ファッション

“もったいない”をなくす「パスザバトン マーケット」大盛況 デッドストック約1万5000点を販売

 スープストック トーキョー(SOUPSTOCK TOKYO以下、スープストック)などを運営するスマイルズによる「パスザバトン マーケット(PASS THE BATON以下、PTBM)」が4月23、24日に東京・品川で開催された。当初は25日までの3日間の予定だったが、緊急事態宣言の発令により、25日は中止になり、2日間の開催になった。「PTBM」の開催は4回目。2019年に企業やブランド、産地が抱えるデッドストックなどを販売する蚤の市としてスタートした。ここでは、同マーケットの潜入リポートを紹介する。

 23日初日の正午過ぎに、品川駅から会場のコクヨ品川 ザ キャンパスに向かう途中に「無印良品」のショッパーを携えて駅に向かう人々の姿が見られた。おそらく「PTBM」の帰りだろうと思いつつエントランスへ向かうと、入場を待つ行列が見られた。入場料は300円。コロナ禍ということもあり、「パスザバトン」の公式ウェブサイトで事前予約が必要だ。エントランスには、予約のためのQRコードの表示があり、それをスキャンして立ち去る人々も見られた。

フードトラックや子どもの遊び場もあるお祭りのような会場

 会場は3つの構成で、“コモンズ”に入ると、左手には1万5000円以上の購入者にノベルティーが当たるくじ引きコーナー「ガラガラ ポン」があり、お祭りのような雰囲気を醸し出していた。各社コーナーごとに商品が置かれ、スタッフもリラックスした表情だ。いわゆるバザーのようで、売り手と買い手が気楽にコミュニケーションを取っている。「無印良品(MUJI)」のコーナーには、同ブランドの食器やバスケットなどのほかに傘下ブランド「イデー(IDEE)」のアイテムなどが置かれ、多くの人で賑わっていた。子どもが遊べるスペースもあり、家族連れにも気配りした会場構成になっている。
中庭は“イーティングスペース”で、階段上のスペースではフードトラックで購入したスペシャルメニューを味わう人の姿が見られた。ここには、「ふくや(FUKUYA)」や「青山フラワーマーケット(AOYAMA FLOWER MARKET)」も出店しており、ショッピングの合間にくつろげる、ちょっとした憩いの場だ。
“パークサイド”は、「ビームス(BEAMS)」や「ユナイテッド アローズ(UNITED ARROWS)」「アーバンリサーチ(URBAN RESEARCH)」などのアパレル企業のコーナーが中心で、新型コロナ感染対策のため、入場制限をする売り場があり、行列ができていた。掘り出し物を探す来場者に混ざり、私は「スープストック」の宅配定番スープセットと「パスザバトン」と「イケウチオーガニック(IKEUCHI ORGANIC)」のコラボレーションタオルを購入した。

単なる“売り買い”の場ではないマーケット

 スマイルズによると、2日間の来場者数は3588人で、販売数は1万4897点。売れ筋は、アクセサリーやアパレル、食器など。出店した「イケウチ オーガニック」などは、ほぼ完売に近い状態だったという。「無印良品」のスチールユニットシェルフやデニムブランド「イトナミ(ITONAMI)」による不要デニムの回収などが行われた。コロナ禍における消費者は、より自分によって価値を見出せるものや共感を持てるものへの関心が高まっている。そんな中で、「PTBM」は、企業が抱える問題を解決しながら単なる“売り買い”ではない場所を提供。第5回目の開催は今秋を予定している。

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