ファッション

ゴールドウインが“循環”を前提とした新プロジェクト 人工タンパク質を使ったシェルジャケットなど

 ゴールドウインは、サステナビリティが軸の新プロジェクト「ゴールドウイン ゼロ(GOLDWIN 0)」を立ち上げる。24日に開いた事業説明会には、渡辺貴生ゴールドウイン社長をはじめ、関山和秀スパイバー取締役兼代表執行役と田代友樹イグニション・ポイントベンチャーパートナーズ代表が登壇した。

 同プロジェクトでは、“循環”をキーワードに、持続可能なアイテムやビジネスモデルを開発する。アイテムは、スポーツ領域で培った機能性と、サステナブルな素材を融合したウエアをそろえる。全てのアイテムを国内で生産することで、輸出などによるCO2排出量を削減するほか、布帛アイテムのリペアサービスも提供する。

 素材の軸となるのは、スパイバーが開発した人工タンパク質“ブリュードプロテイン”だ。“ブリュードプロテイン”は、糖類をエネルギーとする微生物の発酵(ブリューイング)過程で製造されるタンパク質で、ポリマー(粉末)をベースに、繊維や樹脂、レザー風の素材など、さまざまな素材に加工できる。ファーストコレクションには、同タンパク質を使ったデニム、シェルジャケット、フリースを用意した。シェルジャケットは、水を多く使う染色工程を省いたホワイトカラーで、防水透湿性のフィルターをラミネートしており、「既存のシェルジャケットとも遜色ない機能性」(渡辺社長)を備える。予定価格は15万円前後と高額だが、今後は原料の量産体制を整え、「もっと買いやすい価格帯にしたい」という。ほかにも、リサイクルナイロンやリサイクルポリエステル、海洋リサイクルコットンなど、機能や用途によって環境への負担が少ない素材を選択する。

 また、コーポレートベンチャーキャピタル「ゴールドウインプレイアースファンド(GOLDWIN PLAY EARTH FUND)」も4月に設立する。サステナビリティの分野で活動するベンチャー企業を対象とするCVCで、関連会社のゴールドウインベンチャーパートナーズと、イグニション・ポイント ベンチャーパートナーズが共同で運用する。30億円規模で10年の運用期間を見込む。「社会課題を解決して豊かな暮らしを実現するためには、心に余裕を持つことが重要だ」(渡辺社長)という考えのもと、“あそびをデザインする”をテーマに投資を行う。具体的には、「アパレル・スポーツメーカーとして革新し続けるためのテクノロジーやサービス」「子どもや地域社会、コミュニティーを創造するテクノロジーやサービス」「人と自然が共生する地球環境を実現するためのテクノロジーやサービス」を提供する企業だ。「若い人の情熱やアイデアは素晴らしい価値を持つ。われわれは知識でそれをサポートし、シナジーを生む事業にしたい」。

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