弥代表は「いろいろな人と価値観、ライフスタイルが混じり合う空間を、“異彩”のアートが彩る。これは、われわれがずっと実現したかった景色だ」と語る。

 内山渡教「ハイアット セントリック 銀座 東京」総支配人は、「内装まで作り込むコンセプトルームの開発は今回が初めて。ヘラルボニーとともに、われわれが重んじる個性・多様性の大切さを届けたい。お客さまにとっては、新しい価値観と視野をもたらす空間になればうれしい」とコメントする。

 空間デザインと施工を担当した乃村工藝社の吉村峰人デザイナーは「ヘラルボニーと契約するアーティストの作品には、豊かな色彩と形の連続から、キャンバスを飛び出して拡張するような力を感じる。その“広がり”を体感できる空間に仕上げた。スカーフを使った棚の装飾など、日常で取り入れられるものもある。宿泊後もアートを楽しんでもらえたら」と話す。

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